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第160話 誤解

「おいおい、嘘だろ…」


手紙には「現在かの国家は他の宗教国家との聖戦の最中であり、侵入不可である」と書かれていた


「どうするの?やっぱり潜入していく?」


「その場合正規の手続きを踏んでないから最悪の場合敵と見なされて国全体から追われる事になるだろうなぁ」


『申し訳ありません、潜入用特殊スーツは現在製造途中で運用は不可能です…』


「・・となると、どうやっても無理だな…」(反応は首都近辺だから、何処に誰の目があるか分からないしなぁ)


そうして考え抜いた末に俺が出した結論は…


「よし決めた!義勇軍として向こうに渡れないか王様と交渉してこよう」


「向こうは教徒でもない人の力を借りるのかな?私には宗教は良く分からないけど…」


「まぁ諦めずにアタックしていけば何とかなる場合もある、駄目もとでも良いからやっていこう」


「はぁ、、まぁいつものね」


「そういうことだ」


そうして俺達は王城へと行きいつもの如く王様と交渉した、その結果…


「あぁもう!わかったわかった!私の負けだよ」


「おっ、それじゃあやってくれるんだな?」


「本当に君って奴は、、そう思ったけど今更だね…」


「ようやく理解してくれたようで」


「要望は理解したけど、この交渉にも時間かかるよ?」


「承知の上だ、でもなるべく早くで頼む、理由は言わなくても分かるよな?」


「それは理解してるよ、それじゃあ君は向こうへ行く準備を進めておいてくれ」


「期待して待ってるぞ〜」


そう言って俺は部屋から出て、その流れで家に帰ろうとした所…


「動くな」


「・・・・」(誰だ…)


曲がり角から突如として剣が現れ、俺の喉を切り裂く寸前で止まる


「要件は何だ」


「大人しく付いてきて貰おうか…」


「はいはい…」


そう言って俺は手を上げて付いていく、その過程で目隠しを付けられるが勿論俺はアグレディアに録音等を要請する


『艦長、相手の声に僅かですが女の人のような声帯が混じっています』


(え?じゃあ目の前のコイツはもしかしたら女ってこと?)


『あくまで可能性ですが、しかし剣筋から見てもその可能性が…』


(分かった、取り敢えず現状の位置の監視と録音をしておいてくれ)


『救援はどうされますか?』


(王城外で待機だ、いざとなったら突入してくれ)


そんな会話をしながら通路を進んでいくと、目隠しを外される、その先にあった光景は…


「何だこの部屋…」


その部屋はまるでお嬢様が住んでいるような内装で、どことなくまだ人が暮らしていそうな雰囲気だった、すると…


「ゲホッ!ゲホッ!」


「・・何だこの匂い…」


唐突に部屋に置かれたベットから咳の音が聞こえたかと思えば、部屋中にまるで骨の腐ったような匂いが充満する


「お前、ゆっくりとあそこのベットへ進め」


「・・分かったよ…」


そうして俺は背中に剣を突きつけられ、ベットの方へ進んでいくと、そこにはやはり人が居た


「この人は何か病気なのか?」


「あぁそうだ、そこでお前、この方を治療しろ」


「おいおい、脅されて連れ去られたと思えば病気を直せだと?」


「お前ならこの病気を直せる筈だ、つべこべ言わずにやれ」


「いや、ちょっと待て、俺は医者じゃない、何かの間違いだ」


「そんな筈は無い、嘘をつくな!」


そう言うと背中の剣から伝わる奴の力が更に強くなる


「・・分かったよ、だが一つ聞かせてくれ、この人の病気の特定は出来てるのか?」


「ヘンゼル病だ、一度はお前も聞いたことがあるだろう」


「お、おう…」(聞いたことねーよそんな病気!)


「どうした?やれないのか?」


「どうせ俺には選択肢が無いんだろう?」


「分かってるじゃないか」


「・・取り敢えず、患者の容態を見ても良いか?そうしないと何も始まらない」


「良いだろう…」


そう言って奴はベットに設けられたカーテンを開ける、その間際に…


(・・ん?この裾は…)


相手の服がチラッと見えたが、俺はそれよりもカーテンの先に横たわっている患者に目が奪われた


「ふぅーっ、、ふぅーっ…」


(息は絶え絶えで、咳もある、しかもこれは…)


その患者の全身は皮膚がドロドロに溶けていて、今にも死んでしまいそうな感じであった


『艦長、アリス様から情報です、その病気は現在治療不可能であり、触れば触った者もその病気に犯されると…』


(お前の設備でどうにかならないか?)


『艦長に取り付けられた機器から伝達される外部情報からではその患者の容態のハッキリとした事は分かりません、しかし生存する可能性は極めて低いかと』


(可能性はあるにはあるんだな?)


『はい、ですが…』


(今すぐアグレディアを緊急出港させろ、王城上空で待機だ)


『・・分かりました、運搬はどうされますか?現在そこは王城の塔の内部ですが…』


(俺がこの人を担いでお前に飛び乗る、だがらギリギリに接舷してくれ)


『了解しました、お気を付けて…』


そうして俺は誘拐犯の勘違いから一人の病に犯された人間を救うことになるのだった…


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