表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
棄てられ姫は誰にも愛されない  作者: 鷺森薫
アインホルン王国編
60/70

60.ゾルゲ族の証


日記は更に続く。


『毒蛇は尻尾を出さない。

狡猾だ。

ヒーディは脇が甘そうだ。

何か弱味があるに違いない』


『ヒーディの母親に不義疑惑がある事がわかった。

先王陛下の御手付きになる直前まで一緒に暮らしていた男がいた。

ガウスと言うその男、人身売買、人殺しまでの毒蛇と変わらない人でなしだ。

ガウスがヒーディの父親である可能性は高い。必ず突き止めて見せる』


クラウゼはガウスもとうに突き止めていたのか、とシュルツ卿は感心する。


『ガウスが消された。

また燃やされた。

折角いろいろ調べていたのに』


『赤ちゃんはどうしているだろう。

無事だろうか。

嫌な予感がしてならない。

いや、絶対無事でいる。

それを信じなければ、私は立っていられない』


『ガウスは何故燃やされたのだろう。

手っ取り早かったから。

いや、火魔法を使えば、シュレヒテ侯爵が疑われるだろう。たとえ証拠は無くとも。

そんな危険を冒してまで何故灰にしたかったのか』


シュルツ卿はなるほどと思った。

魔石を埋め込んだ今回の一連の爆発とは違い、ガウスを殺すなら他に幾らでも方法はあった筈だ。

灰にしなければいけない理由。

それは何だ。


『見つけた。

ガウスの秘密。

前王妃の秘密。

ヒーディの秘密』


秘密とは何だ。


『ガウスはゾルゲ族だった。

 遺体は燃え尽きたので本人を確認することは出来ないが、ゾルゲ族の血をひく者は、

聖魔法で逆ペンタグラムが浮かび上がる』


「ゾルゲ族だと」

思わず大きな声を出したシュルツ卿にデレックスが尋ねる。


「ノア、今ゾルゲ族と言ったか。

誰がゾルゲ族だと言うのだ」


デレックスが驚くのも無理はない。

ゾルゲ族はとうの昔に滅亡したと言われている魔族の血を引く一族だ。

特徴は残忍、残虐な性格と特殊能力がある事と言われてきた。


そもそも無属性魔法はゾルゲ族特有の魔法ではないかと言われていた時もあるくらいだ。

確たる証拠もない上、希少な聖魔法でしか、

ゾルゲ族の証である逆ペンタグラムは浮かび上がらせる事が出来ない。


「ガウスだよ」


フォルカーが首を傾げて聞いた。

「ゾルゲ族って、あの幻の一族ですか。

人を惑わす術を使うとか、目を見ると気が狂うとか言われている」


デレックスが頷く。

「本当にゾルゲ族なのか。

それならヒーディとその娘には逆ペンタグラムが浮き上がる筈」


シュルツ卿はため息をついた。

「ヒーリーヌ様がお元気なら確認のしようもあったが、弱られている現在では聖魔法は使えないからな」


「でもヒーリーヌ様が良くなって聖魔法が使えるようになれば問題は一挙解決ですよ」


確かにその通りだ。

何にせよ、ヒーリーヌ様がお元気になられる事こそが全てだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