日常が終わりを告げる日。3
「ねぇ~ねぇ~この人は?」
髪を左肩側に降ろした娘が言う。
髪の色は山吹色に近い黄色で背は150位。
人見知りなのか緊張した口調で遠くから仰向けに横たわる男を見ている。
クリッとしているが泣いているかのような目をしている。
瞳の色は澄んだオレンジ色をしてい燃えているように見える。
「なに、なに?この人は?」
髪を右肩側に降ろした娘が言う。
髪の色はピンクに近い紫色で背は黄色髪の娘とおなじ150位。
こちらは人見知りなく、好奇心剥き出しのような口調で男の頬をつねって遊んでいる。
悪戯っ娘のように無邪気なつり目。
瞳の色は桔梗の様な紫色をしている。
髪の色や性格は違えど、顔の輪郭や体つき、背丈が同じところから双子なのかなと思う。
そんな様子を見ていた日の光が透き通るかのように透明感のある肌、月のようなクリーム色、薄い黄色の髪の娘は慌てた様子で言う。。
「5th!寝てる人にそんなことしちゃダメです!自分がされていたら嫌でしょ? 」
「良いじゃん♪7thこの人寝てんだしぃー。」
5thは悪びれることなく、つねるのを止めどこから出して来たのか油性マジックの蓋を開けていた。
きゅっぽっ!
「油性はダメだと思う。なかなか落ちないから...」
4thはオドオドしながらも妹の行いに注意しようと思ったらしいが、意味合いが違い水性のマジックにしたほうが落ちやすいから後々怒られないからそっちの方が良いと言っている様に聞こえる。
「4thもそう思った?だよね~油性は冗談♪冗談♪」
「やるなら、水性がせめてものマナー。」
4thも警戒しつつ男に近づき、5thもまたどこからか水性のマジックを2本取り出し、一本を姉の4thに渡す
「どっちもダメですっ!あなた達、自分の寝顔に落書きしようとしてるのと同じですよ?」
「そうだな。私もその件に関しては7thに同意しよう」
少し年配気味の声で話すのは白衣を纏い、片手にバインダーを手に持った男が部屋に入ってきた。
「だって、あまりにも寝てるんだもん。退屈だよー!」
「うん。起きるまで暇。」
姉妹そろって、目の前のおもちゃで遊びたいとばかりに訴える。
「そんなことよりこっちが大事だ。検査の結果、彼は私たちと同一人物という結果が出たよ。」
「「おぉー」」
8th以外声をそろえてあげる。
「ついでに言うと7thが持ってきた彼の髪の毛からも同じ結果が出た。」
「つまり、9thで間違いないと?」
7thが確認するように8thに尋ねる。
「あぁ、そうゆうことになるね。」
診察台で寝転び、爆睡中の1st以外が険しい表情を浮かべる。
「これで全員出揃ったってわけっか。」
5thが容姿に似合わない凶悪な顔をしている。
ニタァーっと子供がするような顔でわなく、見たものの血の気を引くような笑み。
「あぁ...///」
4thは4thでどこから取り出したのか、サバイバルナイフに興奮した顔で頬擦りをしている。
この2人は異様だ、いや異常を通り越し、狂気に等しいのかもしれない。
「あの~ここどこ?てかおっさん、赤い目の女の子知らない?聞きたいことが...」
!!!!!
その場の全員がものっそい速度で声した方へと振り向く。
姉妹は慌てて正常の自分たちに戻し、7thと8th2人はあきれたように首を右から同時に左右に振った。
「私のことは8thと呼んでくれ。ここの病院の持ち主でもう一人の君だ。」
そう言う男の顔を1stは夢でも見ている様な感覚に陥った。
(昔、ばあちゃんが死んだときに夢見た医者の自分がいる。しかもこんな感じで歳とってやっているだろうとイメージした通りの自分がそこに立ってる。)
「解った。貴方は私。私は貴方。おk。おk。納得した。」
マ○リックスみたいなことを言って納得していると...
