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白銀の転生竜は勇者と距離を置きたい  作者: まなま


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感動の再開…なんだよね?


ひとりをおんぶ、ひとりをお姫様抱っこで行こうとしたら…アランとフランツさんが揉めに揉めた。

『どちらがお姫様抱っこされるか』で。

え、お姫様抱っこって乙女の憧れでしょ?成人男性もお姫様抱っこってされたいものなの?

結局、私が魔法でそこらへんの蔓を成長させて編んで、小さいハンモックみたいな椅子をふたつ作ってぶら下げて運ぶことになった。これだと背中合わせにくっつくことになるけど、もう文句は言わせない!ひと睨みで黙らせてやったわ。大人なんだからケンカしないでよね!


「風よ、包め」


ふたりに風の魔法を掛けて風の抵抗や寒さを和らげる。魔法で飛ぶとなると大変だけど、これくらいなら大丈夫!私はまだ膨大な魔法の量と加減に慣れてないし、そもそも魔法は意外と燃費が悪いのだ。


私のこの体にしては小さめの羽でふわりと舞い上がる。

…大丈夫そうね。魔法で補助をすれば余裕で飛べるわ。


「行くわよ!」

「はい!」

「…おう」


…アラン、その間は何かしら?今回は魔法できっちり包むから大丈夫…なはずよ!


いざ、王都へ出発!!



   ******


間に休憩を一回だけ挟み、王都の入り口に着いたのがそろそろ夜になろうかという頃。

これから登城するのは失礼だろうということで、とりあえず城下に宿をとり、今現在は宿の部屋で待機中です。


「ふたりとも…大丈夫?」

「「…………………」」


魂が抜けております。そしてふたりして死んだ魚の目というやつになっております。

やっぱり足がぷらんぷらんの状態であのスピードではこうなるかぁ。

失敗、失敗。……てへ☆

私は人間の姿になると、ドアを開けながら振り返る。


「下でお水もらってくるね!」

「あ、ちょ…イリーネ!?うっぷ…」


背後でアランが何か言いたそうだったけど…勢いで出てきちゃったから後でいいかな?とりあえずお水、お水。

階下に降り、受付の奥の食堂に入る。そこは夕飯時ということもあり、ガヤガヤと賑やかだった。そういえばこういうとこに人間の姿で来るの初めてだなぁ…。なんだか嬉しくなって、ちょっと頬が緩む。

いかんいかん、浸っている場合じゃなかった。とりあえず近くを通るおばちゃんを引き止める。


「あの、すみません。上の階で宿泊している者なんですが、お水をいただけますか?」


ガヤガヤガヤ……………………。


え!?何!?私、何か変なこと言った!?!?

私は驚いて身を縮こませてしまう。なぜなら、今まで騒がしかった場が一転。一瞬にして静寂に包まれたからだ。そしてみんな私を見ている…。ひぇぇぇぇ!!!怖いよぉ!!


「…………かわいい」


誰かが何か呟いた。

瞬間、場が爆発した。


「うぉぉぉおお!!めっちゃかわいい!!クソかわいい!!」

「妖精か!?妖精なのか!?あり得ないだろう!!!」

「おまえ、俺の前に来んな!見えなくなるだろう!!」

「いいもん見た……俺、今夜死ぬのかな…」

「ありがたや〜。ありがたや〜」


やだ、みんな何言ってんのか分かんないけど怖い!!怖い!!!そしてそこのあなた!私に手を合わせて拝まないで!!私の後ろに何かいるの!?


「イリーネ!大丈夫か!?」

「あ…アラン〜〜〜!!!」


急いで来てくれたアランに涙目で縋りつく。怖かったよぉぉ〜。

ここの人たち変なの!怖いの!あれ?それとも私が何か変なの?やっぱりこの髪の色かしら…。そういえばこの世界で人間の姿になって人と接するのはアマーリア様宅以来初めてだったわ…。普通が分からない!


「もう大丈夫だ、イリーネ。ひとりにして悪かったな」

「はぅっ」


蕩けるような目で頭ナデナデいただきましたご馳走様です!でも人間の姿でやられると赤面が隠せません!恥ずかしい!!


「…かわいい」

「ふぐっ」


ダメ。死ぬ。

くすくすと笑うアランに誂われたのだと気付き、めいっぱい睨む。


「…アランのいじわる」

「「「「ぐはぁっ!!!」」」」


なぜかその場のみんなが顔を押さえた。…アランも。何それ。なんの儀式なの?この世界で流行ってるの?イリーネさん、まだこの世界の常識が分からないよ。


「涙目、赤面で上目遣い…!」

「『いじわる』…だと…!?」

「いじわる…したい…………!!」

「くそぉぉぉ!!羨ましい!イケメンめぇ!そのポジ代われぇ!!」


なんなのよぉぉ!?この宿怖いよ!!イリーネさんはもう、キャパオーバーだよ!早く部屋に帰ろう!!

私がアランの腕にしがみつき、ぷるぷるしていると…


「アラ……ン?」


うわぁ…美人…!

今にも溢れ落ちそうな程目を見開き、驚いた様子で話しかけてきたその女性は、大きな青い瞳をもち、淡い金色の髪を結い上げたとびきりの美人で、神官の祭服を着ていた。

そして女性の後ろには魔道士のローブを纏った男性、剣士の男性、弓使いの女性が同じように目を見開いてアランを見ている。

この方たちは…もしかして?


「生きて…いたんですのね…!」


神官の女性はわなわなと震えながら涙ぐんでいる。かわいい。

この方々はやはり、勇者ご一行ですね!?まさかの仲間発見!死んだと思っていた仲間と感動の再開…!!さぞアランも嬉しそうだろうと横を見上げると…


「長く外してすまなかった」

「!?」


温度を全く感じさせない、無表情がそこにあった。

あれれれれぇー?



短めすみません

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