-2-
クリュエルを乗せたムーシュは、遊園地内のゴーカートのレース場にゆっくりと着陸する。
そこは光達が伏せている場所から30mほど離れた場所だ。
ムーシュの足が地面に着いたのを確認したクリュエルは、ムーシュの背中から地面に降りた。
遊園地のあちこちで、クリュエルの攻撃を受けた人達が血だらけで地面に横たわりながら苦しんでいた。
「さて、とどめは直接刺しに行くか。ムーシュ、お前はここで待っていろ」
「ジジジジ……」
クリュエルの命令を聞いたムーシュは、羽を小さく震わせながら、その場に大人しくたっている。
クリュエルはしばらく辺りを見渡していたが、自分の一番近くに倒れている光達を見つけると、嬉しさの余り顔をニヤケさせながら光達に近づいていった。
クリュエルが光達まであと10mまで近づいた時、亮夜が鈴と光に合図をだした。
「何!?」
クリュエルは目の前に倒れている人物が動いたのを確認して、動揺する。
立ち上がった人物はクリュエルから見て左方向に素早く移動する。
「この素早い動き! あの赤石か!」
クリュエルの視線が左の方に動いた時、「サンダー」と叫ぶ声が右耳から聞こえてきた。
――クリュエルが光達に近づく間に、亮夜は光と鈴に自分の作戦を小声で伝えていた。
それはクリュエルがある程度自分達に近づいた所で、「フォルティス」を使って能力強化をした、光と鈴が立ち上がり、クリュエルの左側、亮夜の位置から見て右30度の方向に移動する。
光と鈴にクリュエルが気を取られた隙に、亮夜がクリュエルを攻撃。後は鈴と光が亮夜とクリュエルの動きを見ながらそれぞれ攻撃をしていく……というもの。
亮夜の作戦通り、突然立ち上がり移動を始めた光と鈴に視線が動いたのを確認した亮夜は地面に伏せたまま、右手だけを宙に上げ、クリュエルに向かって「サンダー」を放つ。
亮夜の右手から放たれた白銀の光は真っ直ぐクリュエルに向かった。
そしてクリュエルにぶつかった瞬間、激しい爆発音を奏で、土煙がクリュエルを覆った。
「やったか?……うっ!?」
亮夜は素早く地面から立ち上がる。
しかし土煙の中から黒い物体が勢いよく飛び出してきて、亮夜の体に巻きついた。
「フハハハ……お前がやったことは土煙を上げただけだ」
「俺の能力が効いてない! シールドも使えるのか!?」
土煙が収まると、そこには全く無傷のクリュエルが、右の手の平を亮夜に向けていた。
そしてクリュエルの右手から黒いベルトのような紐が飛び出し、それが亮夜の体を縛っていた。
ご閲覧ありがとうございますm(__)m




