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忘れ潮の灯台守  作者: Tpump6957
覚えている道
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春に直すもの

その冬、俺たちは一度村へ帰った。


灯台の代番をいつまでも延ばせなかったし、エルナには父の家と、仕上げて返す仕事があった。帰った翌朝、父が俺の手へ油壺を渡した。土産話を聞く顔のまま、勤務は俺へ返してきた。


三日ほど、俺は北の石枠の夢を見た。


四日目からは、ジナが窓枠へ入れた新しい楔がどうしても気に入らず、そちらを考えた。俺より綺麗に入っていたからだ。楔に感心しているふりをして指で触ると、彼女は目を細め、抜くなら新しいのを用意しろと言った。


冬の残りは、そんなふうに過ぎた。


道具の取り分が届き、村とロイへ払ったあとにも、次の旅のために少し残せた。村の復旧負担は、最初のころのように果ての見えない額ではなくなっていた。終わると分かると途端に別の買い物をしたくなるので、俺は残りを書いた紙を工具箱の蓋へ入れた。


雪解けの頃、俺はまた北へ行った。


エッダの雨戸を直すためだった。エルナも紙の修復品を届ける用事があり、道中の二日だけ一緒になった。彼女は俺の荷がまた大きいと言った。今回は板の寸法見本と金具が入っていると説明すると、それでも干し肉の包みが大きいと指摘された。


干し肉は旅の不安を吸う。問題は、不安が減っても重さが減らないことだった。


エッダは戸口で俺を見つけると、すぐに袖を引いた。


「先に棚。雨戸は今日、雨が降らなければ困らない」


乾燥室にはもう、人の靴の匂いはなかった。薄い布が何列も下がり、湯気の下で石鹸の匂いが温かかった。床の同じ所がまだ少し傾いている。冬に皆が座った場所を、俺は歩く速さだけで思い出した。


棚の横には、約束した時に付けた俺の小さな印が、まだ材の脇に残っていた。


俺は腰を下ろし、傾きの原因になった短い脚を外した。床に押されて腐った端が柔らかい。上だけ水平にしても、来年には同じ高さへ戻るだろう。乾いた台石を置き、脚の下が濡れ続けない幅を残した。


エッダは仕事の合間に何度も来た。


「そこ、指が入る?」


「入る」


「布を掴んだまま」


俺は布を持ち、同じ動きをやり直した。入らなかった。


棚の桟を少し離すと、布が床へ触れず取り出せた。エッダは自分でやって確かめ、それでももう一度試した。俺は彼女が気に入ったと言うのを待ったが、先に新しい洗濯物が運ばれてきた。


「これを、ここへ」


濡れた束が、俺の腕へ載せられた。


雨戸は、二枚とも外した。


古い金具の穴に合わせて無理に新しい板を削るのはやめ、枠の傷みから確かめた。イェトの工房で乾かしてもらった板は、表と裏でわずかに色が違った。並べると目立つが、エッダは色より隙間を気にした。


「こっちは夕方に日が入るから、閉めたまま薄く開くようにできる?」


俺は既に取り付けた留めを見た。


できる。やり直せば。


「最初に聞いてもらえると、もっと安くできたんだけど」


「あなた、最初に言った? 薄く開けたいかって」


俺は留めを外した。


午後、エルナが紙袋を抱えて来た。中には温かい薄焼きが二枚あり、彼女の一枚は端が多かった。俺のは真ん中が多い。買った人間の裁量というものを感じた。


「まだ終わらない?」


「薄く開くようにしてる」


「いいね」


彼女は戸を指で動かした。


「家にこういう窓があったら、紙の乾きが変えられる」


俺は留めの高さを直しながら、彼女の言葉を聞いた。


家、と言った。


どこの家かは言わなかった。俺も聞かなかった。北の宿の一室や、父の家の屋根裏以外の窓を想像すると、その向こうで彼女が仕事をしている姿が、思ったより簡単に浮かんだ。


夕方、二枚の戸が閉まった。


エッダは内側から引き、隙間を指でなぞり、もう一度開けた。乾燥棚の前を通り、濡れた布を一枚取った。床につかず、そのまま両手に収まった。


「使える」


ようやく言った。


俺は笑い、腰を伸ばした。背骨が音を立てた。


エッダは戸口に腰を下ろし、俺たちにも座れと言った。薪代の追加請求ではなく、残った薄焼きを食べるだけの時間だった。


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