表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最後のピエロ  作者: ハロル・ロイド
60/102

ルーツ

三浦の情報を聞いて、水木の表情が一瞬曇った。

「奥村が但馬を殺したのか?仲間割れが起きたのか?一体何が原因だ」

内部分裂、一番恐れている事態が始まったのかと水木は想像した。


「いいえ、但馬を殺したのはもう一人の人物です」


「もう一人の人物?そいつは誰だ」


「我々が追っている男、ジョーカーです」


「ジョーカ?ジョーカーがなぜ但馬を殺したのだ。奥村はなぜ我々を裏切りジョーカーの手先になったのだ」

水木は三浦に畳みかけるように問い詰めた。


「それを調べるのがお前の役目ではないのか?」

ミスターXが諭すような口調で水木をたしなめた。


水木は、我に返り、口ごもった。


「この先、私を通さずに逐一、情報管理部からの新しい情報は特広局に直に入るようにしておく。その情報を元に迅速に捜査を進めるのだ。

水木、ジョーカーは必ず始末しろ。奴を生かしておけば、我々の長年の夢が潰えてしまう。国民は奴をおぞましい殺人鬼と呼んでいる。今ならどのような死に方でも、国民は喝采を挙げて喜ぶだろうよ」


「わかりました。必ず近いうちに朗報を持ってきます」


「わしの目の黒いうちにだぞ」


水木は、いつものように無表情な顔で大きく頷いた。


「ところで、私に何か質問があると言っていたが、一体何かね」

ミスターXは、水木の顔を探る様に見つめた。



水木は以前に質問事項をXに問い合わせていた。

Xと会えるのは、Xが会いたい時だけで、めったに会う機会はない。

それからずいぶん時間が経ち、質問の内容も水木は忘れかけていた、ぐらいだ。


「別に大したことではありません、今でなくても、また今度の機会でも」


「水木、わしを幾つだと思っている。今度会う時はわしが荼毘に付している時かもしれんのだぞ」


「そんな…」水木は答えに詰まった。

まだそんなお歳ではありません、、なんて滑稽なお世辞などXには通由しない。

そんな事を言えば機嫌を悪くするのが関の山だ。


ミスターXの目は、笑ってはいない。

この時を逃せば二度と答えを聞くことはできないだろう。と、水木は確信した。


水木は部下達に告げた。

「この場を離れてくれないか」

水木はXと二人だけで、たずねようと思った。


「かまわん。君たちは同じS群のグループだ。君たちは同じ血を共有している仲間だ。いわば兄弟、姉妹の関係だ。秘密は必要ない」


水木は一つ頷き、大きく深呼吸した。


「お尋ねしたかったのは、我々自信の事です」


「君達の事?なんだね」

そう尋ねたXは無表情だ。


「つまり、聞きたいのは、我々のルーツです」


Xは、一瞬笑みを浮かべたが、すぐにそれを消し去りいつもの無表情に変わった。

暫く、黙り込み寡黙になった。


Xは一つため息を吐き水木達の顔を眺めた。

「いつかは話さなければ、、と思っていた。いい機会だ、この場で話そう」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