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AIRPORT 4 : 東京航空交通管制部  作者: Sully Hughes and Jeff Wright
Chapter 7

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24/26

1

翌朝、東京の空は昨日の嵐が嘘のように澄み渡っていた。深夜まで続いた悪天候と格闘した片山たちにとって、静かな朝の空はまるで労いのようにも感じられた。


東京コントロールでは、朝のミーティングが始まっていた。牧村が前に立ち、昨日の対応について全体へ向けて言葉を送る。


「まずは昨日は本当にご苦労だった。新システムの試験運用が始まって以来、最も過酷な状況だったが、全員が的確な判断を下し、無事に乗り切ることができた。」


牧村の言葉に、管制官たちの間から静かな安堵の空気が流れる。北村や伊東も、その言葉にうなずきながら振り返っていた。


高橋が続けた。


「昨日の件で新システムの課題も明確になった。データの遅延問題、負荷の偏り、対応の手順など、改めて検討するべき点がいくつも浮かび上がった。今後は本格運用に向けて、一つずつ調整していきたい。」


松本が手元のタブレットを確認しながら説明を加えた。


「現在、負荷分散のプログラムに修正を加えており、次の訓練で反映される予定です。また、空港との連携強化も進めていきます。」


中山が腕を組みながら言った。


「新システムが本格稼働する前に、どれだけ問題を潰せるかが重要ですね。」


「そうだな。」


梶原が頷きながら同意した。


「昨日の件でデータ遅延の問題がどれだけ業務に影響を及ぼすかがはっきりしたし、試験運用中に対応策を固めておくべきだ。」


「本運用まであと少し。引き続き、調整と訓練を重ねながら、確実にシステムを使いこなせるようにしていこう。」


牧村が最後に全体を見渡しまとめた。


片山たちはそれぞれの持ち場へ向かい、再び業務に取り組む準備を整えた。




________________________________________




その夜、片山たちは仕事を終え、居酒屋「灯火」へと足を運んだ。外の冷たい空気を抜けると、店内には温かい灯りと活気のある雰囲気が広がっていた。カウンターの奥では店主が手際よく料理を準備し、女将が客たちに温かい笑顔を向けていた。


「お、高橋さんたちか。今日もお疲れさん!」


店主が威勢よく声をかける。


「いらっしゃい!寒かったでしょう、奥へどうぞ。」


女将がにこやかに迎える。


「すぐにいつもの焼き鳥用意するから。それと今夜は、牛すじ煮込みに寄せ鍋もあるわよ。」


店主が得意げに言う。


「いいですね。」


高橋が笑いながら答えた。


片山たちは奥の席へと案内された。


「じゃあ、乾杯するか。」


高橋がグラスを掲げると、全員がそれに倣った。


「昨日の対応、本当にお疲れ様。そして、これからの本格運用に向けても引き続きよろしく頼む。」


「乾杯!」


グラスが軽くぶつかり合い、店内に小さな音が響いた。ビールの泡が喉を潤し、温かい鍋の湯気がほっとする香りを漂わせた。


「いやあ、昨日は本当に大変でしたね。」


伊東がグラスを置きながら肩を回した。


「お前、ずっと緊張してたもんな。」


中山がからかうように言う。


「そりゃそうですよ。試験運用中で、あんな天候でしたし……。」


伊東が苦笑しながら言うと、梶原が

「でも、お前もしっかりやってたぞ。」

と肩を叩いた。


片山はそんなやり取りを聞きながら、改めてこの東京コントロールで過ごした時間を振り返っていた。


「片山さん、何か考え込んでませんでした?」


北村がふと尋ねた。


「いや、ここに来てもうすぐ一年になるんだなと思ってな。」


「確かに……。なんだかあっという間ですね。」


北村も頷いた。


片山はグラスを傾けながら、この一年間の出来事を思い返した。


羽田を離れ、新しい環境での挑戦。最初は戸惑うこともあったが、今ではチームとしての絆を感じられるようになった。


「4月からの本格運用が始まったら、利便性は上がるだろうが、まだまだ新たな課題も見つかるはずだ。しっかり対応しながら進めていこう。」


高橋が力強く言うと、全員が頷いた。


「ま、たまにはこうやって飲んで息抜きしないと。」


中山が笑いながらビールを注ぎ足した。


「そうですね!」


北村も笑顔を見せた。


「はい、お待ちどうさん。」


店主が追加の焼き鳥と寄せ鍋を持ってくる。


「この店の焼き鳥、ほんと美味いですよね。」


伊東が串を手に取りながら嬉しそうに言う。


「タレが絶妙だよな。鍋も美味そうだ。」


梶原も頷く。


夜は更けていく。彼らの笑い声と酒の香りが、居酒屋「灯火」の温かい空気に溶け込んでいった。


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