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893の妹は覚悟を決めます  作者: 白李
思春期
11/13

化ける

「組長の容態は?」

「緊急治療室にて手術は成功しました

しかし目が覚めていません、医者によるといつ目が覚めるかも分からない、最悪の場合を覚悟しておいてくれと」


私は浦組組長がいつも座っていた椅子に足を組みながら座り、翠兄から報告を受けていた

私の右側に若頭の紅哉兄が座り、その後ろに碧生兄がいる


左右に分かれ組の幹部が並んで座っていた


売上か暴力か権力か

どれらかの分野で上までのし上がってきた実力者たちだ


その幹部全ての思惑は手に取って見えた

「私を利用し、組長の座を手に入れる」


わかりやすいほど目が爛々と輝きこちらにどう取り入るか考えている


(なめられたものだ

そんな簡単に私を扱えると思うなよ)


「浦組の現状は?」

「若者衆が暴れとるな、特にこの若造のところは酷いじゃないか」

「何を言う、貴様のところも暴れ回ってるじゃないか!」

「おんどれ、わしに喧嘩うるつもりか!」

「買ってやろうか老害が!」


浦組を暴力で登ってきた2人の空と海だ

空は最近幹部に上がってきた新参者で

海は以前から暴力により組に貢献してきた重鎮である


2人は犬猿の仲である

そんなことをいえばどちらが犬か猿か喧嘩が始まってしまう


「うるさいな

だから脳まで筋肉で出来てる下等な生き物は嫌いなんだよ」

「なんだ!そのてめぇのすました態度は嫌いなんだよ」

「俺の名前はてめぇではないよ、澄香という素晴らしい名前がー「女みてぇな名前しやがって」

「うるさい!脳筋猿が!」


澄香は売上で上りつめてきたものだ

女の子らしい名前をしているがれっきとした男で女と言われることに嫌悪感を持っている


黙っているが大物政治家の弱みをいくつも握り、権力で上がってきた

新というものがいる

こいつは何を考えているのか分からない

笑うわけでも睨むわけでもない

ただ無表情でこの喧騒を眺めている



幹部は団結力などあるはずがない

利害の一致があってこそ協力はするがそれ以外は協力するわけがない



バンッ

破裂した音に幹部がこちらを向いた

私は拳銃を天井にむけ発砲している


翠は口を開けているが紅哉と碧生は面白そうに笑っている

笑ってないで手伝えよ


ついでに拳銃は咲夜の家から借りてきた

決して盗みではない


「報告?聞こえないんだけど?」

兄仕込みの威圧と笑顔をそちらに向けた


静かにはなった


「まあ、つまり君たちの若者衆が暴れてると

そして君たちはそれを止めることができていない無能どもってことだね?」

幹部の額に青筋がたった

4人分の殺気が私に対して放たれる


「その様子だと図星ってことかな?」

「おい、女黙って聞いてりゃさんざんなこと言ってくるじゃねえか」

空か、頭に血が登りやすい

暴力的で単純だからこそしつけやすい

こちらにやってくる、殴るつもりか?


「現状そうだろう

君のところの部下が勝手に暴れてると?

違う、君が統制が取れていないからそうなっているんだ」

空が怒りを隠せなくなっているのがわかった

1発ぐらい殴って気がすむのならそれぐらいなら受け入れよう

痛みには慣れている


空の手が勢いに任せて飛んできているのが分かる

舌を噛むのがいやで歯を食いしばり目をつぶった



痛みがこない



「…どういうつもりだ?碧生」

「代理が傷ついては本気で浦組は崩壊します」

私の前に碧生は立ち、空の腕を止めていた

空と碧生の睨み合いが始まる

このままだとまたここで喧嘩が始まる


「碧生兄引け、私は動けとは命令してない」

「…申し訳ございません、代理」


碧生が紅哉の後ろに戻ると、空もやるせなさを残しながら自分の席へと戻っていった


静かになった幹部たちに声が届くように声を張り上げる


「まずは若者衆を止めてこい、浦組のブランドが落ちる」

命令を出す

全ての幹部が賛成するわけがない

こんな女1人の言うことを聞かないことぐらいは知っている


ただし利害が一致しない場合のみだ


「先程浦組を潰そうと夙川会が進出してきているという情報が入った」

息を呑むのがわかった


夙川会は遠方にある巨大組織だ

昔は浦組、珊組、夙川会は魔のトライアングルと呼ばれたほどの力の持ち主

しかも徹底した暴力で町の破壊を免れないほどの人員がいる

この魔のトライアングルの中で1番組員はいる


「浦組が内部でバラけてる暇はない

1週間で浦組をまとめあげ、夙川会にお引き取り願う


…いや違うな」

悪いことを考えついた

この感覚を紅哉兄はいつも持っているのか…

素直に楽しいと思ってしまう


声高らかに少しの楽しさを入れて


「夙川会が我ら浦組に二度と逆らえないほどの反撃を与える!」


浦組を守り、強くする

この利害で幹部内が一致したようだ


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