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棄てられ姫は誰にも愛されない  作者: 鷺森薫
アインホルン王国編
17/70

17.連絡係


アルベアト王よりめでたく連絡係を拝命した

エックハルト伯爵は意気揚々とその足で北の塔に向かった。

ついでに北の塔への食糧や備品の納入も、娘婿のデレックス・シュナイダーが直接行う事となり、エックハルト伯爵家の北の塔占有率はかなり高くなった。


実際の所、途中で幾人もの手を介す王宮経由の納入より、直接信用あるシュナイダー商会より納入した方が安全と踏んだからであるが。


目指す北の塔は堅牢な門で囲まれており、

幾重にも結界が張られる事になっていた。

まずは1番内側にウィノラの風の結界

次にシュルツ卿の水の結界

最後にアルベアト王の光の結界


北の塔程の高く広い範囲に結界を張るにはかなりの魔力が必要で、疲弊も半端ないため、

ウィノラには大変な作業となった。


必死になって結界を張っていると、急にあたり全てにすっと結界が張られた。

はっと振り向くと、エックハルト伯爵が魔法書を開いて結界を張っていた。


「お父さま。ありがとうございます。助かりました。でも何故こちらへ。外部の方は門から中には入れませんのに」

「まさか、風の魔法で飛んでいらしたのですか」

やりかねない。


「ウィノラーーーー。会いたかった」

いや、お父さま昨日も門前までいらしてお会いしましたよね。

中には入れませんでしたが。


「いやー、陛下がな、私に是非王宮と北の塔の連絡係をやれ、とおっしゃってな」

そんな事は言われていない。


そこへ結界の様子を見にシュルツ卿がやってきて声を掛けた。

「ウィノラ嬢、結界は綺麗に張れたようですね。お疲れ様でした」


ウィノラの影で見えなかったエックハルト伯爵が姿を現す。

「いま、ウィノラと呼びましたかな」

臨戦態勢だ。


「これはエックハルト伯爵、何故こちらへ」


エックハルト伯爵は王の刻印が押された任命書を高々と掲げ高らかに言った。

「本日より王宮と北の塔の連絡係を拝命しました」


そんな話は寝耳に水の責任者シュルツ卿である。

「本日、エックハルト伯爵に事の次第を説明なさるとは言っておられましたが、連絡係は聞いておりませんでした」


「いや、さっき急に決まったので、アハハハハ」

笑って誤魔化すエックハルト伯爵であったが

ウィノラとシュルツ卿にはお見通しだった。


「お父さま、陛下に泣き落とししましたね」

「昨日は何もおっしゃらなかったので、恐らくそうでしょう」


二人に責められ逆襲のエックハルト伯爵。

「いやいや、そんな些細な事より、シュルツ卿、先程ウィノラと名前で呼んでおられたが、いつの間にそんな事に」

「まさか」


「いえ、これから長いお付き合いになりますのでウィノラ嬢とお呼びすることにしたのですよ」


「長いお付き合い」

どこまでも言葉尻を捉えるエックハルト伯爵である。


「私も結界を張りましょう」

エックハルト伯爵の臨戦体制は華麗に受け流し、シュルツ卿が美しい海の色の魔法書を開き、魔力を集中させる。

あっという間に海色の結界が塔全体に張られた。


「流石ですな」

エックハルト伯爵もこれには賞賛を惜しまない。

ウィノラも思わず見惚れて言った。

「なんて美しい海の色の結界でしょう、ノアさま」


「ノアさまだと」

名前呼びにすぐさま反応するエックハルト伯爵。


「貴女の高い空色の結界も美しい」

エックハルト伯爵を完全無視して会話は進む。


「こちらに陛下の光の結界が張られたら、更に美しいでしょう」

魔力のあるものはその魔力に応じて結界の色が見える。

強い魔力を持つ3人には殊更はっきりと美しい色が見えた。


「後は無事に御子をお迎えするだけです」


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