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【☆5.0万PV】アダルトレジスタンス   作者: オレノマツ
第二章 国家騒乱編

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File:026 アメリカ軍跡地

説明回なのでかなり短めです。

日本の安全保障の屋台骨であり、同時に戦後日本の最大の歪みでもあった在日米軍基地。

現在、我が国にはアメリカ軍専用施設が約78カ所、自衛隊との共同使用施設を含めればその数は約130カ所にものぼる。

この狭い国土において、日本は世界で最も米軍基地が高密度に配置された国である。


その総面積は約2万6千ヘクタール。

東京都心の山手線内側の面積を4倍以上も上回る広大な土地が、星条旗の下に置かれている。

その比率は沖縄に7割、本土に3割。

特に以下の「6大拠点」は、東アジアの軍事的均衡を支える不動の要石であった。


三沢飛行場(青森):空・海・陸が集結する北の多機能要塞。

横田飛行場(東京):在日米軍司令部が鎮座する、東アジア最大の輸送ハブ。

横須賀海軍施設(神奈川):第7艦隊の本拠地であり、原子力空母の「母港」。

岩国飛行場(山口):海兵隊と海軍の航空打撃力が集う最前線。

佐世保海軍施設(長崎):強襲揚揚陸艦の拠点であり、膨大な弾薬と燃料の貯蔵庫。

嘉手納飛行場(沖縄):極東最大級の航空戦力を誇る「不沈空母」。


もし、これらの土地が一度に解放されるならば、日本には広大な「空白」が生まれる。

だが、それは本来、決して許されないはずのことだった。


日本はこれまで、アメリカにとっての「プラスアルファ」の従属国として、西側諸国の一員でありながらイスラム諸国とも独自の外交ルートを持つという、奇妙かつ特殊な立ち位置を維持してきた。

それはひとえに、自力では中国やロシアという巨大な版図を持つ隣国に対抗する術を持たないからに他ならない。

アメリカという重石がこの地に置かれているからこそ、危うい均衡は保たれ、秩序は守られてきたのだ。


だが、その戦後レジームの根幹が、前崎政権という劇薬によって粉々に粉砕された。


前崎は、米軍の駐留経費、いわゆる「思いやり予算」の支払いを一方的に停止。

事実上の資金凍結という暴挙に出た。

経済的合理性を盾に取ったこの揺さぶりに、アメリカ側は激昂しながらも撤退を余儀なくされ、鉄壁を誇った各基地は一夜にして「もぬけの空」と化した。


ここで前崎が真の牙を剥く。

本土の基地跡地が国有地であるのに対し、沖縄の基地の多くは民間人が所有する私有地だ。

前崎は「国家安全保障上の緊急措置」を掲げ、これらの土地を地権者から強引に、かつ徹底的に徴収した。

不動産業界を潰し、土地を国家に集約させるという彼の狂気的な国有化政策が、沖縄という最前線で完成を見たのである。


均衡が崩れれば、捕食者が動くのは自明の理であった。

アメリカという巨大な盾が消え、防衛の空白地帯となった日本列島。

この絶好の「秩序の裂け目」に対し、真っ先に牙を剥いたのは、西側諸国の困惑を嘲笑う北の巨人だった。


その国の名は――ロシア連邦。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


2022年2月24日に端を発したウクライナへの軍事侵攻は、歴史に刻まれるべき壮大な失策だった。

強硬に突き進んだその行軍は、10年という歳月を費やしてもなお、広大な大地を「占領」という名の支配下に置くことは叶わず、ただ国家の命脈と若者たちの血を無為に垂れ流し、疲弊させるだけに終わった。


悲願であった「不凍港」をその掌に収める最初で最後の好機は、砂のように指の間からこぼれ落ちた。

諸外国からの激烈な抵抗と、終わりなき泥沼の消耗戦。


かつて超大国と呼ばれた面影は消え、経済力はG7の末席にさえ手が届かぬほどに凋落した。

国際社会からの信頼は地を這い、ロシアは「終わった国」の代名詞となった。

それから30年以上の時が過ぎた今なお、世界は嘲笑混じりにそう呼び続けている。


国家の主な収入源は、もはや正当な交易ではなく、国境を越えて暗躍するロシアンマフィアの非合法活動によって賄われるという有様だ。


一切れの肉を売るために3人がかりで列を作らねばならなかった、あの屈辱的な困窮の時代は終わった。

今こそ、傷ついた双頭の鷲が再び空へ返り咲き、世界第一の座を奪還すべき時なのだ。


その契機は、極東の島国から「盾」が消えたという奇跡的な報告だった。


「……全軍に告ぐ。日本を占領せよ」


世界で最も広大な領土を持つ「飢えた巨人」が、さらなる土地を、そして失ったプライドを求めて軍靴を鳴らし始めた。

均衡が崩れた日本列島へ向けて、北の海から黒い影が迫り来る。

侵略の号砲が、極寒の空に響き渡った。


150年の時を経て、再び侵略してきた。


未来の教科書ではこのように書かれるだろう。


第2次日露戦争と。

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