第35話 世界格闘技大会!
修行の日々に明け暮れて、時は流れ、俺が通う中学校は夏休みに突入し、夏休みなので休日が続き、そんな夏休みのある日の朝・・・つまり、世界格闘技大会の本番の日となった。
この日は、柔軟体操しかせず、体力を温存させる。さぁ、戦いの始まりだぁ!!
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俺達西園寺家の家族は朝食を食べ終わり、俺は動きやすい服装に着替えた。半袖半ズボンの真っ白い服装で、更に髪を三つ編みにして、いつものように可愛らしい女の子の姿へと変貌。もちろん、動きやすいように赤いスニーカーを履く。
合気道の胴着を身に纏い、リュックサックを背負った爺さんが我が家に訪問し、どうやら爺さんは世界格闘技大会の会場に行く準備を整えたらしい。
「ほれ、美仁香ちゃん行くよ?主催者側がバスを用意してくれたからね。そのバスで会場まで行くから」
俺は爺さんの説明を聞き、爺さんと玄関先へと向かう。
「行ってらっしゃい。美仁香ちゃん」
「どうせなら優勝しちまえ」
「テレビを見て応援してるからな」
「美仁香っ!ファイトっ!」
母親、父親、大学生になった透、高校二年生の麗香は俺の見送りする。これは本気で優勝しないといけないな!
「行ってきます」
俺は微笑み、爺さんと共に我が家を出て、しばらく歩き、バス停に停まっていた主催者が用意したバスに乗車するのであった。
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バスに乗り、俺の横には爺さんがニコニコとした表情で、持って来たリュックサックの中を漁り、何かを取り出すようだ。
「はいっ、コレはね?今回の世界格闘技大会の受付に必要なチケットだから、大切に持ってて」
「う、うんっ」
俺は爺さんから貰ったチケットを大切そうに両手で持つ。
「そのチケットはね?ワシや美仁香ちゃんのように世界格闘技大会に出場する選手にしか貰えないチケットなんだよ。つまり、選手として出ますっ、という証明として受付に渡すんだ」
なるほど。本当に俺は世界格闘技大会に出れるんだな?よしっ、なんだかやる気が出てきたぞっ!
やる気を出す俺を乗せたバスは走り続け、ある時はマッチョなオッサン達を乗せたり、ある時は外国人を乗せたり、バスは更に走り続けて、そして世界格闘技大会の会場へと到着したーー。
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世界格闘技大会の会場は東京ドームの数倍の大きさを誇るドーム。
観客席は何十万席もあり、あらゆる格闘家が戦うという大会を耳にした老若男女の客人達は、今か今かと大会の開始を待ち遠しくそわそわしている。
俺達はその客人達が来る前に受付を済ませていて、俺も受付に参加するという証明を見せる為、チケットを渡したのだが、受付の男性はチケットと俺を交互に見て、キョトンとする。
「あ、ああっ。落とし物ねっ。誰かが落としたのかな?困ったなぁ~・・・」
受付の男性は頭をポリポリと掻き、困った表情を浮かべるのだが、俺は出場するという事を受付の男性に言うのだが・・・
「ええっ?!じょ、冗談でしょ?」
俺の言う事を信じてくれないのだ。俺は急に心細くなり
「じ、爺ちゃ~ん。助けてぇ~」
甘えた声で爺さんに助けを求めたのだ。
「ほっほっほ。しょうがないね~。あ、ちょっといいかね?君」
爺さんは受付の男性に話をつける事にした。
「さ、西園寺さんっ!わ、分かりましたっ!許可しますっ!ゼッケンをお渡ししますっ!ささっ、控え室でお待ちくださいっ!」
受付の男性は爺さんの話を聞き、早くも許可した。す、すげぇ偉いのな爺さんは・・・
という体験し、『200』と書かれたゼッケンをつけた俺は『1』と書かれたゼッケンをつけた爺さんと共に控え室にいるのだが・・・見渡す限り、オッサン、オッサン、オッサンにオッサン。更にオッサンが沢山いるのだ。つまり・・・オッサンしかこの大会に出場していないのだ!女性禁止なのか?この大会はっ!
