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第3話 怪人アンサー

この部は文字数多くなるんだよね。

「次の話、聞いたことある?」


 彼女は蝋燭の火を見つめながらそう問いかける。


「10人が円形に並んで、隣の人に電話をかけるの。

 そしたら、一つだけ知らないところに繋がるんだって。」


 呼び出し質問をすると、どんな答えでも返ってくる。

 それが、未来のことでも……


 ───「怪人アンサー」


「だけどね、答えてくれるのは9人の質問だけ。

 残りの1人は逆に質問に答えないといけないの。」


 彼女は声を小さくし囁くように言った。


「難しい質問。

 もしも答えられなかったら……身体の一部が取られるらしいよ。」


 ――――――――――――――――――――――


 ─2003年、大学サークル内で不可解な事件発生─


 10人の学生の内一人が、負傷。事件性があるとして捜査──


 T県内の大学で、当時流行していた都市伝説を

 サークル活動中に試した学生10人が、不可解な被害に遭った。


 事件当夜、学生らは輪になり携帯電話で互いに電話をかけ、

 最後の1人が「知らない番号に繋がった」と証言。

 その通話相手は、誰も知らない謎の番号だったとされる。


 その数時間後、参加していた学生のうち1人は

 右腕が肩口から消失した状態で救急搬送された。

 奇跡的に一命を取り留めたが。

 医療機関による検査では、


 切断面は、まるで野生動物などに噛み取られたような痛々しい痕が残っていたという。


 大学側は当初、学生の悪戯が原因と発表したが、

 参加していた10人全員が、怯え精神に異常を来していたため。


 警察は事件的可能性も含めて慎重に捜査を進めていた。


 ――――


「それで?その弓は?」

 ターボばあちゃんを除霊。

 次の日の放課後、事務所で景太はリリーの弓と矢の

 説明を求めた。


「……これは、安倍晴明っていう怪異とかそういうのに精通していた人がいてね。その人の弓と矢。」

「安倍晴明……」

 景太は思わず復唱した。

 知っている人物、誰もが聞いたことのある名前だったからだ。


 どうやら、その矢は五種類の種類があるらしく、

 弓は霊感がないリリーには分からなく、怪異が出た時、残穢を感じた時勝手に出るらしい。

 その時は、手の甲の模様が光るそう。


「なるほど……」

「うん。じゃあ、今日の依頼ね。」


 リリーは景太のことなど気にしなく、パソコンを動かす。

「いや、展開早いな!

 まだ聞きたいことが……」

「後々教える。」

 リリーはそう言って景太を軽くあしらった。


(何でそれを持ってるのかが聞きたかったんだけど……まぁいいや。)


 そう考えている時、

 リリーはパソコンで過去の事件に関する新聞の記事を見せてきた。

 どうやら、2003年の大学のサークルで起こった出来事に関するもの。


「え?」

 思わず声に出てしまう。

 なぜならば、怪異の仕業。だが、今回ばかりは……


「これ、実態とか現れるの?

 電話越しみたいだし。」


 恐る恐る聞いてみるも、リリーは余裕の表情を浮かべている。

「大丈夫大丈夫。最後の人が質問に答えられなければ体の一部を直接取りに来るらしいから。

 その時狙おう。」

「いや、一人確実に取られるじゃん!」


 景太は、驚いた。

 2件ほど解決して、この事務所で雇ってもらっているが、この人はどこをとってもめんどくさがりであり、

 人の命に無関心だ。

 所々助けようとしているが、、 


(単に除霊が最善って感じ……)


「まぁ、人数が必要。

 10人……」

「どう集めるの?」


「三銃士ババァで3人……」

「復活させようとしないでもらっていい?」


 そうして。


 ――2日後――


 とある大学。

「……あの、依頼はそちらで回収してくれるんじゃ?」

 依頼主である女子大生が言った。

「まぁ、そうなんですけど、人数が足りなくて。

 後7人、そちらの大学のサークルちょうど7人ですよね?」


 景太は慣れないコミュニケーション。そして、大学デビューのような服装を着せられそう交渉してみる。


 その後ろには、サングラスをかけた赤髪。リリーに

 化けぎつねまで。

「おい。何で私もなんだ?」

 化けぎつねは、リリーの肩をガッチリ掴み逃げないよう対策をしていた。


「い、いやぁ〜人数がね?それに、、他にまともなの居ないし。」

 サングラスを外し、ようやく目を見せるリリー。

 目が左右に泳ぎまくっていた。


「人の目、いや。妖怪の目を見ろ。携帯が10台あればいいんだろ?下の中古ショップにならあるし、

 ”あの霊能力者”もいるだろ?

