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RED RAID-侵略大戦-  作者: 赤木梓焔
第13章 いざエトワル星へ
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-5-

「貴様、名前は?」

 

 デファンスは構えていた刀を持ち直しながら、亮夜に名を尋ねた。


「俺は、雨降討伐隊の新堂亮夜。貴様こそ名乗れ」

「私はプランス様の護衛兵長デファンス。プランス様の無念を晴らさせてもらうぞ」


 名乗りあいながらもデファンスは、プランスのことを口に出した時は恨みのこもった声をだした。

 デファンスと亮夜は無言のまま、胸の高さ辺りで刀をしっかりと両手で握り締める。

 そして互いにゆっくりとにじり寄って行くが、互いの距離が3mほどになった時に、デファンスが助走もせずに跳躍した。


 亮夜の頭上高く飛び上がったデファンスは、刀を持った両手を自分の頭よりも高く振り上げた。

 そして、勢い良く高速で落下しながら、亮夜の脳天目掛けて刀を振り下ろした。

 しかし、その動きを見切った亮夜はデファンスの刀を受け流すように、右足を一歩下げ体を捻る。


 一寸の差で体を斜めにして、デファンスの刀を避けた亮夜は、両手で持っていた刀を右手だけに持ち直すと、水平にしながら勢い良く斬りつける。

 自分の脇腹に切先が近づいてくるのを感じたデファンスは、左足を軸に体全体を捻ると左足でジャンプして後方倒立回転をして、亮夜の刀から逃れた。

 再び距離が離れた二人は素早く刀を持ち直すと、切先を相手に突きつけるように構えた。


 すると亮夜が勢い良くデファンスのいる方向ではなく、自分の右側にある壁に向かって走り出す。

 そしてそのままの勢いで、その壁にたどり着くと、登る様に駆け上がっていく。

 デファンスは刀を亮夜の動きに合わせながら、黙って様子を見ていた。


 亮夜は体が床と水平なるような形で壁の一番高い所を走りながら、刀を持つ両手に力を入れると、天井とシャンデリアを繋いでいる鎖目掛けて切りつけた。

 支えを失ったシャンデリアは、重力に従って真っ直ぐに落ちていく。

 その真下には、デファンスが立っていた。


 危険を感じたデファンスは、落下してくるシャンデリアから逃れるように、後方に跳ねた。

 その瞬間、ガラスが割れる激しい破壊音が大広間に響き渡る。


「くっ、こんな事を思いつくとは……ハッ、アイツはどこだ!?」


 シャンデリアから逃れたデファンスは亮夜の姿を見失ったが、その瞬間、背後からの殺気を感じた。


 床に跪くように低い姿勢で降り立った亮夜は、デファンスに向けて刀を水平に降った。

 自分の膝に飛んでくる刀を避ける為に、デファンスはその場で高く跳躍する。

 そして体を捻り視線と刀を亮夜に向けたまま、後方宙返りをした。

 デファンスは、壁を背にするような形で床に着地した。


「忌々しい人間め!」

「だからと言って、わざわざ異次元ゲートを使ってまで人間を傷つける必要なないだろう!」


 壁にぴったりと背中をつけたデファンスは刀を亮夜に向けたまま、憎しみのこもった顔で罵った。

 デファンスの言葉を聞いた亮夜は、自分の父親のことを思い出し、感情のこもった熱い声を上げた。


「貴様ら人間がミュータントを迫害してきた罪だ!」

「……話をしても無駄か。なら仕方ない……戦うまでだ!」


 憎しみのこもった声で話すデファンスの様子に亮夜は落胆するが、すぐに決意を固めた。


ご閲覧ありがとうございますm(__)m

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