「いつまで寝てるんですかっ!そんなに強い薬使ってないのに11時間寝てましたよっ!」
「あらやだっ、人に不意打ちかまして、薬使ってまで移動する人に言われたくないわっ。」
近所のおば様方みたいな口調で言ってやった。
「そ、その薬を使って眠らせたのは、移動時の反動で吐かれたりされると面倒なので。」
彼女はテヘッ!見たいな感じで言いやがった。
「そんなことより、こちらのお嬢様方は?こんなロ…もとい可愛らしい娘達は?」
(ワクワク♪ドキドキ♪くんかくんかでスーはスーは♪)
「そのままだと、逝かしますよ?」
「嫌だモぉ~♪オジサン、何もしてないのにぃ~怖~い。」
「ほぉ~。その頭かち割って見てみましょうか?」
「何この人、あぶない人?」
5thが身を守るように距離を取る。
「目が変態。」
4thはいつの間にか部屋の隅まで移動し警戒している。
さっきまでこの姉妹(4thと5th)のほうが危ない感じだったのは1stは知らない。
しかし、この姉妹よくここまで白々しく言えるものだ。
「この部屋の奥にいるのが4thで手前にいるのが5thです。ちょっと!?目であの子達を犯さないでください!」
「おいおい!とんだ濡れ衣だぜっ!」
そういいつつ、再度双子?姉妹?をいやらしい目で...
「貴方って人は懲りないですね。一度その根性叩き直してあげましょうか?」
7thはどこぞの巨人兵の様に不安定な歩みで1thに近ずく。
前髪で目が見えないが恐らくあの赤い目を見開いて、無表情でいるに違いない。
「あの~7thさん?見えてますよ?そのアングルだと…」
こちらに来てから着替えたらしく、今は白いワンピースを着ている。
診察台から見上げてもパンツは見えない。
けど、言わなきゃ戻らないと思ったから。
「パンツ見えてるよ?」
しかし、彼女は「大丈夫です。スパッツ履いてますから、見えても大丈夫です。」
(ヤバイ。マジで死ぬかもしれない。)
「7thさん?落ち着きましょうよ。話し合えばわかりますよ?一度ゆっくりはなっ…………」
7thは「ゴォ~」っと口をあけて煙を吐いている。
(だめだ。逃げよう!)
そう思い振り向き様に駆け出すと、何かに躓き、床に向けてスッ転ぶ。
「いってぇ~!5th!今足引っ掻けたろ!」
「さぁ~。」
知らん顔で、7thと1stの様子を止めようとせず楽しそうに眺めている。
4thはその部屋の唯一の出入り口を塞ぐ形で扉に背を預けていた。
(この姉妹。こういう所も息がピッタリ。)
「お前らぁ~(泣)」
8thは4thが背を扉に預ける前に出たらしい。
この部屋に姿が見えない。
「チキショーッ!」
俺は振り向き彼女を見る。
そこには、あれだ。宇宙戦争映画の黒いやつがいた。
目の前のは白だけど!女の子が指ならして来るよ!?
「あぁ。」
俺は恐怖を口から漏らした。
「ちぇ~すとぉ~っ!」
この叫びと同時に悲鳴が病院全体に響き渡った。
その様子を姉妹は楽しそうに眺めている。
その顔は先ほどまでとは違い、微笑ましいものだった。
この先、こんな感じで大丈夫なのかな?と8thは渡り廊下でコーヒーを啜りながら、玄関に入る二つの影をみつけた。
2ndと3rdだ。2人は8thに気づき、手を挙げる。
一人は8thとさほど歳が変わらない感じがする。片手にはかなり頑丈なスーツケースをもっている。
隣にいる娘は病院の雰囲気とは異なり、その場に似合わない格好をしていた。
白をベースとしたローブを身に纏い、頭にもローブと同じ尖り帽子を被っていた
この二人が何者なのかは、次のお話で。




