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白銀の転生竜は勇者と距離を置きたい  作者: まなま


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42/52

アメジスト



どうしてこうなった??



絢爛豪華なシャンデリアが等間隔に吊るされ、真紅の絨毯がどこまでも続く。たまに飾られた装飾品はいくらするんだろう…?


私は今、銀糸の刺繍や縁取りが神聖さを醸し出すくるぶしまである白いワンピースに、これまたお揃いの刺繍が素晴らしいベルベットのローブを羽織り、勇者御一行プラスフランツさんと共に国王の謁見室へと続く長い廊下を歩いている。

先立って魔法で勇者が重症のままいなくなったと王城に伝達をしてあるらしいので、勇者が生きていたって報告は必要。大事。

でも、私がここまでめかしこんで登城する意味ある!?

いや、導者が見つかったから紹介するのは当たり前。王の御前なんだからきちんとした格好をするのも当たり前。

分かってる。分かってはいるけどさぁ!

白いワンピースに白いローブに白い髪で…真っ白白じゃん!おかしくない?ねぇ、おかしくない!?通りすがりにこちらを見てくる人たちがみんな目を丸くしてるよ!二度見してくるよ!王都のお店でアランたちに絶対これがいいって言われてこれにしたけど…もっと違う色が良かったんじゃないかなぁ…。黒とか。茶色とか。灰色とか…とにかく地味なやつ。


「イリーネを見る目が多くて鬱陶しいな…」

「うっ…ごめん…」

「なぜイリーネが謝るんだ?」

「だ…だって…」


黒いオーラを纏っていたアランが一転、きょとんとした顔を向けてきた。くそぅ…可愛いじゃないか。


「まぁ、美しすぎるという意味ではイリーネが悪いのかな。本当に…誰の目も届かない、どこかに隠してしまいたいな…」

「え?」


言っていることが欠片も理解できませんが?


「クソ勇者。監禁なんてさせるか。イリーネが貴様と会えるのは魔王討伐までだ」

「…おまえこそ魔王討伐後、解雇だ」



  ******



そんな感じでアランとフランツさんが仲良く会話のキャッチボールを楽しみ、ヴェロニカ様からは終始睨まれながら謁見室に着いたのがちょっと前。


うぅ…帰りたい……。


「どうです?私と結婚する気になりましたか?」

「いえ、私は貴族ではございませんので…」

「はっはっ!そんなのはどうとでもなる。私が言うのもなんだが、息子は身持ちも固く、誠実な男だ。悪い話ではなかろう」

「悪い話だなんてそんな…私には恐れ多すぎて…」


なぜか先程会ったばかりのウィルフレッド王子に求婚され、エルフェイ王がそれをアシストをしている。えぇ〜…なんでぇ〜…?


…………………あぁ、なるほど。

私は魔法が使える。それもものすごく。アランやマルク様の話からするとかなり稀有な存在と言える。そんな私をこの国に縛り付けられればかなりの国益となることは間違いない。そして縛り付ける一番簡単な方法は結婚だ。自分で言うのもなんだが…たぶん私より魔法が使える人はこの世にいない。皇太子妃として迎えるだけの価値があるってことなのだろう。


それにしても。ウィルフレッド王子は…ひと言で言うと、キラキラ。それはもう、キラキラしていて眩しい。少しうねった金髪は光を受けて輝いているし、切れ長の紫の瞳はアメジストを嵌め込んだよう。うわぁ、肌もきれー…。こんな彫刻がありそうってくらい整っていて、「美」を体現したかのような人だ。

それに物腰も柔らかく紳士で、とても王子然としている。

でも結婚は無い。絶対に無い。

私に皇太子妃なんて務まらないし…そもそもドラゴンだし。王家の子が卵で産まれたら大騒ぎだ。それに私は見た目、年を取らない。美魔女のレベルを超えてしまうからね…。あ、でも髪の色はもう実年齢を超えてるんだった。ショック!


「いやぁ、すまんすまん!遅くなっちまった!」


私がロイヤルな親子に勧誘を受けていると、突然溌剌とした声とともに背後の扉から男性が入ってきた。


「ラヴィル…大遅刻だ」

「はは!美しい馬を献上されたもんでな。そしたら乗ってみなきゃだろう?」

「おまえは、まったく…」


国王が額に手を当てて首を振るも、男性は意にも介さずカラカラと笑っている。年は国王と同じくらいだろうか。王様とタメ口って…この人、何者?

ラヴィルと呼ばれたその男性もまた美しかった。色彩は国王と王子にそっくりで、金色の髪に紫の瞳。とはいえ王子や国王がすらりとした体型なのに対し、彼はガッチリとしていて逞しい体付きをしている。だが色彩もそうだが、国王や王子とどことなく雰囲気が似ているのは血族だからだろうか。ということは彼もロイヤルなファミリーってこと?

ラヴィル様は背後から大股で歩いてきて、私達の横に差し掛かったとき…私と目が合った。私を見つめたまま「ぴたり」と音でも付きそうなほど一瞬で動きが止まり、その目がこれでもかというほど大きく開かれる。『アメジストが零れそう…』そんなのんきなことを思っていた私の耳に、意外な名前が届く。


「イリス…!」

「……え?」


イリス。


それは今も尚、洞窟で眠っているであろう母様の名前だった。



投稿が遅いうえに短くてすみません…。

次はもう少し早めに投稿したいと思います!

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