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白銀の転生竜は勇者と距離を置きたい  作者: まなま


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イリーネ、メイドになる。



(早くアランに伝えないと!)


「風よ、我を包め」


まずは自分の周りに風の魔法を纏い、防音する。

これで羽ばたきが外に聞こえない。

そして柱伝いに天井まで飛び、今度は天井伝いに飛んでシャンデリアにとまる。

さすが辺境伯の城!天井が高いわぁ。

私が飛んでても上を見ない限り恐らく気付かない。


シャンデリアの上から部屋を見渡す。

エントランスだけでも大きいわぁ。

さて…どうしたものか?

サロンの場所が分からないわ。


とりあえずアランが出ていった扉だけは分かる。

メイドがエントランスに入る時に開いた瞬間、するりと扉の外へ出る。

もちろん天井伝いに。


「さて…サロンはどこかしら?」


そこは長い廊下だった。


コツ、コツ、コツ、コツ…


「っ!!」

ヤバいヤバいヤバいヤバい!!

廊下の先の曲がり角から人が近付いてくる気配がする。

さっきのエントランスはここより天井が高かったし、奥行きはそこまでではなかった。

だがこんなに長い廊下では天井付近でも遠くからなら見つかってしまう。

しかも豪奢なシャンデリアがないっ!!隠れられない!!

どどど…どうしよう!?

(これは…とりあえず近くの適当な部屋に入ろう!)


近くのドアを開け…開け…開け……………開けられない!!

カギがかかってるとかではなく…手が短くて開けられないぃぃーーー!!

仕方ない、人に変身だ!

私は意識を集中し、人に変化する…と、共に空間ポケットから洋服を出して着用しているイメージを膨らませる。

うふふ…じゃじゃーん!

ほらね!洋服着た状態で変化できたでしょ!?

試したことはなかったからドキドキしたんだけど…うん、予想通り完璧!

ってそんなことより!急いで中に!!


ガチャッ、バタン。


……………セーーーーーーーフ!!!

ドアノブを両手で持ったまま思わず溜め息。

良かった~!これでやり過ごして……。


「誰だ?」

「!!」


ヤバい!人がいたー!!

バッと振り替える…と、フランツさんじゃないですか!!

ここは…控え室だったか!

てことはアランは隣の部屋!?…惜しい!!

フランツさんは私と目が合うと目を見開いて固まった。


「あ…あの………」

「………………………………」


言い訳を探している間中ずっとフランツさんに凝視されて、より一層慌てる。

どうやって乗り切るか…………そうだ!

さっきのメイドさんたちの会話を思い出す。


「あ、あの!私新しいメイドの面接に来たんですけど…エントランスで声を掛けたんですが誰もいなくて。誰かいないかと探していたところだったんです!」

「あぁ…そうだったんですね。誰もいなかっただなんて…それは失礼しました。メイドの再教育をしなければなりませんね…。でも…勝手に入り込むのは感心しませんよ」

「す…すみません…」


フランツさんは話しながら私に近付いてくる。

近付いて…近付いて…近……………近いな!

私とフランツさんの間には30センチくらいしか間がない。

私は背の高いフランツさんの顔を見るために必然的に見上げる形になる。

近い距離で私の顔を凝視してくるフランツさん。

え、もしかしてやっぱりまだ疑われてる?

…これは目を反らしちゃダメなヤツだ。

私は負けじとフランツさんを見つめ返す。


「……………………………いい」

「え?」


何か小さい声でフランツさんが言った気がしたけど…気のせいかな?

フランツさんはコホンとひとつ咳払いをした。


「いえ、なんでもありません。私はブランデル家の筆頭執事をしております、フランツ・ハイネンです。何か分からないことがあれば私に聞いてください」

「え。…………あ、はい!よろしくお願いします!」


あ、そっか。私メイドになりに来たって設定だった。

……あれ?うっかりメイドになっちゃった?あれ?面接は?

でも…とりあえずメイドになっちゃった方が動きやすいよね!

ポジティブにいこう!!


コンコン。


「どうぞ」

「フランツさん、メインディッシュをどうするか相談したいってシェフが言ってました」


ノックをして入ってきたのは初見のメイドさんだった。

ていうかここのメイドさんはみんな美人だね!

私、浮かないかしら…。


「分かりました。ではここをお願いしてもいいですか?」

「かしこまりました」


くるりと私の方に振り返ったフランツさん。

蕩けそうな笑顔は…なんだか誰かさんを連想させるわね…。


「では、シェフのところに行く道すがら城を案内しましょう。あと、服も着替えてもらわなければなりませんね。ええと…そういえば名前を聞いていませんでした。お伺いしてもよろしいですか?」

「イリ……ザベスです」


イリザベスって…!

いくらなんでも間抜けすぎ…


「イリザベスですか…素敵な名前ですね」

「「……………………」」


私とメイドさんが微妙な顔になる。

いや、そんなわけあるかい!

私が言うのもなんだけど…ものすごくなんではあるけれど!!


「ではイリザベス、参りましょうか」

「は、はいっ」


さーて!イリーネ改めイリザベス、頑張りますよー!




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