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「あれっ? でも、あのプランスってヤツは覚醒していなかったですよね? 確か……」
それまで皆の話を聞いていた光が、珀に質問をする。
黒斗からプランスとの戦いを聞いていた光は、プランスが覚醒をしていないのに、能力を出すことが出来なくなったのを、不思議に思っていた。
「そのことですが……今回の異次元ゲートを調べた結果、いつもより倍以上の大きさで異次元空間が開けられていました。恐らくプランスは大量のウォームを送るために、かなり大きくゲートを開けたのだと思います。しかしその結果、プランスは自分でも気づかないうちに能力を使い切ってしまったのだと思います」
珀は口を引き締め真面目な表情で答えた。もしプランスがいつもと同じ大きさの異次元ゲートで地球に来ていたら、その能力の高さから、恐らく珀と黒斗に勝機はなかっただろうと付け加えた。
「そんなにあのプランスって強いんですか?」
「エトワル星では、『地球からミュータント達を宇宙に逃がした長老の再来』と言われたぐらいです」
「じゃあ、プランスってヤツが能力を使い切っていて、俺達助かりましたね」
「ええ、たくさんの犠牲者は出ましたが、不幸中の幸いでした」
珀も黒斗もプランスの能力の高さには一目置いていた。しかし、プランスがウォームの遺伝子組み換えを行って、ソルジャーやケルベロスといった新種のウォームを開発していたことが気になった。
もしまたあのような弱点の分からないウォームが来たら……防ぎきることはできないだろう。
「霧人様……私の提案を聞いてもらえませんか?」
「何ですか、黒斗?」
黒斗は霧人に体を向けると、真剣な表情をした。
「プランスを倒した時に、彼の指輪を手に入れました。実は指輪は、身につけていたものの能力を引き継ぐことができます。この指輪を使って、エトワル星への異次元ゲートを開けて、エトワル星に行きたいと思っています」
「何故ですか?」
黒斗の提案に、霧人は眉を顰め、困惑したような表情をした。
「今回プランスが連れてきたウォームは遺伝子組み換えをした新種でした。そしてそれは私も珀も見たことがないものでした。プランスが亡くなった今、エトワル星から異次元ゲートを開けられる者はおりませんが、メビウス達は何をしてくるか分かりません。ただ今は、あちらも次期後継者を亡くして混乱していると思います。ですから、あちらが体制を整える前にエトワル星に向かって、メビウスを倒したいと思ってます」
黒斗の言葉に、その場にいた誰もが一瞬息を呑んだが、隊員達の間にざわめきが起きた。
「しかし! それで上手くいくのですか?」
「長老の直系の子孫であるメビウスと、長老の従者達以外のいわゆる一般のミュータント達は、メビウスが行っている地球襲撃を知りませんし、彼らは争うことを嫌っています。ですからメビウスを倒し、ミュータント達には真実を伝えたいと思います」
隊員の一人からの質問に、黒斗は丁寧に答えた。
「もう作戦は考えてあるのか?」
「大まかなことは考えてある。それをこれから説明したいと思っている」
亮夜が黒斗に問いかけると、黒斗は真剣な顔で頷いた。
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