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最後のピエロ  作者: ハロル・ロイド
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ゼロ二、突撃

場面は変わり、ここは田島家。


但馬家の屋敷の周りは、ヘルメットで完全武装した兵士が数えきれないぐらい取り囲んでいた。

一人の兵士が駆け寄り指揮官らしい男に告げた。

「玄関のドアは鋼鉄製で破壊するのに時間がかかるようです。侵入するなら三階ベランダのドアガラスからが容易だと思われます。防弾ガラスですが我々の火器なら短時間で破壊できます」


「分かった。ベランダに兵を待機させろ。今から三十分後、ゼロ二で突撃だ」


「はっ!」


「ところで、但馬家のご家族の救出は?」


「必要ない。突撃したら、屋敷内の動くもの全て抹殺しろとの命令だ」


「ジョーカーだけでなく但馬家のご家族もですか?」


「エヌマルイチ、そういう事だ。一人残らず殺せ。部下を連れて二階で待機しろ。念を押すが、時間はゼロ二だ」


「はっ!」


ジョーカー一人のために組織の功労者を犠牲にするのか?これもミスターXの命令なのか?

エヌマルイチの心は暗くなった。


五十インチのテレビ画面が突然破壊された。破壊したのは弘基だ。

「監視カメラはこのテレビだけか?」弘基は尋ねた。


「ああ、そうだ」但馬は頷いた。


「ジョーカー。お前の本名は何という?」


弘基は腕時計を眺めた。時間は深夜の一時五十五分。


「あと、五分で二時か」弘基は呟きながら但馬の顔を見つめた。


「名前?知ってどうする」


「話の流れからして、君は私の血を引く孫という事らしい。私が死ぬ前に名前ぐらいいいだろう」


弘基は銃口を但馬に向けながら笑みを浮かべた。


「孫?笑わせるぜ。お前に孫と呼ばれる筋合いはない。」


「お前がリスペクトしているミスターXもこの手で葬ってやろうとしたが、どうやら貴様で打ち止めらしい。ただ我慢ならんのはお前と同じ場所で死ぬことだ」


「ジョーカー。お前が助かる方法は一つある」

但馬はそう言いながら視線を自分の足元に移した。




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