 一般人を巻き込むな。」


 化けぎつねは鋭い眼差しでリリーを見つめる。

「……分かってるよ。

 いざとなったら私が止める。

 それに、怪人アンサーには都市伝説らしい対処法がある。それをすれば、そいつを倒せるよ。」

「だからって……」


 化けぎつねは、周りの人を見る。

 だが、周りの学生たちは場所が場所。

 居酒屋ということもあってかなにやらノリノリな様子。


「いいぜ!面白そうじゃん!」

「やろやろ〜」

 そうして、10人。


 円になって一斉に隣の人に向かって電話をかけた。

 着信を始める。


 プルルル……10台分のコール音が響き渡る。

 その瞬間、一人の大学生の携帯電話が知らない番号へと繋がった。


「……繋がった!」

『質問を。』


 途切れ途切れの声がスマホの中から聞こえてくる。

 順番としては、3人以外は全員大学生で、5番目リリー、7番目化けぎつね、最後の10番目、景太という形になった。


「えっと、、明日の天気!」

 一人目の女子大生は、少しパニックになりながら質問をする。


『雨だ。』


 二人目。

「………お、俺の寿命は?」


『60年。』


 そうして、5人目であるリリーの番へとやってくる。

「……」


『質問は?』


 リリーは無言のまま何か迷っているようだ。


(リリー……何を質問する気だ?)


 化けぎつねは、少し緊張したように。

 唾を飲み込んだ。


「……どうやったら、収入あげれる!?」

 その迫真は声でリリーは怪人アンサーにそう迫る。


『……ん?、、ああ、えっと。』


(いや。怪人アンサーも困っとるわ。)


 化けぎつねは、そんなリリーに呆れた。


『ノーコメント。』


「ええ!!」


(ありかよ。)


 怪人アンサーは、何にでも答えてくれる。

 そんなルールをあっさりと壊してしまうリリーであった。

 順番は、7番目の化けぎつねへとやってきた。


「……そうだな。

 じゃあ、いつウチのリリーとか言う奴は家賃を払ってくれる?」


 化けぎつねは、そう質問をすると、思いのよらず返答が返ってくる。


『来月』


 化けきつねは目を見開き、スマホを指差す。


「うん。嘘っぽい。」


 景太は、納得した。

 そうして、終わりも近くなってくる。

 9番目。


「でも、、この調子だと悪いことないな。」

「そうだな。」


 すでに質問を終えた大学生はお酒を飲みながら、背もたれに寄りかかりそんなことを話していた。

 9番目の大学生は、すでにお酒が回っている。

「えっと……!じゃあ、、!」

 大学生は、大きな声を出しながら質問をしようとする。


(これで、、決まる。)


