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VERTEX 2  作者: 銀乃矢
メインストーリー
10/23

第9話「新世代」

ということで中根は代表の推薦もあってWECの育成プログラムに参加することになった。

「周りはみんな大学生とか高校生っぽいな。みんな若いなぁ。」

主人公も25歳だが。


「今日からみんなにはこのマシンに乗って走りを突き詰めてもらう。」

代表がプログラムの説明を進める中で実習車両が紹介される。


シートが外されると、VITA CLUBのv.Granzが現れる。

「VITA CLUBのv.Granzだ。主にMEC120などのカテゴリーで使われている、耐久レースにもってこいの車両だ。パワフルかつ軽量であるから車両の特性もわかりやすく、技能向上に役立ってくれるだろう。」


「さっそく、技能研修…と行きたいが、まずは君たちのレースに対する知識を確認したい。座学でテストを行う。」


配られた紙には旗の意味、用語などの説明の一部がカッコ抜きされたものが書かれていた。




すべて書き終え、提出する。


「よし、全員出したな。結果は来週渡す。このあとは実習だ。パドックに集まるように。」


席を立ち上がり、パドックに向かおうとすると後ろから声をかけられた。

「もしかして、君が今年からのVERTEX racingのドライバーさん?」

「え、はい、自分がそうですけど…あなたは?」


振り返ると3人が立っていた。

「あ、ごめんなさい、つい見覚えのあるチームTシャツを見つけて。私、根岸愛(ねぎしあい)、セルモから出てるの!」

「俺、永野駿(ながのしゅん)、愛と一緒でセルモから出てる。」

「俺は萩原琢磨(はぎわらたくま)TOM(トムス)'Sから参戦してる。」


「もしかしてみんなドライバー育成の?」


「そうだよ!」


代表から以前聞いたことがある。2024年からニュージェネレーションアスリートプログラムの一環でモータースポーツ部門の3人の成績優秀生がスーパーフォーミュラへと参戦を開始したことを。



ピットに4人で談笑しながら向かう。


向かった先では10台のv.Granzが整備されていた。


「まずは、トップフォーミュラ経験者の松下、根岸、永野、萩原の4人に乗ってもらう。彼らの走りを参考にするように。」


4人がv.Granzに乗り込み、エンジンを始動させる。


このクルマはプロトタイプカーのような見た目をしており、自分の中ではお気に入りだ。


4台がピットを離れ、ホームストレートへと1周して戻って来る。


『まとまってスタートする。インディスタートで行く。』


4台の距離が接触しそうなほど接近する。

グリーンフラッグが振られる。




『レース終了、レース終了、そのままピットに戻ってきてくれ。』


「速すぎだろ…あの3人。スーパーフォーミュラでもハマれば絶対速い。」

結果、まぁまぁな差をつけられ、最下位で終わった。


ピットに戻り、3人に話しかける。


「速いね、みんな」

「えへへ〜、ありがとう。」


「みんなは去年まで何かフォーミュラとか乗ってたの?」


「俺と琢磨はFormula(フォーミュラ) Regional(リージョナル) Japan(ジャパン)に出てた。」

「私はF4!FIA-F4!」


「F4!?パワー差がありすぎじゃ…」

「そうだね、実際、パワー差すごいよ!確か、監督が大体5倍って言ってた気が…」


F4が140〜160馬力、スーパーフォーミュラが大体550馬力、実際4倍くらいパワーに差がある。


「それでも乗れる?」

「乗れるよ、スピン多かったけど。」


「たしかに、愛、スピンしてばっかだったな。去年のテスト。」笑いながら永野が言う。

「なっ、言わなくてもいいことを…」

永野をポコポコ叩く。


「去年?もしかして鈴鹿での?6月あたりの」

「そこにはいなかったね、ちょうど外国で修行してた時期だ。私達は12月の最終戦後のもてぎでのテストに出たの。」


「外国?」

「そう、イギリスでレースやってた。」

「イギリス…すごいな…」


プロのレーサーを目指す人はレースの本場であるヨーロッパなどへ渡って経験を積み、結果を残し、日本に戻ってくることをする人が多い。


「向こうのレースはすごいよ、日本ではありえないような追い抜きをする人がたくさんいた。それのおかげもあって自分もできるようになったけどね!」


「そうなんだ、じゃあ、次のレースでは要警戒かな?」

「だね!油断してるとすぐ追い抜いちゃうぞ〜?」

「じゃあ、本気のブロックラインで応戦するわ」

「負けないぞ〜?」


楽しい時間が過ぎた。



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