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「じゃあ! 私の両親は、あなたと同じミュータントに殺されたんですか!?」
「……その通りです。申し訳ありません」
「この人殺し! なんで地球に来たのよ!」
女性隊員は目を吊り上げ、怒りを黒斗にぶつける。
黒斗は目を伏せ真摯に謝罪するが、女性隊員の怒りは収まらない。
「こらっ、雨降当主の前で無礼な発言はやめなさい!」
「何よ! 猫のような不気味な目をして! 両親を返してよ!」
隣に座っていた隊員が女性の片腕を掴み注意をするが、女性隊員はまだ興奮していた。
「やめなさい! 悪いには黒斗さん達じゃないでしょ!」
「鈴」「鈴さん」
その時、鈴が椅子から立ち上がり、一際大きな声を上げた。
鈴の行動に、亮夜と光は驚きただ、鈴を見つめていた。
「確かに……ウォームみたいな残虐な生物が日本に現われて……私の両親も殺されてしまったわ」
鈴は肩と背中を震わせながら言葉を続けた。
鈴のその姿に、亮夜は鈴の両親が亡くなった日を思い出していた。
――幼馴染の亮夜と鈴は家族ぐるみで仲が良く、両家で一緒に出かけることが多かった。
そして、鈴の誕生日を亮夜と鈴の両家族でお祝いしようと集まったレストランに不運にもウォームが現われてしまう。
亮夜は鈴を連れて物陰に隠れて無事だったが、鈴の両親はウォームに殺され、亮夜の父親は両足切断の大怪我を負ってしまった。
この出来事をきっかけに鈴は討伐隊に入隊することになったのだ。
「でも、元は、私達人間が、ミュータントを迫害したからじゃない! 私達が、違う人種を、差別したり冷遇しなければ、こんなことは、起きなかったのよ!」
鈴は涙を流しながら、悲痛な声で女性隊員に訴える。
女性隊員は、自分と同じ境遇の鈴の話を聞いて、落ち着きを取り戻した。
「朝倉鈴さん……」
珀は自分達の祖先の苦しみを理解してくれた鈴の言葉を聞いて、目に涙が浮かんだ。
そんな珀の背中を軽く叩いた霧人が、口を開いた。
「朝倉さんのおっしゃる通りです。我々人間は自分達と異なるものを『異端』として、差別してきました。ウォームはそんな我々への罰だと思っています」
「霧人様」
霧人の言葉に珀は顔を上げ、霧人に尊敬の眼差しを向ける。
そして地球に来て、初めて助けた人が霧人で良かったと実感した。
「しかし、罪の無い人々が殺されることとは別です。我々は罪を認め、次の世代に恨みを残さないようにしなければなりません」
――例えば戦争で、ある国が侵略され、その国民が戦争の犠牲になれば、終戦してもその恨みはなかなか晴れることはない。
それをテロ等の行為で仕返ししても、また、犠牲者が出て……憎しみを繰り返してしまう。
霧人は隊員達に、エトワル星にいるミュータント達に争うことが不毛なことか理解して貰う為にも、今は異次元ゲートを抜けて出現するウォームを倒していくしかないと説明した。
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