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「異次元ゲートを開けることが出来るプランスの指輪を珀が嵌めて、エトワル星へのゲートを開ける。ゲートが開いたら、俺と先鋭部隊でエトワル星に向かい、王宮を制する……」
研究所の会議室にある大型モニターには、エトワル星のメビウスが普段生活している王宮の見取り図が表示されている。
王宮の各部屋を説明しながら黒斗はエトワル星進出の作戦を、対面の椅子に座っている隊員達に説明していた。
「質問いいですか? エトワル星には何人向かわせるつもりですか?」
「そのことだが、ゲートを開けることでもしかしたらウォームやミュータントが地球に侵略してくるかもしれないから、エトワル星には俺を含めて実行班10名と、医療班6名を連れて行く。残りの隊員は珀とともに地球を守ってほしい」
隊員の質問に、黒斗は顔を引き締めながら答えた。
「その人数で大丈夫なんですか?」
「俺達の目的はあくまでもメビウスを倒すことだけだ。以前も説明したが、ミュータント達は元々は温厚な者達ばかりだ。これ以上お互い憎しみあっていても無益なことを説得すればきっと分かってくれる」
ミュータントとの戦いを不安に感じる隊員から質問が相次ぐが、黒斗はその一つ一つを丁寧に答えていった。
「――以上、質問が無ければエトワル星に向かうメンバーを選抜します。名前を呼ばれたものは任務を遂行して欲しいが、危険な任務なので辞退することも構わない……」
黒斗は名簿を取り出すと、静かな声で隊員の名前を呼んだ。
「医療班……根本・小林・長谷川・保坂・小山・安部」
名前を呼ばれた医療隊員は、いずれも覚悟を決めたような顔をして、黒斗を見つめた。
「実働班……新山・末森・深川・矢田・阿川・狭山……それと、新堂・朝倉・輪鳥……以上だ」
黒斗は名簿を見つめながら淡々と名前を読み上げていく。
名前を呼ばれた隊員達はいずれも辞退する意思を見せなかった。
こうして、エトワル星に向かうメンバーが決定した。
「ゲートを開けるのは、討伐隊本部の玄関前で行う。俺の予想では異次元ゲートが開いた先は、エトワル星の王宮の中庭に続くはずだ」
黒斗は隊員達の顔を見ながら、説明を続けていく。
「中庭に下りたことを確認したら、そこから最短距離で王宮の正面玄関から突入する。警備の兵が現れたら迷わず応戦しろ」
「兵がウォームではなく、ミュータントでも倒すのですか?」
黒斗の説明に、隊員の一人が質問をすると、黒斗は真剣な顔で答えた。
「構わない。ミュータント達は人類滅亡の為に、新種のウォームを作っている。
恐らく命がけで戦いを挑んでくるだろう。仕方の無いことだ……しかしできれば君達には手を汚して欲しくない。ミュータントが攻撃してきたら、それは俺が引き受ける」
黒斗は同じミュータントとの戦いを覚悟していた。しかし、隊員達人間がミュータントに手を掛けると、また、殺戮の繰り返しになると思ったからだ。
「黒斗さん……」
黒斗の考えを理解した隊員達は一様に悲しそうな顔をして、黒斗を見つめた。
「では、数時間後にエトワル星に出発する。各自体力を温存しておいてくれ」
黒斗はそう言うと、椅子から立ち上がり、会議室から出て行った。
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