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AIRPORT 4 : 東京航空交通管制部  作者: Sully Hughes and Jeff Wright
Chapter 6

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20/26

2

2月に入り、東京コントロールではいよいよ新システムを試験的に運用する日を迎えた。長い訓練期間を経て準備を整えた片山たちは、期待と不安の入り混じった空気の中で業務を迎えた。


朝8時、管制室では全員が集まり、牧村の進行でミーティングが始まった。


「おはよう。今日は新システムを試験的に導入しての業務初日だ。これまで訓練で積み重ねてきたものを信じてやってくれ。何か不具合があれば即座に報告すること。松本さんも技術サポートとして同席してくれている。何かあれば頼るように。」


松本が軽く頭を下げ、

「皆さんのサポートは全力で行いますので、どうぞよろしくお願いします。」

と挨拶した。


高橋が続けて声をかけた。


「新しいものを運用する以上、多少のトラブルは覚悟しておく必要がある。ただ、落ち着いて対応すれば必ず乗り越えられる。今日は全員で連携を意識して臨んでくれ。」


片山はそれを聞いて静かに頷き、周りに目を向けた。


「全員で一丸となれば問題ないさ。お互いフォローしながらやっていこう。」


北村が

「はい!」

と元気よく返事をし、伊東や中山もそれぞれ

「了解です。」

と頷いた。


梶原は腕を組みながら、

「問題が出たら、その都度対応すればいい。なんとかなるさ。」

と自信満々に言った。


ミーティングが終わり、それぞれの持ち場についた。コンソールの前に座る片山は、モニターに映る新システムの画面を慎重に確認した。操作画面はこれまでのものよりも視認性が向上し、情報の統合もされていたが、慣れるまでは時間がかかりそうだ。




________________________________________




いよいよ片山の担当セクターで最初の指示を出す場面が訪れた。


「JAL452、進路を15度右に変更、高度33000フィートを維持してください。」


「了解。進路15度右、高度33000フィート維持。」


順調に進む業務に一息ついた片山だったが、その直後、北村から声が上がった。


「片山さん、セクターT12でデータリンクの通信が一時的に途絶しました!」


片山が即座に画面を確認し、高橋にも伝えた。


「高橋さん、セクターT12で通信障害が発生したようです。松本さん、原因を調べてもらえますか?」


松本がコンソールに駆け寄り、素早くデータを確認した。


「通信障害は一時的なもので、再接続は完了しました。ただ、システムが負荷に弱い部分が露呈した可能性があります。後ほど詳しく調査します。」


高橋が全体に声をかけた。


「いい対応だ。こういう事態が起きても慌てずに処理するのが重要だ。」


北村が少し緊張しながらも

「再接続後のデータに異常は見られません。安全運行には問題なさそうです。」

と報告すると、

片山が

「よくやった。」

と声をかけた。


その時、隣接するセクターで伊東が何かを発見した。


「片山さん、セクターT15で指定されたフライト計画に矛盾があります。特に高度が設定通りになっていません。他の機体との干渉の可能性があります!」


片山が画面を確認しながら指示を出した。


「伊東、フライト計画を修正する指示を出してくれ。北村、中山もサポートに入ってくれ。」


伊東は少し焦りながらも

「了解しました!」

と返事をし、すぐに指示を送った。


「ANA678、進路を15度右に変更し、高度を30000フィートに戻してください。」


パイロットから

「了解しました。進路15度右、高度30000フィートに戻します。」

と応答があり、事態は無事に収束した。



________________________________________




昼休憩になり、スタッフルームでは片山と北村、そして梶原が午前中の状況について話し合いが行われた。


「新システム、思ったより操作性は良いけど、慣れるまでは細心の注意が必要だな。」


片山が言うと、梶原がコーヒーを片手に

「とはいえ、システムがこれだけスムーズに動いてくれると助かりますよ。あとは俺たちがしっかり慣れるだけですね。」

と付け加えた。


北村が

「確かに、システムは便利です。でも、それを頼りすぎないようにしないといけないって思います。」

と真剣な表情で話す。


片山はその意見に頷き、

「その通りだ。システムはあくまで補助で、最終的な判断は我々にかかっている。」

と答えた。


梶原がふと北村に視線を向け、

「それにしても北村、午前中の対応はなかなかだったな。お前もこのシステムと相性がいいんじゃないか?」

と冗談めかして言う。


北村は少し照れたように笑いながら

「ありがとうございます。でも、まだまだ課題が多いです。」

と返した。


片山がそれを聞いて微笑みながら、

「課題が見つかるうちが成長のチャンスだ。」と声をかけた。


梶原はコーヒーを飲みながら

「まあ、成長のペースは人それぞれだ。焦らずやっていけよ。」

と北村を軽く励ました。




________________________________________




午後の業務が始まり、再び片山たちは持ち場についた。新システムの操作にも少しずつ慣れてきた様子だったが、突然、梶原の担当セクターで異常な航空機の動きが発生した。


「片山、セクターT9でANA560が予定高度を超えています!高度変更の指示を出します。」


片山が即座に応答した。


「了解。梶原、そのまま指示を続けてくれ。他の航空機との干渉を確認する。」


梶原は冷静に指示を出した。


「ANA560、予定高度を超過しています。直ちに高度を28000フィートに戻してください。」


「了解、高度28000フィートに戻します。」


そのやり取りを見ていた北村が

「隣接する空域の状況は問題ありません。」

と即座に報告した。


高橋も

「良い対応だ。引き続きモニタリングを続けよう。」

と声をかけた。




________________________________________




業務終了後、再びスタッフ全員が集まり、振り返りを行った。


「初日としては良いスタートを切れたと思う。ただし、通信障害のような問題が再発しないよう、引き続き注意してくれ。」


牧村が述べた。


「通信障害の原因を詳細に調査し、明日には改善案を提示します。」


松本も続けた。


「今日はみんなの連携があったからこそ、大きな問題もなく対応できたと思う。これからも引き続き協力していこう。」


片山が全員を見渡しながら締めくくった。


その言葉に全員が頷き、新たな一歩を踏み出す気持ちを共有した。


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