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忘れ潮の灯台守  作者: Tpump6957
覚えている道
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高い給金

元締めは、水路の話を聞くと机を叩いた。


「勝手に道を作るな。下に人を通せば、上の切り出しを止めなきゃならん」


町の荷場には、買付側の立会人が来ていた。細い帽子を被った男で、ラウゼンの名がある注文控えを持っている。彼は部材の数と、欠けた角の寸法を確かめに来ただけだと、最初から何度も言っていた。


ダナが図を広げると、元締めは端を押し返した。


「下を潰して上を広げる。もう材を買った。いま変えると、同じ道に二度払う」


「最初の見積りに、住人の道がない」


「軍の地図で通っている」


「私の描いた図だ」


周りの声がやんだ。


元締めがダナを見た。彼はここで初めて、彼女の顔と、古い図の印を繋げたらしかった。


「なら分かるだろう。あれだけの荷を」


「あの時、退去が終わっていないのを知って、通れるとした。家の前の仕事場を、空いた土地として塗った」


ダナの声は大きくなかった。荷場のどこかで、木の輪が転がっていた。


「今回は、そこを通せない」


元締めは顔を赤くした。


「今さら良い人間になりに来たのか。俺の荷で」


ダナは答えなかった。


俺が言い返すより先に、買付の男が咳払いをした。彼は下の道を消すことまで注文していないと言った。部材の価格は変えない、届かなければ別の保管場所から買う、それ以上は自分に決められないとも。


元締めの額に汗が浮いた。


ラウゼンの注文には納期があり、運び手の日当には雪の日も払う約束があった。彼は既に金を使っていた。その焦りはよく分かった。自分の金が減っていく時には、目の前の他人の都合が急に贅沢に見える。


元締めは図を丸めた。


「明後日、最初の荷を下ろす。沢の渡りは明日の夕方に閉める。危ない所へ人を入れるわけにはいかない」


ダナは丸めた図を取り返さなかった。


「危なくする前なら、人は歩ける」


「仕事は終わりだ。もう来るな」


荷場を出ると、エイムが待っていた。新しい前金の紐袋を握っていた。


俺はその袋を見ないようにした。見ないようにしていることが分かるほど、不自然に遠くを見た。


「頼まれた」


エイムは言った。


「橋を閉めて、杭を抜く。人が上へ来ないよう、番をする」


「やるの」


ダナが聞いた。


「三倍だ。屋根の半分が、晴れの日しか屋根じゃねえんだよ」


彼は笑った。誰も笑わなかったので、袋を上着の中へしまった。


「あんたなら、どうした」


エイムはダナへ聞いた。


「昔なら」


彼女はしばらく彼を見た。


「受けた」


男の顔が緩みかけた。


「ああ、そうか」


そこでダナは口を閉じた。今はこうしろとも、同じ間違いをするなとも言わなかった。エイムは待っていたらしい。次の言葉が出ないと分かると、帽子の耳を引き下げた。


「俺は、今の屋根が要る」


彼は橇を引いて行った。背中に結わえた予備の靴が、左右で違う揺れ方をしていた。


ダナはその背を追わず、俺へ言った。


「板を借りたい」


「借り賃は」


「私が出す。測る仕事の前金は返すから、余裕はない。売り物にしにくい板を」


俺はイェトの工房の方を見た。


「格好の悪いやつなら、心当たりがある」


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