表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
46/49

第45話 仕事をする美仁香ちゃん

スタジオのスクリーンに世界格闘技大会のVTRを流す為、観客達や出演者達。そして、俺も見なければならなかったので、それを見る事にしたのだ。


「『今年の夏、世界格闘技大会という全世界中から格闘家や武術家の選手を集め、その選手の中で誰が一番強いのかという大会が始まったのだぁ』」


ナレーションが流れて説明してくれるのだが、どこかで聞いた事があるような・・・気のせいだな。


「『その大会の予選でぇ、二百人もの選手が八個のリングに二十五人ずつ分けられ、バトルロイヤルという方式で、それぞれのリングで一斉に戦うというのだがぁ、あるリングに、とある一人の選手がいたのだが、それが・・・』」


画面は俺の戦っている姿へと変わる。その画面は、ちょうど予選にて二人のオッサンを合気道で倒している映像だ。


「『今回のゲストである、西園寺美仁香という十二才の女の子だぁ』」


『えぇぇぇー?!!!』

観客達や出演者は驚きの声をあげてしまう。


「『そして、西園寺美仁香は、本戦へと出場。そして、本戦一回目の試合で戦った相手は、最強のプロボクサーであるロッキー・マルケジャーノだったのだぁ』」


ロッキー・マルケジャーノの写真をどんと映し出し、スタジオ内は『えぇぇぇー?!!!』と驚きの声をあげてしまう。


「『実際に、西園寺美仁香とロッキー・マルケジャーノとの戦いを見てみよう』」


スクリーンは試合の動画へと変化。俺達は、その動画を見る事にしたのだ。

まずは、黒人のボクサーが両手をあげて、ゲームをしようという案で、俺が合気道を使わずに普通に殴って、吹き飛ばした映像を見た皆は・・・

「「!!!?」」

絶句である。


続いては、ロシア人との勝負。俺とロシア人が笑い合って戦っている姿も皆は絶句して、一言も発せなかったのだ。うーむ、プロでもこうなるのかぁ。


しばらくVTRを見ていくと、あっ!と驚いてしまった。やっぱり、三つ編みが解けて、ストレートヘアーの姿も映ってるのだ!や、やっぱり、恥ずかしいなぁ。


そして、爺さんとの勝負。俺が立ったまま気絶している姿を始めて見た俺も皆も絶句。本当に立ったまま気絶してるなぁ。


「『という事で、西園寺美仁香は世界最強の座を手に入れたのであるぅ~』」

VTRが終了し、皆はしばらく無言。や、本番中だろうが!何か言えよっ!


「スッゴいですね~。ねぇ、皆さん」

上田さんの言葉には誰も反応出来なかったのだ。そんな上田さんはというと

「なぁ、何で無視すんの?」

ツッコミを入れてしまう。めっちゃ、面白いなぁ。


「お?めっちゃ足震えているぞ!」

有田さんは豚芸人を指差し、豚芸人の足が震えている事を指摘する。観客達もそれを見て大笑い。


「ひぃっ、こんなスゴい人の隣に座りたくないよーっ!やられるーっ!」

どうやら俺に恐怖しているらしい。カッコ悪いなぁ。一方、大物女優はというと、

「よくがんばったね?えらいえらい」

俺の頭を撫でて、褒めてくれる。そんな褒めを受けた俺は顔を真っ赤にさせて

「あぅ」

変な声を出してしまったのであったーーー。


しばらく共演者達と雑談して、テープチェンジする事らしいので休憩時間となった。

俺は茶を数口飲んで休憩をとっていたのだが・・・

「ちょっといいかな?」

上田さんが話しかけてくれた。まるで夢のような話なのだが、夢では無い。現実だ。


「な、なに?」

そんな上田さんにタメ口。い、いいんだろうか?結構芸歴も長いし、えらい人なのに・・・でも、急に敬語を使い始めるにも、周りの反応も違う筈だし・・・まぁ、いい人かもしれないので、普通にする事にした。


