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第8話 魔法適性の実験で、奇妙な”副作用”が起きた

第8話です。

前回発見された「魔法適性」の研究を進めるため、レオンたちは実験を行うことになります。

研究所の机の上には、魔力測定器と数冊のノートが広げられていた。


ミリアはその数字を何度も見返している。


「やっぱりおかしいです……」


「魔力量は12なのに、適性値が781なんて」


レオンは静かにノートに数式を書き込んでいた。


「魔力量と魔法能力は別の指標だ」


「そう考えれば矛盾はない」


アルドが腕を組む。


「つまり?」


レオンは答えた。


「魔力量が少なくても、適性が高ければ魔法効率は上がる」


ミリアが驚く。


「そんなこと、今まで誰も……」


「調べていないだけだ」


レオンは淡々と言った。


そして研究所の奥に立っている青年を見る。


昨日、測定器で異常値を出した冒険者だ。


「もう一度実験をする」


青年は少し緊張した様子で頷いた。


「わ、分かりました」


レオンは床に魔法陣を描いた。


簡易的な火属性魔法だ。


「詠唱を」


青年が詠唱を始める。


火の魔力が集まり、空中に小さな炎が生まれた。


ミリアが目を見開く。


「……強い」


通常なら、この魔力量ではここまで安定しない。


だが炎は揺らがず、はっきりとした形を保っていた。


アルドが言う。


「明らかに威力が違うな」


レオンは静かに頷く。


「適性の影響だ」


ミリアが興奮気味にノートを取る。


「つまり、魔法は才能ではなく――」


その時だった。


青年が突然笑い出した。


「はは……」


最初は小さな笑いだった。


だが次の瞬間。


「はははははは!」


笑いが止まらない。


ミリアが慌てる。


「えっ!?どうしたんですか!?」


青年は腹を抱えて笑っている。


「ははは……なんだこれ……!」


アルドが眉をひそめた。


「おい、大丈夫か?」


だが笑いは止まらない。


むしろ強くなる。


「ははははははは!!」


ミリアが青ざめた。


「先生、これ……!」


レオンは一歩前に出た。


「魔法を止めろ」


青年が必死に魔力を切る。


炎が消えた。


そして数秒後。


笑いも止まった。


青年は息を整える。


「……今の、なんですか」


研究所の中が静まり返る。


ミリアが恐る恐る言う。


「副作用……?」


アルドがレオンを見る。


「説明できるのか?」


レオンはしばらく考えていた。


そしてノートを開く。


「興味深い」


ミリアが驚く。


「興味深いって……!」


レオンは淡々と言った。


「魔法は精神活動に強く影響する」


「その影響が、適性によって増幅された可能性がある」


アルドが言う。


「つまり?」


「魔法が感情に干渉した」


ミリアが息を呑む。


「感情に……」


レオンは続けた。


「おそらく火属性魔法と精神状態が共鳴した」


「その結果、感情が暴走した」


青年が言う。


「笑いが止まらなかったのは、そのせいですか……」


レオンは頷いた。


「可能性が高い」


ミリアが興奮してノートを書き始める。


「魔法適性……」


「魔法効率……」


「そして精神干渉……」


アルドが呟く。


「とんでもない研究だな」


レオンは窓の外を見た。


辺境の小さな町。


だがその研究所の中で、


魔法の常識が一つ崩れた。


レオンは静かに言った。


「魔法はまだ解明されていない」


ミリアが顔を上げる。


「先生……」


レオンは続けた。


「そして今、研究対象が一つ増えた」


ノートの上に新しい文字が書かれる。


魔法副作用理論


ミリアが小さく呟いた。


「魔法って……怖いですね」


レオンは答えた。


「怖いものほど研究価値がある」


その時だった。


研究所の外で、誰かが小さく呟いた。


「……魔法適性を測る研究所だと?」


……窓の外の影が、ゆっくりと去っていった。

第8話を読んでいただきありがとうございます。


今回は「魔法適性」の研究から、思わぬ副作用が発見されました。


研究所の研究は、まだ始まったばかりです。


面白いと思っていただけたら

ブックマークや評価をいただけると励みになります。


次回は

<魔法副作用>の研究が始まります。

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