第3話 魔法研究所、最初の研究テーマは火球魔法
第3話です。
研究所での最初の研究が始まります。
アルドに案内された建物は、町の外れにあった。
石造りの古い工房だ。
「鍛冶屋が昔使っていた場所だ」
アルドは扉を開ける。
中は思ったより広かった。
炉、作業台、棚。
研究には十分だ。
「好きに使え」
「ありがたい」
レオンは机に研究ノートを広げた。
アルドが興味深そうに覗き込む。
「それが研究か」
「そうだ」
ノートにはびっしりと術式が書き込まれている。
魔力の流れ。
回路。
詠唱構造。
アルドは眉を上げた。
「……魔法陣とは違うな」
「解析図だ」
レオンは言う。
「魔法の構造を分解している」
「魔法を分解?」
「そうだ」
レオンは空中に術式を描いた。
火球魔法。
「これは王都式火球」
次にもう一つ描く。
「こっちは俺の改良版」
アルドは見比べる。
「……線が少ないな」
「無駄を削った」
レオンは淡々と言った。
「王都式は回路が多すぎる」
「それで威力が上がるのか」
「いや」
レオンは首を振る。
「威力は同じ」
「じゃあ?」
「魔力消費が減る」
アルドが目を細めた。
「どれくらいだ」
レオンは答える。
「十分の一」
アルドは沈黙した。
それから、ぽつりと言う。
「……それは革命だな」
レオンは肩をすくめた。
「まだ第一歩だ」
「第一歩?」
「魔法はもっと変わる」
レオンはノートを閉じた。
「この世界の魔法は非効率すぎる」
アルドは笑った。
「王都の連中が聞いたら卒倒するぞ」
「そのうち卒倒するだろう」
レオンは静かに言った。
「魔法体系そのものを書き換える」
アルドはしばらく黙り、それから言った。
「面白い」
「そうか」
「その研究、どれくらいで成果が出る」
レオンは少し考えた。
「三日」
アルドは吹き出した。
「三日!?」
「火球魔法ならな」
レオンはノートを開き直した。
「まずは一番簡単な魔法からだ」
研究所の最初の研究が始まった。
第3話を読んでいただきありがとうございます!
ここから
魔法研究 → 発明 → 街発展
の物語が始まります。
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次回、最初の魔法革命です…!




