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「な……何だあれは!」
「まだウォームがいたのか!?」
救急隊員が、空から飛んでくるムーシュに気付いた。
「ジジジジジィ」と大きな羽を震わせ、雲の隙間から遊園地へ向かってくる。
だが飛んできたムーシュは、他のムーシュと違う点が一つだけあった。
それは、飛んでいるムーシュの上に一人の人物が立っていることである。
「あれは何だ!?」
「人間? 人型のウォームか?」
遊園地に残っている人々は空を見上げ、様々な推測を始める。
「人間タイプのウォームっているんですか?」
「いや。……あんなのは初めて見た」
大きく目を見開き亮夜に質問した光だが、亮夜も初めて見る人物に困惑を隠せなかった。
ムーシュの上に乗っているのは、エトワル星から来たクリュエル。
3匹のムーシュと異次元空間を抜けて地球に着いたクリュエルは、先ずは2匹に攻撃をさせ、人間の出方を待っていた。
そして2匹の消滅を雲の上で確認してから、姿を現したのだった。
クリュエルは自分の右の手の平を遊園地に向ける。
そして口元を歪めて、「ウィンド!」と叫ぶ。
――数秒後、遊園地の中に鋭い風が舞い上がった。
風が舞い上がる数秒前。
ムーシュの上に乗っているクリュエルの微かな手の動きに亮夜だけが気付いた。
何かが来ると感じた亮夜は、目の前にいた光と鈴の頭に自分の手を乗せ、力を加えた。
「鈴、光、伏せろ!」
「きゃっ」「うわあっ」
突然の亮夜の仕草で、光と鈴は亮夜と共に地面にうつ伏せになる。
次の瞬間、遊園地の中に突風が吹き荒れた。
「うわあああっ!」
「体がぁ! 痛いぃ!」
クリュエルが放った風は「ヒュン」と音を立てながら旋風となり、遊園地の中を駆け回る。
その風はまるで鎌鼬のように遊園地にいた人達の体を服ごと切りつけていく。
「何が起きているんだ!?」
人々の悲鳴が聞こえたが、地面に伏せている光達からは土煙しか見えない。
数分後。風が収まり、地面に伏せていた光達は無傷だったが、それ以外の人達は全身を血だらけにして唸りながら横たわっていた。
「フハハハハーッ!」
ムーシュの背中の上、上空から遊園地の状況を見たクリュエルは、多くの人間を一瞬で傷つけることができた喜びから、口を大きく歪め笑い出した。
「ムーシュ、地面に降りるぞ。下降しろ」
クリュエルの言葉に、ムーシュは「ジジジ」と羽を震わせ、ゆっくりと下降を始めた。
「亮夜さん、ウォームがこっちへ来ます!」
「とりあえず様子をみる。すぐに立ち上がれるような体勢をしておけ」
土煙が静まったところで少し顔を動かした光が、亮夜に話しかける。
すると亮夜は姿勢を動かすことなく小さな声で光に指示をだした。
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