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棄てられ姫は誰にも愛されない  作者: 鷺森薫
アインホルン王国編
69/70

69.収穫祭


収穫祭の日がやってきた。

リーゼロッテは白いシフォンのドレスに白いリボンの髪飾りをつけて、馬車で王宮に向かっていた。


今日は王宮の庭を国民に解放し、バルコニーからアルベアト王、ヒーリーヌ王妃、リーゼロッテ王女が挨拶する手筈となっていた。


王都は収穫祭で沸きたっていた。

人々は久しぶりの祭に酔い、踊り、歌った。

すこし羽目を外した輩は、警戒中の騎士団員や魔法師団員に連行され、一晩牢屋で頭を冷やす事になるだろう。


しかしながら、大方の騎士団員や魔法師団員は王宮の警護にあたっていた。

音沙汰なしとはいえ、シュレヒテ侯爵やゾルゲ族の脅威が消え去ったわけではないからだ。


シュルツ卿、ウィノラ、エックハルト伯爵もリーゼロッテ王女の護衛に就いていた。


昼過ぎに行われる参賀の儀に参集した国民が次々と王宮内へ押し寄せた。

怪しい者がいないか、警護の者たちは目を光らせていた。


外庭には入りきれない程沢山の国民が、今か今かと待っていた。


時が来て、アルベアト王を筆頭に、ヒーリーヌ王妃、そしてリーゼロッテ王女がバルコニーに姿を現す。


人々はリーゼロッテ王女の美しさ、愛らしさに息をのんだ。

「黒髪黒目があんなに綺麗だなんて」

誰かが呟く。


バルコニーの国王一家が手を振ると、熱狂は頂点に達した。


湧き上がる歓声、鳴り止まない拍手。


笑顔で国民に手を振っていたリーゼロッテだったが、突然胸を押さえ苦しみ始めた。


「リーゼロッテ」

「リーゼロッテ様」

異変に気付いたヒーリーヌ王妃とウィノラが、リーゼロッテに駆け寄る。


それを見たアルベアト王は外庭を鋭く見廻した。

外庭の人々はリーゼロッテの異変に気付き、ざわめき始めている。


「あそこだ」


アルベアト王が聴衆の真ん中付近を指差す。

そこには黒いマントを被ったシュレヒテ侯爵とガリーナがいた。


「シュレヒテ侯爵とガリーナがいる。

警護の者は取り囲み捕縛しろ。

周りの人間は害が及ばぬよう、至急退避させろ」


騎士団長が叫ぶと聴衆は一斉に出口へ向かい走り出した。

「ゾルゲ族だ。殺される」


出口は大渋滞となり、聴衆は外へ出られず

喚き叫び、阿鼻叫喚の様である。


リーゼロッテは苦痛にうめき出し、体からたくさんの魔力が溢れ出始めた。


ウィノラは驚愕して叫んだ。

「魔力の暴走です」



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