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棄てられ姫は誰にも愛されない  作者: 鷺森薫
アインホルン王国編
22/70

22.打ち合わせ


泥道を乾かして修復したので、シュナイダー商会の荷馬車は進めるようになり、結界を通り門の中へ入った。


フォルカーは魔法師団から護衛で派遣されている。

ますますエックハルト伯爵家の占有率が上がっている。


「納入が終わったら2人共二階の居間に来てくれ。お茶を飲みながら今後の打ち合わせをしたいから」

シュルツ卿の申し出に頷き、デレックスとフォルカーは一階と地下の氷室とに分けてある物資を2人の下働きに指示し、運び込む。

侍従のユング子爵による納入の確認が終わると、ユング子爵がふたりを二階へ促した。


「皆様で打ち合わせがありますので、どうぞ二階へお上がりください」


頷き、螺旋階段を登り広い居間に入る。

居間に入ると、三人掛けの長椅子の真ん中にシュルツ卿その両脇にエックハルト伯爵、ウィノラが座っていた。


「他の方々は」

デレックスが尋ねるとウィノラが答える。


「ファティマさんは王女様のお側におられます。誰かが交替でついていなければなりませんので。ユング子爵とクラウゼさんは、お茶の用意をしてくださっています。コッホさんは夕餉の支度があるので参加されません」

「どうぞお座りになってください」

ウィノラが反対側の長椅子を勧めた。


そこへお茶とお菓子をのせたワゴンを押して

クラウゼさんとユング子爵が入って来た。


「お待たせいたしました。今お茶をお出しします」

流石王妃付筆頭侍女という動きで焼き菓子を並べ、ティーカップにお茶を注いでいく。


「ありがとうございます。それではユング子爵とクラウゼさんもお座りください」

ふたりも隣の長椅子に腰を下ろした。


全員が座ると、シュルツ卿が話し始める。

「どうぞ皆様、今日は大変な1日でしたので

お茶を飲みながら、今後の話をいたします」

そして、ひと口お茶を飲むと、にこりと笑い

クラウゼに尋ねる。


「これは美味しいお茶です。こちらはヴァイス領産でしょうか」

「その通りです。シュルツ卿」

それを皮切りに皆が焼き菓子を食べお茶を飲み始める。その様子を見ながらシュルツ卿が本題に入った。


「本日は王女殿下がお生まれになった喜ばしい日でありますのに、残念なことにご移動中に襲撃されましたのはご存知の通りです」


「幸い、誰にも怪我などありませんでしたが、襲撃者の姿を確認する事が出来ませんでした」


「考えていた以上に巧妙な手口で、これからも脅かしてくると思われますので、スクランブル体制に切り替えて対応します」


皆黙ってシュルツ卿の話を聞いている。


「不測の事態に陥った時点で発動される様、陛下と打ち合わせ済です。

まず門の周辺に近衛隊が常時配置されます。

塔内も外部からの接触、侵入等の監視を更に強化します」


シュルツ卿は済まなそうに微笑んで言った。

「当分物々しくなってしまい落ち着かない事と思いますが、皆様で協力して王女殿下をお守りしましょう」

一同が頷く。


「シュナイダー商会には更に数人、魔法師団より護衛がつきます。フォルカー殿はシュナイダー商会にてデレックス殿とご家族をお守りいただく事になります」


フォルカーは目を輝かせ言った。

「これでウィルメットとずっと一緒にいられる」


その様子を若干複雑そうに眺めているデレックスにシュルツ卿がそっと囁く。


「負担をかけて申し訳ないな。思った以上に危険な相手だからくれぐれも気をつけてくれ」



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