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話を終えると霧人は演台を降り、先ほど黒斗を罵倒した女性隊員の側に向かう。
そして、女性隊員の両手をそっと握りながら口を開いた。
「あなたがご両親を亡くされ辛かったように、人間に家族を殺され宇宙に逃げるしかなかったミュータントの苦しみを理解してください」
霧人の行動に女性隊員だけではなく、会議室にいた隊員全てが驚き、そして、慈悲深い若き当主に感動した。
「申し訳ありませんでした。先程は白金さんに失礼なことを申し上げて本当にすいませんでした。今からAATのメンバーとして、精一杯頑張りますのでよろしくお願いします」
女性隊員は黒斗に目を向けると、深々と頭を下げ、謝罪した。
女性隊員の謝罪を受けた黒斗も女性隊員に深く頭を下げる。
鈴は女性隊員と黒斗の確執が収まったのを確認して、自分の椅子にゆっくりと座った。
すると隣に座っていた亮夜が鈴に自分のハンカチを渡した。
「マスカラが禿げているぞ」
「ありがとう……って、えっ? うそっ? 顔変?」
「まだ大丈夫だから、早く拭け」
少し意地悪を言いながらも鈴にハンカチを渡した亮夜に、鈴は笑顔を浮かべた。
その後話は、AATの訓練内容に入り、その細かい説明は珀が行った。
全ての説明が終わったところで、珀に代わり事務長が演台に上がった。
「それではAATの隊員を紹介する。このAATは、3人1組の分隊行動が基本となる。名前を呼ばれたものは起立すること……先ずは医療班」
事務長が言った医療班とは、指輪の力で回復・再生医療を行うチームである。
ウォームを直接倒すのではなく、ウォームと戦って負傷した隊員や市民を治療するのが役目である。
「医療班A、トップ・班長・根本、セカンド・小林、バックアップ・長谷川」
医療班Aで呼ばれたのは、根本と呼ばれた男性隊員が班長で、小林と呼ばれた女性隊員と長谷川と呼ばれた男性隊員のチーム。
それぞれ名前を呼ばれると同時に、「ハイ」と返事をして、椅子から立ち上がった。
「医療班B、トップ・班長・保坂、セカンド・小山、バックアップ・安部」
医療班Bで呼ばれたのは、保坂と呼ばれた女性隊員が班長で、小山と、阿倍と呼ばれた男性隊員のチーム。
「続いて、実働班A、トップ・班長・森脇、セカンド・佐藤、バックアップ・鈴元」
実働班Aで呼ばれたのは、森脇と呼ばれた男性隊員が班長で、佐藤と呼ばれた女性隊員と鈴元と呼ばれた男性隊員のチーム。
実働班とは、指輪の力でウォームを攻撃するチームである。
ウォームに留めを刺す事は出来なくても、一度でも攻撃をすると、ウォームが塵になった時、指輪はその塵を吸い込むことができる。
そして塵を吸収したルビーは成長していくのだ。
医療班と同じく、隊員達は名前を呼ばれると同時に、「ハイ」と返事をして、椅子から立ち上がった。