 リリーは怪人アンサーの対処法を知っていた。

 それは、怪人アンサーは9番目の人たちにはどんな質問を答える。

 だが、10番目の人には怪人アンサー自身が質問し、その質問は無茶苦茶。

 普通に生きていて分からないものだ。


 それが分からなければ、新聞記事のように自分の身体の一部が取られる。

 対処法とは、その9番目の人が怪人アンサーが投げかける質問の答えを教えてと言うものだ。


 そうすれば、10番目の人は助かる。

 リリーは念の為全員にこのことを伝えている。

 よって、今から質問する人は答えを教えてもらわないといけないが。


「宝くじ一等の番号を教えて!!」

「……!?」


 そこにいる人たちは困惑をした。

 酔っているのか、それとも欲には抗えなかったのか。

「ちょっと!」

「大丈夫だよ、少しぐらい。」

 一人の女子大生は止めに入るも、他の人たちは便乗し楽しんでしまっている。


「リリー!」

 化けぎつねは、リリーを見つめる。

「……」

 リリーは何も喋ることはなく、ただ無言で俯いていた。

 近くにいた景太の表情は暗く青ざめているのがわかる。


『160793番。』


「やった!!」

 男は思わず立ち上がりガッツポーズをする。

 それを見て、友達は指差して笑う。


 電話は、景太へと回ってきた。

「リリーさん、」


 景太はリリーの方を見つめる。

 そんなのお構いなしに、怪人アンサーは質問を投げかける。


『では、質問。

 今、この地球の回転はこの瞬間、何ミリ遅れている?』


 無茶苦茶な質問。分かるわけない。


「えっと……」


『時間切れだ。』


 携帯画面が微妙に揺れ、黒い影のような物が滲み出て来る。

 次の瞬間、血色の悪い片腕が徐々にスマホから飛び出して来る。


 その瞬間、すかさずリリーは横からなにか文字が書かれた紙を、景太へと渡した。


「…ん?えっと……地球は、回らない?

 地球の周りを太陽たちが回っている……?

 いや!これ天動説?」


 景太は、リリー方を見る。

 だが、携帯から出てきていた奇妙な血色の悪い腕は

 中へと引っ込んでいく。


『そう言う答え方もあるのか。

 ………まぁいいだろう。』


 そうして、怪人アンサーは去っていった。


「危なかった……

 何者なんだよ。」

「大丈夫ですか?」


 依頼をお願いした女子大生は、景太の肩に手を添える。


「アイツは、頭しかない状態で生まれてきた奇形児という説がある。

 少しずつ人から部位を奪って人間になることが目的だという説があるが………わからんな。」


 化けぎつねは、そう言ってリリーの方をみようとしたその時。

 リリーは、9番目の少し小太りな大学生の胸ぐらを掴み壁に押し付ける。


「ねぇ。何したか分かってるの?」


 淡々と冷酷で冷たい声で、男を追い詰める。

 その目は、殺気だっていた。

「いや、、まさかほんとだったとは……酔ってたし。」


 男は目を逸らす。

「……私の助手になにしてんだよ。」

「悪かったって。ほんとに……」


 男はそう言って頭を下げる。

 リリーは机に置かれた酒を男に向かってぶちまけた。


「そんなに酒が好きなら、一生浸ってろ。

 行くよ。二人とも。」

「え、あ。はい。依頼、達成しましたから!」


 景太は依頼主にそう告げるとリリーについていく。

「……ありがとうございました!」


 女子大生はそうして、頭を下げた。

 リリーと景太、化けぎつねはそうして店を出ていった。


「やりすぎだぞ?」

「ちょっと腹たったんだ。

 あと、家賃払うよ。」

「え、まじ?感動。」


 リリーと化けぎつねがそうして話しているのを景太は後ろから見つめ、思った。


(俺のために怒ってくれた。

 何も思ってなかったわけじゃなかったんだ……)


 景太はリリーの元へ走り、横に並ぶ。


「ありがとうございます。」

「別に。腹たっただけ。」

「でも、除霊っていう除霊しました?」

「完璧に祓い切るのは無理。

 でもこれ以上悪さしたらまた次は絶対に除霊する。

 脅しにもなるし、いざとなればその時除霊するよ。

 悪さは減るよ。それだけでも除霊にはなる。」


 そうして、その日は事務所で軽く飲み直し解散した。


 ――――――――――――――――――――――


 少女は楽しそうに話し始める。

「そう言う解決の仕方もあるんだね……」

 彼女は微笑みながら続ける。


「でも……怪人アンサーは全て身体の一部を集めたらどうするんだろうね。

 気になるけど、試しちゃダメだよ?」


 彼女は、少し緊張感を持ってそう言った。

 そして、思い出したように3本目の蝋燭の火を消し次の話の準備をする。


「あ、そうそう、電話といえばもう一つ有名なのが……人形の話なんだけど、聞くよね?

 じゃあ、次の話をしよう。」


 ──────────────────────


 怪異名:怪人アンサー

 怪異階級:C級


 攻撃力:C

 スピード:C

 知能:B

 防御力:C

 噂レベル:C


 怪域:なし

 種別:特異型


 リリーメモ:対処法に従えば余裕。

 無理だったら………ゴリ押し?まぁ腕一本安いもんだ。

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