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マッチ売りの少女2100  作者: ぽんた7
マッチと記憶
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連行失敗

 はい、リンですこんにちわ。今日は下校の途中で寄り道してます。


 昼休みにクラスメートから聞いた話だと、なんでも駅の向こうのゲームセンターに馬の景品のあるクレーンゲームがあるんだと。もちろんぬいぐるみよ?本物の馬じゃないわよ?


「当然だろう」はいそこうるさい。


 もちろん下校時にゲーセンなんて校則違反である。がしかし私はこう思います。


「バレなきゃいいのよ。学校から遠いし大丈夫。」


「気楽な生き様で羨ましいな。」


 とポリーはおっしゃる。せめて自由な生き様って言って欲しいわね。まるで考えなしみたいじゃん。


「ゲーセンのぬいぐるみ、どんな馬かなあ。ポリーに友達ができたらいいねえ。」


「私に友人の必要は無い。友人はリンだけで十分なのだが。」


「うっうっう、泣ける事言ってくれるねえポリーさんや。とにかく、可愛いのが可愛いのと並んだらウルトラ可愛くなるから。それはもう正義なのよ?」


「そうか。まったく理解はできないが意図は了解した。」


 小声でくだらない事をしゃべっている、そんな私たちを尾行してる人たちがいる事には全然気づいていなかった。ポリーには分かってたみたいだけど。


 到着したゲームセンターでお目当てのクレーンゲームを発見。我ながら鋭い読みと華麗なボタン操作で、100円一発で子馬ぬいをゲットした。自画自賛待ったナシ。


「友馬げっとー。ふっふっふ。恐れ入ったかポリーさん。」


「それは何より」


「優しい目つきのこの子はきっと女の子ね。仲良くするのよ?」


「...」


 任務達成。ほくほくしながらゲームセンターを出て、近道しようと路地を曲がった。


 すると、前から大きな大人の男の人が近づいて来た。暗い色のスーツを着ていて少し色のついたメガネをかけている。いかつい。ちょっと怖いなあ。

 後ろからも足音がした。振り返ると、こっちにも似たようなスーツの人が二人。


 まあでも帰らないわけにもいかない。前に向き直ると最初の男の人は数メートル先で立ち止まり棒立ちになっていた。そのまま横を通り過ぎたが別に何もされなかった。そりゃあそうだ、ここは日本の片田舎、スパイ映画じゃないんだから。考えすぎよね。


 路地を出てからポリーに話しかける。


「なんだか変な人たちだったね。」


「駅も近いし、色々な人がいるのだろう。たまたま通りがかっただけだな。」


「そうかな?そうかも」


 ちょっと不自然で疑問も感じたけど、門限も近いしそのまま施設へ足を早める。日はだいぶ沈みかけていた。


---


 気づくとセキュリティサービスチームの隊員は全員、別々の場所にいた。

 混乱するチームの面々。出動してゲームセンターからリンを追尾している途中から今までの記憶が全くない。混乱しつつも一旦メモリア社に戻る。


 帰社したチーム人員の証言はひどかった。

「確かに少女を挟みうちしたはずなのに、気づいたら公園のベンチに座っていました」

「少女に背後から捕獲しようとしたが、その後の記憶がない」

「もう一人、誰かがいた気がする...でも顔が思い出せない」


 セキュリティ担当役員は報告を受けて顔を青くした。隊員は単なる警備員ではない。自衛隊・傭兵・米国のセキュリティサービス、等々出身の手練れ揃いだ。その道のプロとして高額な給与で契約している実戦経験者たち。子供の拉致程度に失敗するなどありえない。


 理解できないが何かまずい。何か手に負えない状況が起こっている。CEOに報告だ。





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