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終末超常世界は愛銃と共に。  作者: bea-ya
かつては非日常だった日常。
3/7

初めての魔術

『指先に灯るは、世界を照らす小さな篝火。』

『揺めき、闇を払え。』

『小さな灯火(ミクロ・フォス)』

ボッと小さな炎が指先に灯る。

「やった!うまくいきました!」

「おお。なかなか筋が良いじゃないか、綾芽。」

「ありがとうございます!間子師匠!」

「今のが、火属性初級支援系魔術の小さな灯火(ミクロ・フォス)だ。」

「ひぞくせいしょきゅうしえんけいまじゅつ?」

「ああ。世界に魔術が現れてから5年。魔術の分類、詠唱の構造といった魔術に関することから、【マジック・アイテム】の製造法、魔獣の危険度、種族分析など様々な研究が進んだ。特に、魔術の分類は、教育や部隊統率の面で大きく活躍している。分類名は、属性、等級、系統の順で命名される。」

「小さな灯火(ミクロ・フォス)なら、火属性の初級支援系統魔術である、ってことだな。」

「なるほど...。では、詠唱の構造とは、どういうことなのですか?」

「良い質問だ。初級魔術なら基本的に、2つの文で詠唱は構成されている。この2つの文はそれぞれ別の役割を果たしている。1つ目の文は、その魔術の規模と、発動場所を示している。2つ目の文では、魔術の効果を表している。つまり、小さな灯火(ミクロ・フォス)は、指先に火が灯って、周りを照らす魔術ということになる。この魔術は殺傷能力こそ低いが、周囲や隠されたものを照らしたり、闇を押し退けたりするのには、とても優秀な効果を発揮してくれる。」

「火種にもなるぞ。」

「しおんお姉さん!」

「昼飯のじかんだ。リビングに来い。」

「もうそんな時間か。よし、綾芽いったん練習を切り上げて、ご飯にするぞ。」

「やったー!」

わたしが、この世界で目を覚ましてから1週間が経ちました。

間子師匠は、わたしに学校で習うようなことから、この終末世界の常識や歴史、そして、魔術や【マジック・アイテム】の作り方など、さまざまな事を教えてくれました。そのおかげで、今やわたしは初級魔術を扱えるほどにまで成長しました。

しおんお姉さんは、よく狩りに出かけて、とれた獲物でとてもおいしい料理を振る舞ってくれます。時間があるときは、わたしも料理を習っていて、今はイノシシの解体に挑戦しています。

でも、わたしの記憶が戻る気配は全くありません。

「魔鹿(まろく)のシチューと、白米、そして魔猪(まちょ)のローストだ。」

「いつも通り豪華な食事だな。」

「そうですね、間子師匠...!」

「夏の間は贅沢できるけど、冬になったらここまで贅沢はできない。秋くらいからまた貯蔵しないとな。」

「そうだな紫苑。」

「冬はなんで、贅沢できないんですか?」

「野生動物は冬になれば冬眠で出てこなくなる。それに、ここ山形は雪が激しいからな。下手に動くと遭難する。」

「なるほど。だから秋から貯蔵しないといけないんですね。」

「秋になると、熊が冬眠のために丸々と肥えるからな、毎年冬は熊で乗り切るんだ。」

「そうなんですね、師匠!」

「冷めないうちに早く食べろ。」

「はい!」

いつも通りとてもおいしいご飯です。

「間子、また銃の整備と弾の補給お願いしていいか?」

「わかった、後でやっておくよ。」

とても、終末世界とは思えないほど、ゆったりとした時間が流れています。

すると、突然なにかが窓ガラスを叩く音と鳥の羽ばたきが聞こえました。

「仕事か?」

「師匠、あのカラスはなんですか?」

「あれは、伝書のカラスだな。麓の村から来たんだろう。」

「ふもとからの連絡はカラスなんですか?電話とかはないのですか?」

「一応、この世界でもモールス通信は生きてる。でも、ここは結界の影響で電波が届かないんだ。だから、僕たち宛の連絡は麓の村の通信局で受信した後、鳥でここに届けられるんだ。」

「間子、仕事だ。新庄の方の集落にオオカミが出たらしい。詳細は不明だが、まだ怪我人も出てないらしい。」

「師匠!オオカミなんて出るんですか?」

「ああ、別に魔獣化したのは野生の動物だけじゃない。動物園とかの動物たちも魔獣化した。だから、熊や猪、鹿みたいな日本の生物だけじゃなく、ライオンやゾウ、キリンみたいなのも珍しいが確実にいることは確認されてる。この世界は集団としての人間が無意識に持っているイメージが強く出やすい。だから、オオカミなんていう、"怖い"生き物は強くなりがちなんだ。」

「この前の授業でも言ってましたね!」

「よく覚えているじゃないか。えらいぞ。」

「今回のオオカミもどこかしらかの動物園から逃げてきた個体だろ。間子、対肉食動物用の装備を準備してくれ。」

「わかった。今回は僕も行こうかな。綾芽に狩りを見せてあげたいしね。」

「しおんお姉さんの狩り...。しっかりと、見て学びます!」

「綾芽は僕の箒に乗せていく。だから、紫苑は先に行っててくれ。」

「了解。とりあえず向こうでオオカミを抑えておくから、装備はお前が持ってきてくれ。」

「じゃ、綾芽行こうか。」

「はい!」

初めて見るしおんお姉さんの狩り、楽しみです!




こんにちは、こんばんは。bea-yaです。第三話いかがでしたでしょうか?なかなか、バトルシーンが来なくて不満だった人ごめんなさい。でも、次話から戦闘が始まりますのでお楽しみにしていてください...!

では、次回でまたお会いしましょう!

見てくださり、ありがとうございました!

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