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最後のピエロ  作者: ハロル・ロイド
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但馬のひ孫

ベランダに待機していた兵士達は、破壊されたガラス窓から次々に屋敷内に侵入した。


辺りは真っ暗だった。


兵士達は暗視ゴーグルを身に着けていた。


どこからか子供の泣き叫ぶ声が聞こえる。


兵士の一人が部屋の片隅に横たわっている女性を見つけた。

手りゅう弾の爆破で手傷を負ったものとみられる。

微かに体が震えるように動いている。


まだ息があるようだ。

兵士の一人が、容赦なくマシンガンをその女性に向け銃弾を浴びせた。

女は動かなくなった。


兵士達の頭にあるのは、屋敷内の動くもの全て破壊しろという命令だ。

この屋敷にいるのはジョーカーと但馬家の家族三人だ。

その三人は但馬のひ孫、その母親、そして但馬本人。

横たわっていた女性は母親だろう。


この屋敷をガードしていた私服のガードマン達は全てジョーカーに始末されたという情報が入っていた。


エヌマルイチは部下らに二階の部屋をくまなく捜索するように合図した。

二階の間取りは中央に階段、その周りに七つの部屋がある。

エヌマルイチの部下たちはジョーカーと一戦交えることに気が急いていた。

エヌマルイチも同じ気持ちだ。

ジョーカーをここで自分たちが始末すれば組織内で一目を置かれる、のは間違いない。ひょっとすると、ミスターxに認められるかもしれない。

そうなれば、一兵卒の身分から、私服部隊に昇格できるのも夢じゃない。


エヌマルイチの期待は膨らむ。



階段を登り切った弘基は辺りを見渡した。

暗闇の中でも弘基の目は様子をうかがえる。生まれつき特殊な目を持っていた。

弘基は銃に消音装置を付け、子供の泣き叫ぶ声の部屋に向かった。


『兄さん、目の前の部屋に子供がいる。早く』元基の声が脳内から聞こえる。

弘基はその声に従い部屋に素早く入り、辺りを見渡した。


ベッドの上で驚いた風に自分を見つめる子供がいた。

この暗闇の中で弘基を見つめている。

「見えるのか?」

ユックリと弘基は子供に近づいた。


『この子供は僕たちと同類だ』

元基の声に弘基は戸惑った。


「俺たちと同類?アルビノか」


『兄さん、早くしてくれ。奴らが来る』


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