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棄てられ姫は誰にも愛されない  作者: 鷺森薫
アインホルン王国編
26/70

26.相談


デレックスの仕事は早かった。

シュナイダー商会には幾人もの魔法書持ちや腕に覚えのある者が雇われている。


信頼できる部下たちをベルガー侯爵領に送り徹底的に調べさせた。


また、行方不明になっている子どもの足取りを辿って、王都中を調べあげた。


デレックスは裏社会とは取引しないが、顔は効くので、子どもの居場所は間も無くわかった。


居場所は、またもや意外な人物の邸だった。

大商会とはいえ、一介の商人であるデレックスが踏み込むわけにはいかず、やむを得ず、デレックスは義父エックハルト伯爵に相談する事にした。


北の塔への物資納入に同行し、フォルカーと共に、エックハルト伯爵やシュルツ卿に面会を求めた。


ユング子爵の案内で4階の執務室へ向かうと、シュルツ卿、エックハルト伯爵、ウィノラが揃っていた。


フォルカーはこの顔触れを見て、

完全にエックハルト伯爵家の集まりだな、と

内心笑った。

シュルツ卿はもちろん、ウィノラの将来の夫と確信している。


「どうした、デレックス」

急な親友の来訪にシュルツ卿が驚く。


「皆様、お揃いで良かった。

実は私の手に余る事態となりましたので、ご相談に参りました」


デレックスの手に余る案件など殆どない事をシュルツ卿始め、そこにいる全員が理解していたので、一瞬緊張が走る。


「貴族階級の皆様のお力が必要になりました」


そうは言っても、貴族階級とて余程の高位貴族でもない限り、大商会を実質管理運営するデレックス・シュナイダーに逆らう者はいない。


貴族と言っても名ばかりの貧乏貴族は、多かれ少なかれシュナイダー商会に借金がある。

高位貴族でも内情が苦しく、シュナイダー商会に便宜を図って貰っている家も少なくない。


たとえ、裕福な貴族であっても、シュナイダー商会に特許のある商品やシュナイダー商会でしか手に入らない特別な品などが数多くあり、その中には必要不可欠な物も含まれるため、むげにはできないのだ。


その上、アルベアト王の親友で、有力貴族の多くが後ろ盾であり、挙げ句の果てに、あのエックハルト伯爵の娘婿だ。


つまり敵に回せば破滅が待っている。


そんなデレックスが助力を求めるなど、殆ど無い事だ。


シュルツ卿は少し息を吐きながら聞いた。

「何があった」





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