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白銀の転生竜は勇者と距離を置きたい  作者: まなま


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白銀の竜



3日後。

アランの体調がほぼ回復した。


「まずは街に行って、情報を集めて…仲間を探さないと」

「仲間を…」


先日の母様の言葉を思い出す。


『今回の勇者ご一行はきな臭いわ』


もちろんアランはこの話を知らない。

もしも…もしも仲間の誰かがアランを裏切ったんだとしたら…。


「ねぇ、アラン。私が…私が喋れることは内緒にしてほしいの」

「え?」

「ほら、その…まだちょっと…人間が怖いのよ…」


こんだけアランと馴染んでおいて何を言ってるんだ!言い訳が苦しい…!

とは思ったが、アランの解釈は違った。


「…なのに俺は平気なのか?それは…とても光栄だな」

「あぅっ」


眩しい…!笑顔が眩しいよ!!

そして心が罪悪感でいっぱいだよ!!

ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!

でもアランのためなのよ?

喋れないからって油断させていろいろ探るためにね!


「分かった。イリーネがいいって言うまで喋れることは黙っておくよ」

「…ありがとう」


そういえば…私、魔王の場所なんてさっぱり分かんないんだけど…本当に私が聖なる導者なのかしら。

色も違うし…。


「イリス殿のところに行ってみよう」


疑問に思っていたことを相談すると、アランも母様のところに話を聞きに一緒に行ってくれることになった。


私はふわりと飛び、アランの首の後ろに巻き付くようにくっつく。

アランがふっと微笑み歩き出した。

私があまり揺れないように気を付けながら歩いてくれているのが分かり、くすぐったい気持ちになる。


最近移動するときはずっとこんな感じ。

…やむなくなのよ!?

だって…だって、アランがすぐに抱っこして運ぼうとするから…!

抱っこだとこう…抱き締められてるみたいで恥ずかしいのよ!!

私、前世で彼氏なんていなかったもん!免疫ないんだもん!

首の後ろに巻き付いてるのもどうかと思うけどさ…。

まぁ、楽だからいいってことにしようよ!ね!


「イリーネはふわふわで暖かいな…」

「ひゃん!」


なななななな…何を…!!

私は吃驚しすぎて固まってしまった。

だって!アランの肩に垂れ下げていた私のしっぽを手で撫でて…しかも…頬擦りなんてしてくるから…!!

ぞくぞくぞくぅ~ってなるじゃない!!

変な声出ちゃうじゃない…!!


「………なにそれ、超可愛い」

「!?」

「ドラゴンなのに声も仕草も可愛いとか…なんなんだ…」


アランが片手で顔を覆う。

え、なんなんだって…なんなんだ?

もう、イケメンに馴れてないんだからやめてよ!

顔の温度が今まで感じたことないくらい熱い…!

…なんだかアランが最近オカシイのよ。

私をひとりの女の子みたいに扱うから…ドキドキしちゃうのよ。

でも…そんなわけないっていうのは分かってるのよ?

だって私…ドラゴンだもの…。

誰が毛むくじゃらのドラゴンを好きになったりする?

普通ペットとしてしか見られないでしょ…。

あ、なんだかちょっと切なくなってきたわ。

うん…もう大丈夫。

勘違いなんてしないわ!





   **********





「出発できそうなの?」

「…うん、大丈夫だと思うんだけど…母様、これはどうしたの?」


母様の部屋に行くと…たくさんの物に囲まれたドラゴンの母様がいた。

最近分かったのは、たぶん母様はアランに人間の姿を見せたくないんだってこと。

なんでかは聞いても答えてもらえなかったから分からないんだけど。


それはともかく。

母様の部屋って何ひとつ置いてなかったはずなんだけど…?

ごちゃごちゃと統一性のないものが並んでいる。

机、洋服、姿見の鏡、お菓子、ピアノ…?お風呂のバスタブ…??

え、何なのこれ??


「空間ポケットの中身を整理してたのよ」

「ふぅん…?ま、まぁ…それはともかく、聞きたいことがあってきたの」

「それは…魔王の場所が分からないってこと?それともあなたの色のこと?」

「………両方よ」

「…………」


エスパーか?エスパーなのか!?

聞きたかったことをズバリ当てられて私もアランも閉口する。


「そろそろ聞いてくるかと思ってたからね。…いよいよなのね…」

「え?」


母様が遠い目をした後、アランをキッと睨む。

アランはたじろきはしたがすぐに正面からそれを受け止める。


「娘を…イリーネを頼んだわよ?」

「任せておけ。全力で守る」

「母様…」


母様は立ち上がると今度は私を見据える。


「…イリィちゃん。必ず…必ず無事に帰ってくるのよ?」

「当たり前じゃない!私は絶対に死なないわ!母様とまた楽しく暮らすんだから!」

「…!うん、そうよね…。じゃああなたに引き継ぐわ…聖なる導者の力を」

「!」


なるほど、引き継いでいくものなのね!

だから魔王の場所が分からなかったのか!


「勇者、娘を下ろして」

「…分かった」


アランは私を下に下ろすと、数歩後ろに下がる。

すると母様がすうっと目を細め…意識を集中する。

そして目を瞑ったと思うと、母様が淡く光だした。


「「!!」」


私とアランは息を飲んだ。

母様が生んだ光がゆっくりと大きくなり、部屋いっぱいが暖かい光で溢れたかと思うと…光は母様のおでこの先あたりに一瞬にして一点に集約したのだ。

光が収まった後、そこに浮かんでいたのは…赤い5センチ程度の宝石だった。


「んなっ!母様!?」

「…色が!!」


私とアランが驚愕したのは…母様の体の色だった。

なんと…私と同じ、茶色になっていたのだ!


宝石はゆっくりと降りていき…私の目の前に浮かんで止まる。


「イリィちゃん…それを口に入れて」

「え、これを!?こんなもの飲み込めないよ!?」

「口に入れるだけで大丈夫よ」


え…こんな固くて大きなものを…?

絶対に噛めないし飲み込めない大きさだ。

でもなんかすごく重要っぽいし…ここは言う通りにするしか…!


私が恐る恐る宝石を口に含むと、それは瞬く間にすぅっと無くなった…というか、()()()()に変化した。

すると…


「な…なに!?」


なに?なんなの!?

私の体が輝きだした…!

そして体が…熱い!

あぁ…熱い何かが体を巡って…溢れちゃいそう…!


「んぁ…!!」

「イリーネ!!」


アランの焦った声が聞こえた気がしたが…頭が混乱していてよく分からない。

私から出た光が収まったとき…私の体は白銀になっていたのだった。



まだ洞窟出られなかったぁ~!!

でもやっとイリーネちゃんの色が変わりまして!

いよいよ出発の兆しが…!!

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