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893の妹は覚悟を決めます  作者: 白李
思春期
10/13

覚悟

「深白は巻き込まれ体質なんだろうなー」

「疑問でもないんだな」


「仕方ねえだろ、ここまで組の大事なことってなるといつも深白が出てくる」

「逆にも考えられねえか?」

「どういうことだ?」


「あいつがいるから組が荒れる」


「面白い考え方するじゃねえか」

面白いと思いながら悪巧みする時のにやけをおこした


「なら俺はその手札を手元に置いておこう」

紅哉と碧生は車に乗り込んだ





「…何かいやな予感がする」

「巻き込まれたくないと言っておこう」

深白は咲夜の部屋で問題集に手をつけていた

ある程度解き終わり咲夜に丸つけをお願いしていた

丸つけをしている咲夜は心底嫌だという顔で深白を見た


「しかもお前の予感当たるから嫌なんだよ

それに必ず面倒事だ」


手を止め深白を見た

頬膨らませている


「なんだ?」

「そこは「俺が守ってやる」とかいうべきじゃないの!」

「・・・」

咲夜は深白の膨らんでいる頬を潰し、ムニュと頬を掴んだ


「言うと思うか?」

「思いません!」

「即答もムカつくな」


頬を次は伸ばした

よく伸びる頬だ


「咲夜!!」

「…桜田、お前が敬語じゃないってことは面倒事だなしかも深白絡みの」

深白の頬から手を離した

深白は赤くなった自分の頬を触り痛いと呟いた


「その通りです!浦組が来ました」

「その様子だと若頭でも来たか?」


深白がピクっと肩を揺らした


「若頭の直接部隊と共に!」

「…本当に深白の予感はよく当たる」

咲夜はしぶしぶ腰をあげた


クローゼットから正装の着物を出し、着替えた

羽織の中に念の為の拳銃とドスを隠し入れておく


深白は武器が入っていくのを悲しそうに見ていた

万が一俺が危険だと判断すれば浦組は撃たなければならない

それが深白の兄である可能性は低くはないのだ

俺が撃ちでもすればそれは戦争の開幕の合図になってしまうのだが…


「行くか桜田」


深白が後ろに着いてくるのを感じたが止めることはしなかった

今回の交渉は深白が鍵になる



「やぁ久しぶりだね珊組の若頭さん」

「久しぶりですね浦組の若頭さん」

胡散臭い笑顔という笑顔を向け向き合う2人


紅哉の後ろには直属部隊の代表の碧生

咲夜の後ろには桜田と深白

確実に咲夜が不利な状況だ


「まあこっちも時間がねぇんだ

深白返してもらう」

「嫌です、と言ったら?」


睨みあいにより気温が下がっていくのが分かった

それでも依然としてお互いひく様子はない


「じゃあ深白を貸してもらう

これでどうだ?」

「…どういうことだ」

「俺たち浦組は今それなりに危機的な状況にいるわけなんだよ


俺の親父が持病で倒れてな

病院へ緊急搬送されたんだ

何度かこんなときはあったけど今回はやばいらしい

そこで深白が緊急で必要なんだ」


さらさらと紅哉が説明していく

咲夜は「緊急」というワードが気になった


「緊急で必要?」

「そうだ複雑なんだが

親父は深白の母親に随分惚れてたんだよ


だからこそ顔が瓜二つの深白に対しても異常なほどの愛情を注いでいたんだ

暴力も自分が与えても他人に与えさせることは許さなかった


まあ深白の顔に惚れてるだけで中身はどうでも良かったみたいだがな」


深白が俺の後ろで俯いたのがわかった

この話は真実らしい


「そこであの親父は深白にある権限を渡した

そのせいで深白が緊急に必要ってことだ」


「その権限ってまさか」

「そのまさかだ

親父が指令を出せなくなった時の代理を深白ができる、そんな権限を与えやがった」

「ということは深白は浦組の組長が回復するまでの間浦組の実質的なトップになる」


「そういうことだ、だからそいつ貸してくれね?」

「…そんなこと敵対組織の俺にいってよかったのか?」


「関係者以外にはダメだろうな」

「お前…おれを関係者にいれやがったな」

「そーいうこと、まあ協力するかどうかは深白が決めるんだがな」


俺の後ろに隠れていた深白に視線がいく

俯いた深白は拳を握りしめていた


「深白…いや組長代理」

紅哉が声を上げると直属部隊全て

そして幹部である碧生、若頭である紅哉までも頭をさげた


「我々に指示を!」

1人の女子中学生に大勢の男が頭を下げる様子は異常だった


深白は玄関へ足を進めた

「咲夜、本当に私の嫌な予感は当たりすぎて嫌になるよ」

「俺もここまで嫌な予感が最悪だとは思ってなかった」


深白は振り返り咲夜に微笑んだ

いつもの元気な、はつらつとした笑顔でなくしっとりとした笑顔であった


「いってきます」

「いってらっしゃい、帰ってこいよ」


「うん」


深白が歩けば、紅哉、碧生がその後ろに付き直属部隊も順についていく




「…咲夜さま」

「お前が言いたいことはわかってるつもりだ…本当に深白は強いな」

咲夜は歩きだした


「若頭のままではあいつを守ってやれない」

咲夜は普通の高校生を捨てる覚悟が決まっていた



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