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マッチ売りの少女2100  作者: ぽんた7
夜明け前
37/63

張り込み

 S市で取材活動を続けていた篠原。警察署を張っていた仲間から、県警本部が騒がしくなっているとの連絡を受けて本部庁舎に向かった。

 閉鎖的と思われがちな警察署だが、県警本部ともなると広報にも力を入れている関係か雰囲気はオープンだ。予算が潤沢に使われていそうな庁舎の正面ホールにはゆったりした配置のソファーが並び、壁面には警察の活動紹介パネルや各種制服などの展示物が並ぶ。

 食堂などは一般人でも利用できる。ただ残念な事にS市ではとなりに立つ市役所庁舎の食堂のほうがうまいと評判だ。警察といい自衛隊といい、もう少し食事は改善してあげたほうが良いんじゃないかなあ、と篠原は常々思っている。


 ともかく。到着した篠原の目の前のホールでは何故か警官の出入りが激しいようだった。篠原は通りかかった私服と思われる警官を捕まえた。


「パブネットの篠原と申します。慌ただしいようですが何か事件ですか?」


「申し訳ありませんが広報を通してください。」


 まあ予想通りの答えだ。しかし広報に行っても無駄な事はこれまでの経験で嫌というほど判っている。そこに仲間から連絡が入る。


「上田です。機動隊に動きがあります。M庁舎で車両が出動体制に入っているようです。」


「判ったわ。上田君はそのまま待機、出動したら追いかけて。」


「了解」


 警察の動きがマッチの件に繋がる根拠は無かったが、篠原には不思議な確信があった。これが、それだ。



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