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「亮夜さんって三半規管が弱いんですか?」
「あー、少し休めば大丈夫だ……」
「ゴメンね……つい夢中になって動かしすぎちゃった」
ウォームを討伐した次の日。
光、鈴、亮夜は休日を利用して討伐隊本部から電車で2駅ほど離れた場所にある遊園地に遊びに来ていた。
フリーフォールやジェットコースターを楽しんだ後に乗ったコーヒーカップで、亮夜は軽いめまいを起し、遊園地内のベンチに座り休んでいた。
「もう大丈夫だ。次はあまり揺れない乗り物にしよう」
「だったら……観覧車に乗らない?」
「亮夜さん、高いところは大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ」
3人は観覧車のある場所に向かって歩き出した。
「そんなに並んでいないわね」
「大体、10番目ってとこかな?」
観覧車には、カップルや小さい子供を連れた家族が列を作って並んでいた。
「次の方――足元にお気をつけてください」
観覧車の下では係員の女性が笑顔で、案内をしていた。
「あれっ、急に空が暗く……って亮夜さん!」
光が声を上げると同時に、観覧車に黒い影がかかり、ギシギシと金属が擦れる嫌な音が響いた。
「キャーッ! 何あれ!?」
「出してー! 助けてー!」
閉じている観覧車の席から凄まじい人々の悲鳴が飛び交った。
観覧車の頂上に、黒い大きな物体が影を作っていた。
「あれは! ウォーム!」
亮夜は上空に視線を走らせると、チッと小さく舌打ちをする。
休日で遊びに来ていた亮夜は、銃や刀といった武器を持っていなかったからだ。
唯一頼りになるのは自分の指に嵌めている指輪のみ。
すると今度は、観覧車とは対面にあるジェットコースターからも異様な悲鳴が聞こえてきた。
「こんな時に2体も現われるなんて!」
亮夜の言葉で、光が体ごと視線を走らせると、ジェットコースターのレールの一番高い場所に、巨大な蝿のようなウォームが出現していた。
そう、この蝿のようなウォームは、エトワル星のプランスが異次元ゲートを開けて地球に送ったムーシュというウォームである。
加速してムーシュに迫る車両を見つけたムーシュは羽を広げ、一旦宙を舞うが、次の瞬間勢いよく下降し、車両に体ごとぶつかっていく。
「ギャーッ! 助けて!」
「お、落ちる! 嫌だあ!」
ムーシュに体当たりされた車両は脱線し、そのまま勢いよく地面に落下し、乗っていた人々は血だらけで地面に横たわっていた。
観覧車の下に居た人達から、泣き声と悲鳴が飛び交う。
まるで地獄絵図のような突然の出来事に、光は呆然と見ることしか出来なかった。
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