第5話 研究所に弟子志望の魔法学生がやってきた
第5話です。
研究所に最初の訪問者がやってきます。
研究所の扉を叩く音がした。
コンコン。
レオンは顔を上げる。
「客か?」
アルドが扉を開けた。
そこに立っていたのは――
一人の少女だった。
茶色の髪を肩まで伸ばし、少し大きめのローブを着ている。
胸元には小さな魔法学院のバッジ。
学生だ。
少女は緊張した様子で頭を下げた。
「えっと……ここが、その……」
アルドが聞く。
「研究所だが?」
少女は一瞬ためらい、それから言った。
「魔法研究所……ですよね?」
レオンは頷いた。
「そうだ」
少女の目が輝いた。
「本当にあったんだ……」
アルドが首をかしげる。
「どういう意味だ?」
少女は少し恥ずかしそうに言った。
「昨日、街で噂を聞いて」
「噂?」
「魔法を作り直す研究者がいるって」
レオンは静かに言う。
「作り直すわけではない」
「解析しているだけだ」
少女は興奮気味に言った。
「でも火球魔法を改良したんですよね!?」
アルドが苦笑する。
「もうそんな話が広まっているのか」
少女は深く頭を下げた。
「お願いします!」
「ここで研究させてください!」
アルドがレオンを見る。
「弟子志望らしいぞ」
レオンは少女を見た。
「名前は?」
「ミリアです!」
「魔法学院の二年です!」
レオンは少し考える。
「なぜ研究したい?」
ミリアは即答した。
「魔法を理解したいからです」
アルドが笑った。
「ほとんどの魔術師は威力を上げたいだけだぞ」
ミリアは首を振った。
「それだけじゃつまらないです」
レオンの目が少しだけ細くなる。
「ほう」
ミリアは続ける。
「魔法って、どうして動くのか誰も説明できないんです」
「先生たちも『そういうものだ』って言うだけで」
レオンは言った。
「だから解析する」
ミリアの目がさらに輝く。
「やっぱりそうなんですね!」
アルドは腕を組んだ。
「でも学生を雇う余裕はないぞ」
ミリアは慌てた。
「給料いりません!」
「掃除でも何でもします!」
レオンは机の上のノートを差し出した。
「これを見ろ」
ミリアはページをめくる。
数秒後。
「……え?」
さらにページをめくる。
「……ええ?」
アルドが笑った。
「理解できるか?」
ミリアは震えた声で言う。
「これ……」
「魔法の内部構造ですよね?」
アルドの表情が変わる。
レオンは静かに言う。
「そうだ」
ミリアは息を呑んだ。
「こんなの……見たことない」
レオンは言う。
「研究とはそういうものだ」
ミリアはノートを閉じた。
そして深く頭を下げる。
「お願いします」
「ここで研究させてください」
少しの沈黙。
アルドがレオンを見る。
「どうする?」
レオンは言った。
「いいだろう」
ミリアの顔が一瞬で明るくなる。
「本当ですか!?」
「ただし条件がある」
「何でもします!」
「研究は楽ではない」
レオンは言った。
「魔法を疑うことになる」
ミリアは笑った。
「それがやりたいんです!」
アルドは肩をすくめた。
「決まりだな」
こうして
研究所に最初の助手が加わった。
だが――
その夜。
研究所の外で、二人の男が話していた。
「ここか?」
「ああ」
「例の研究所だ」
もう一人が言う。
「王都に報告するか?」
男は首を振った。
「いや」
「まず様子を見る」
研究所の灯りが夜の闇に浮かんでいる。
小さな研究所。
だが――
この場所が、やがて魔法世界を揺るがすことになる。
研究所の扉を叩く音がした。
コンコン。
レオンは顔を上げる。
「客か?」
アルドが扉を開けた。
そこに立っていたのは――
一人の少女だった。
茶色の髪を肩まで伸ばし、少し大きめのローブを着ている。
胸元には小さな魔法学院のバッジ。
学生だ。
少女は緊張した様子で頭を下げた。
「えっと……ここが、その……」
アルドが聞く。
「研究所だが?」
少女は一瞬ためらい、それから言った。
「魔法研究所……ですよね?」
レオンは頷いた。
「そうだ」
少女の目が輝いた。
「本当にあったんだ……」
アルドが首をかしげる。
「どういう意味だ?」
少女は少し恥ずかしそうに言った。
「昨日、街で噂を聞いて」
「噂?」
「魔法を作り直す研究者がいるって」
レオンは静かに言う。
「作り直すわけではない」
「解析しているだけだ」
少女は興奮気味に言った。
「でも火球魔法を改良したんですよね!?」
アルドが苦笑する。
「もうそんな話が広まっているのか」
少女は深く頭を下げた。
「お願いします!」
「ここで研究させてください!」
アルドがレオンを見る。
「弟子志望らしいぞ」
レオンは少女を見た。
「名前は?」
「ミリアです!」
「魔法学院の二年です!」
レオンは少し考える。
「なぜ研究したい?」
ミリアは即答した。
「魔法を理解したいからです」
アルドが笑った。
「ほとんどの魔術師は威力を上げたいだけだぞ」
ミリアは首を振った。
「それだけじゃつまらないです」
レオンの目が少しだけ細くなる。
「ほう」
ミリアは続ける。
「魔法って、どうして動くのか誰も説明できないんです」
「先生たちも『そういうものだ』って言うだけで」
レオンは言った。
「だから解析する」
ミリアの目がさらに輝く。
「やっぱりそうなんですね!」
アルドは腕を組んだ。
「でも学生を雇う余裕はないぞ」
ミリアは慌てた。
「給料いりません!」
「掃除でも何でもします!」
レオンは机の上のノートを差し出した。
「これを見ろ」
ミリアはページをめくる。
数秒後。
「……え?」
さらにページをめくる。
「……ええ?」
アルドが笑った。
「理解できるか?」
ミリアは震えた声で言う。
「これ……」
「魔法の内部構造ですよね?」
アルドの表情が変わる。
レオンは静かに言う。
「そうだ」
ミリアは息を呑んだ。
「こんなの……見たことない」
レオンは言う。
「研究とはそういうものだ」
ミリアはノートを閉じた。
そして深く頭を下げる。
「お願いします」
「ここで研究させてください」
少しの沈黙。
アルドがレオンを見る。
「どうする?」
レオンは言った。
「いいだろう」
ミリアの顔が一瞬で明るくなる。
「本当ですか!?」
「ただし条件がある」
「何でもします!」
「研究は楽ではない」
レオンは言った。
「魔法を疑うことになる」
ミリアは笑った。
「それがやりたいんです!」
アルドは肩をすくめた。
「決まりだな」
こうして
研究所に最初の助手が加わった。
だが――
その夜。
研究所の外で、二人の男が話していた。
「ここか?」
「ああ」
「例の研究所だ」
もう一人が言う。
「王都に報告するか?」
男は首を振った。
「いや」
「まず様子を見る」
研究所の灯りが夜の闇に浮かんでいる。
小さな研究所。
だが――
この場所が、やがて魔法世界を揺るがすことになる。