「このあとはVTRを見て、トークして終わるという流れなんだけどね?せっかくだから、トークの途中にさ、美仁香ちゃんに何か技を見せてって振るからさ、その時に技を見せてくれるかな?」

上田さんからのお願いだ。俺はそのお願いを引き受け、頷いた。観客達も出演者も茶の間も盛り上がると思うからな。


「ありがとう」

上田さんは俺と固い握手して、スタッフの所に行き、何かを伝えるようだ。多分、俺が技を出すという事を伝えているんだろうな。


「あ、あのっ、抱きしめていいですか?」

後ろから不意に声をかけられた。その声の主は、ずっと俺の頭を撫でていた大物女優だ。

しかし、そのお願いはイヤだ。しかし、大物だし、断ったら後々めんどくさくなりそうだし・・・


「・・・ちょ、ちょっとだけなら」

「ありがとっ!ぎゅーっ!」

美人の大物女優による抱擁る大きなモノが二つとも俺の顔に・・・や、やわらかいなぁ・・・それと息苦しいっ


「ちょ、やめてくださいよっ!美仁香ちゃんが苦しそうですよ?!」

有田さんは大物女優の暴走を止め、俺を助けてくれた。だが、ずっと息苦しかったので・・・

「けほっ、けほっ」

はぁ、もう勘弁してくれぇ・・・

ーーーーーーーーー

本番は順調に進み、そしてトークの時間となったのだ。

豚芸人が失恋体験談を面白おかしく話し、俺達はその話に耳を傾ける。


「がはははっ!それはお前のせいだっ!」

「そっ、そんなぁ~っ!」

「そんな弱気な根性を叩き直したらどうだ?ほら、ここに根性を叩き直せるちょうどいい人がいるぞ?」


上田さんは俺に技を見せろという振りをしたと思うのだが、話の内容的には、豚芸人に技の寸止めをしろという事らしい。まぁ、出来るけどな。


「お前ちょっと中央に来い」

有田さんの指示に従う豚芸人。誰も居ないステージ中央のスペースに行き、棒立ちする豚芸人。


「美仁香ちゃん、やっちゃってくださいよ」

有田さんの言葉で俺は席に立ち、観客達は『お~!』という歓声をあげて、拍手を送る。


俺は豚芸人の真正面に立つ。豚芸人は背が低くて、爺さんと同じ155センチくらいなので、あまり身長差がない。


「じゃあ、そこから絶対に一歩も動かないでね?」

俺の言葉により、豚芸人は

「は、はいぃぃっ」

めっちゃ恐がり、足も震えている。


「それじゃあ・・・」

俺はキッ!と豚芸人を睨み、攻撃するぞという威嚇をする。すると、豚芸人は

「む、ムリムリムリーっ!助けてくださいよー!めっちゃ怖いですー!」

大人げない。本当に大人なのか?この豚芸人は。絶対にすぐに消えるなこの芸人。


「早くしろよっ、美仁香ちゃんが待ってるからさ」

有田さんの言葉により、再び豚芸人は俺の真正面に立つ。俺は威嚇せずに技をする事にしたのだ。


冲捶ちゅうすい!」

腰を落とし、中腰のような姿勢でドンと叩き つけるようにして地面を蹴りだし、胸を開き、体を急激に1/4回転して、拳を豚芸人の顔面ギリギリに寸止めさせる。


「っっ!!」

豚芸人は怖くて尻餅をついた。ホントに大人なのか?こいつ。全然、全力出していないけどなぁ。


「怖ぁぁっ!こ、腰が抜けちゃったっ」

どうやら豚芸人は立てないらしい。それを見た皆は大笑いしているのだが、経験している豚芸人にとってはトラウマものになっているだろう。


「はい、という事でね。また来週~」

有田さんが締めて放送時にはそのままスタッフロールが流れて終了しているだろう。

こうして、俺の初テレビ出演が終了したのであったーーーー。


「終わらせるの雑だなっ!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