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RED RAID-侵略大戦-  作者: 赤木梓焔
第12章 戦いの後……
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**********


「プランス! プランスーー! あああっ!」

「ランセス様、お気をしっかり!」

「あんな可哀相な死に方をするなんて! あの裏切り者達はどこまで私達を苦しめるの!」


 プランスの母親で、エトワル星の后であるランセスは、大広間の天井に映し出されたプランスの最後の姿に悲痛な声を上げ、泣き崩れた。

 ランセルの両肩に手を乗せ、デファンスが声を掛けるが、ランセスは取り乱していた。


「まさか、指輪の能力に覚醒や限界があるとは!」


 泣き崩れているランセスの横で、メビウスはプランスを亡くした悲しみよりも、指輪の新しい事実を知って、呆然としていた。


「これからどういたしましょうか? あの二人がプランス様の指輪を手に入れた今、地球人がこのエトワル星に侵略してくるかもしれません」

「ならば地球人共がいつ侵略してきてもいいように、迎撃の準備を整えておけ」

「恐れながらメビウス様、人間を攻撃するような残虐なウォームはもうほとんど残っておりません」


 異次元ゲートを開けてからというもの、メビウス達は多くのウォームを地球に送り込んでいた。

 そして、プランスが地球に行くときにほとんどの戦闘ウォームを地球に連れて行った為、エトワル星には戦闘ウォームはほとんど無く、残っているのはミュータント達の農作業などを手伝う、性格が割と穏やかな家畜ウォームのみである。


「くそっ、なんて事だ!」


 メビウスは握りこぶしをつくり地団駄を踏んだ。

床を強く踏んだ音が、大広間に響き渡った。


「……もし、地球人がエトワル星に侵略してきたら……お前はどうする?」

「私は最後までメビウス様に忠誠を誓います」


 メビウスはデファンスに顔を向けると、ゆっくりとした口調で問い掛ける。

 デファンスは、メビウスの足元に跪くと、頭を深く下げながら答えた。


「ミュータント達に真実を話そう……これからのことはそれから考える……」

「メビウス様……」


 デファンスの答えを聞いたメビウスは、覚悟を決めた顔をした。


「デファンス、私はランセスと共にプランスに祈りを奉げたい。すまぬがしばらく席を外してはくれないか?」

「かしこまりました」


 デファンスはそう言うと、静かに大広間から出て行った。

 大広間の扉を閉める時、ランセスのすすり泣く声が聞こえた。

 その泣き声を聞いたデファンスはやりきれない気持ちになった。

 そして、閉じられた扉の前に跪くと、自分の胸の高さで手を組んで祈るような仕草をした。


「プランス様、安らかにお眠りください」


 プライドが高く、傲慢な性格のプランスだが、デファンスの大事な主君だった。

 在りし日のプランスを思い出したデファンスの目から一筋の涙がこぼれた。

 

――一時間後。大広間の扉を開けて中に入ったデファンスの目の前に、先程とは違う、目に力の入ったメビウスがいた。


「デファンス……どうやらあの裏切り者と地球人が侵略してくるようだ」


大広間の天井には、黒斗と討伐隊員が一箇所に集まり、プランスの指輪を手にしている姿が映し出されていた。


「民を王宮の地下へ避難させろ……地球人に殺させる訳にはいかない」

「分かりました。地球人は王宮に残っている兵士達で倒します。メビウス様も避難されてください」


 デファンスは一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに冷静になると、メビウスと側にいたランセスに避難をするように声を掛けた。


「いや……この戦いは我が祖先の長老と、地球人との決着となる。だから我は隠れる訳にいかないのだ」

「お言葉を返すようですが、メビウス様に何か有ったらこの星は、我々はどうなるのですか!」


 メビウスは肩を震わせ、鬼気迫るような表情で決意を語るが、それを聞いたデファンスは焦ったような声を上げた。


「もし、我に何か有ったら……その時は、デファンス、お前が指揮をとるのだ」


 メビウスはデファンスに顔を向けると、穏やかな表情を見せた。

 その表情をみたデファンスは、覚悟を決めると顔を引き締めた。

 

「かしこまりました。では私はこれから国民にテレパシーで呼びかけます」

「頼んだぞデファンス。我と后はそれぞれの部屋に戻っているぞ」


 そう言うと、プランスはランセスの肩を抱いたまま、王宮から出て行った。

 大広間に残ったデファンスは自分の頭に右手を添えると、エトワル星にいるミュータント全員にテレパシーを送ったのだった。


ご閲覧ありがとうございますm(__)m

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