「ほっほっほ。どうやら女の子は美仁香ちゃんだけみたいだね?色んな格闘家が出場するから対応出来ないからだと思うね」
爺さんは周りを見て分析するのだが、俺だけ女という事が恥ずかしい。
しばらく控え室にてダラダラ過ごしていると、ピンポンパンポ~ン♪というチャイムがなる。
「『選手の皆さんはフィールド場にお集まりくださいませ』」
どうやらアナウンスだ。そのアナウンスを聞いた俺達は、フィールド場とやらに向かっていったのであった。
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フィールド場に着くと、まず最初目にした光景はコンクリートらしき素材で出来た縦横三十メートル、そして高さ三十センチ程あるリングが見えるステージが見えるのだが、それが八個もあるのだ。
そのステージの多さに驚きながらも、フィールド場の中心に集まるのだが、周りの人間がどんどん集まり、ようやく全員集まるのだが、その数は多い。なんと二百人なのだ。
「『これより世界格闘技大会が開催ッッ!出場する人数は、なんとっ!二百人だぁ!』」
金髪のオールバックでサングラスをかけたオッサンがマイクを持ち、司会をする。
「『見よっ!この大会に出場する選手達を!有名な世界チャンプのボクサーや横綱や空手家!その他色んな武術家の選手がいるぞぉぉ!』」
かなりテンションが高い司会だが、最後まで続くのか?
「『それでは、予選を開始します!ルールの説明はこの世界格闘技大会を企画した西園寺豪三さんにお願いしたいと思いますっ!』」
スタッフがマイクを持ち、爺さんを探し、爺さんにマイクを渡す。
「『あー、こほん。それでは、ルールだ。目潰しや金的や噛みつき等の危険な技の禁止。
それと、武器や防具の使用の禁止。ただし、ボクシング等のグローブをつけなればいけないという危険性を感じる場合は認める。
あと、相手を殺した場合は今後この世界格闘技大会の参加資格を強制的に取り消す』」
外国人には日本語が分からないので、ドームのアナウンスにて英語を流している。
「『それでは、勝利条件だ。まずは相手を気絶させるか降参させる。そして、リングから身体の一部でもいいので相手を外に出す。審判によるレフリーストップによって勝敗をつける事もあるので、ちゃんと審判の言う事を聞くように。審判を傷つけたり、罵倒した場合は勝利した者の勝利を無効とする』」
俺達はルールを頭に叩き込み、頷く。
「『本戦もこのようなルールとするが、予選は少しだけ特殊だ。参加人数が多いので、それぞれのリングで二十五人のバトルロイヤル方式で戦ってもらう』」
な、なんだとっ?!バトルロイヤルって、多数の人が一度に戦うというヤツか?!
「『このゼッケンナンバーでその戦う二十五人を決めさせてもらった。一から二十五の番号の人はAブロックのリングへ。二十六から五十の番号の人はBブロックのリングへという風に番号順で編成して戦ってもらう。気絶した者やリング外に出て失格した者以外の最後にリングに立っている者を本戦へと出場出来る事とする。以上』」
爺さんはルールを淡々と言うのだが、俺と爺さんのナンバーは大きく異なるのだ・・・その意味は俺がピンチでも絶対に助けないという事だが・・・俺はそんな甘い考えをしない。何故なら、俺は爺さんを超えたいから。そんな目標を達する為には、甘えは捨てる。
爺さんはマイクをスタッフに返し、今度は司会の出番だ。
「『ありがとうございましたっ!ちなみに、その本選に出場できる選手はそれぞれのブロックで勝ち残った一人を集めて・・・たったの八人です!さて、今回の優勝賞品を発表しますっ!それはぁー?!』」
司会は一旦、間を空ける。いちいち腹立つな。
「『七百万円以上の価値がある黄金のトロフィーと賞金六百万円だーっ!!』」
トロフィーはいいのだが、賞金額が中途半端な気がしてたまらないのだが・・・そっとしておこう。
「『それでは・・・予選を開始してくださいっ!』」
俺達はそれぞれリングの元へと足を運び、リングに立つのであったーー。
・追加ルール
もしも、予選の戦いで全員が気絶した場合やリング外に出た場合は、そのブロックでの本戦出場者を出さないとする。トーナメントでの戦いの回数が少なくなるシード枠があるのだが、それのシード枠を決定する方法はクジで決めてもらう。
予選の後は昼食を兼ねた休憩をとり、そのまま本戦へと突入する。
予選で勝ち残った人数で番号が書かれたクジを引き、その番号を用いて一対一の勝ち残りでのトーナメント方式で戦ってもらう。最後まで勝ち残った選手を優勝扱いとする。
本戦では全ての試合の審判を西園寺豪三に任せる事とする。
西園寺豪三が戦う試合の場合は、他の審判に試合の勝敗を任せる。
普通じゃありえない予選なのですが、読者に西園寺豪三の強さを確認させる為に、バトルロイヤル戦方式としました。
西園寺美仁香は、予選だけあまり強さを発揮させないような、物語にしたいと思います。
なぜなら・・・この話は次話にしましょうか




