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皆殺し
エヌマルイチの左手首に着けた腕時計が小刻みに振動した。
午前二時だ。
突然、ベランダのガラスドアが爆破された。しかし、一回の爆破でガラス窓は破壊されなかった。
ガラスにひびが入っただけだ。
エヌマルイチは部下に目で支持をした。
素早く兵士の一人は
そのガラスに再びプラスチック爆弾を貼り付けタイマー仕掛けの起爆装置を押し込んだ。
二回目の爆弾で防弾ガラスは完全に破壊された。
間髪入れず兵士二人が、手りゅう弾を部屋の中に投げ入れた。
階上で爆破音が鳴り、屋敷全体が揺れた。
いよいよ突入してきたらしい。
弘基は銃を取り出し身構えた。
子供の泣き叫ぶ声が階上から聞こえてくる。
「ジョーカー。二階に曾孫がいる。お願いだ…助けてくれないか。子供を連れてここから脱出してくれ」
弘基は下唇を噛み但馬を睨みつけた。
「私の命はお前にくれてやる。だから曾孫だけは助けてくれ」
「…奴らは、俺を含め全てを抹殺するつもりか?」
但馬は頷いた。
「クソが!」
泣き叫ぶ子供の声はまだ聞こえる。
弘基は舌打ちしながら部屋のドアを開き二階に駆け上った。




