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忘れ潮の灯台守  作者: Tpump6957
山の底の波音
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よく働く男

レンネルの港は、鼻へ先に着いた。


魚の内臓、濡れた木、熱い油。潮の匂いの中へ三つが順番に混じり、岸の形が見える前に、腹が減るのか気分が悪くなるのか決めかねた。


白い塔があった。


うちの灯台より太く、石の色は下の方だけ黒かった。塔の脇から細い橋が渡り、倉と岸壁を繋いでいる。遠くでは大きな舟が、突堤の内側へ入ろうとしていた。


岸壁の男たちが走り出した。


こちらへ来るのかと思ったが、相手はその大舟だった。帆が下りきらず、風を受けた船首が横へ流れていた。人が集まる所から、灰色の上着を着た男が一歩前へ出た。


彼は大声で怒鳴らなかった。


短い指示を三つ出し、自分でも濡れた綱を取った。岸の柱へ一周させ、脇の男と一緒に引く。船縁の丸木が岸へ擦れ、低い音を立てたが、船腹が石へ直接当たることはなかった。


作業が済むと、男は右手を振って水を切った。


船長が何か言い、彼は首を振った。口元に笑みがあった。失敗のあとにその顔をしてもらえると、次の指示を聞きたくなるだろう。俺は少し羨ましかった。


その男が、ラウゼンだった。


俺たちが荷を下ろすと、向こうから来た。思ったより若くはなく、思ったより老けてもいなかった。目の下に深い筋があり、髪に白いものが混じっている。


「北の石枠を止めた刻線師か」


最初の言葉がそれだった。


「届くのを遅くしました」


俺は答えた。


「角が割れずに届いた。下ろすのを急げと言ったら、割って届く者もいる」


彼は俺の鞄を見た。


「穴の合う道具を作れると聞いている。港では、合わない穴の方が多い。君向きかもしれない」


エルナが横で小さく笑った。


案内の途中、ラウゼンは魚を積む女に呼び止められた。冬の短縮航路を使う荷の順番で揉めているらしい。彼は二つの荷を見比べ、腐る方を先にし、丈夫な桶の方を夕方に回した。


文句を言う男には、夕方の運び手の賃を港で半分出すと答えた。それでも男は不満そうだったが、荷を戻し始めた。


「半分だけ?」


俺が思わず言うと、ラウゼンは笑った。


「全部にすると、皆の桶が丈夫になる」


塔に着くまで、彼は何度も止まった。


誰かの子供が小さな木舟を排水溝へ落として泣いていると、自分の靴の先で引っかけた。拾い上げ、底の泥を落とし、帆を挿す棒が折れていることに気づくと、脇の削り木を折って渡した。


俺はその間、黙って待った。


こういう男が港の上にいるなら、話はしやすいかもしれない。そんな期待が、勝手に膨らんでいた。


塔の中へ入ると、空気が冷たくなった。


上る途中の窓から港が見えた。荷を下ろす腕が小さくなり、誰かの指示を待つ時間まで見渡せた。ラウゼンはそこで足を止めた。


「冬は、外を回ると四日増える。嵐なら、もっとだ。ここを通ればその朝に届く荷がある」


彼は塔の下を指した。


「薬も、干す前の魚も、雪の町へ送る油も。道の代金は安くないが、閉じた時の代金は、それより高い」


俺はうなずいた。北の冬市を思い出していた。


ラウゼンは俺の顔を見てから、上の扉を開けた。


「管理者に会おう。長話はしないでほしい。今日は帰ってくる便が多い」


扉の内側から、先に声がした。


「多いのは毎日だよ。たまには少ない日を持っておいで」


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