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見えざる地、勘太とケン太の覗き見冒険録  作者: 田舎娘


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9/10

  9 カイジンの家とマジックバッグ

 ケンタは帰る気が無いらしい。なら、カイジンの家と土地の確認だ。家は冒険者ギルドの管轄だったようで、ギルマスにカイジン所有の範囲を教えてもらっていた。土地は、向こうと同じだった。門から山の頂上までだ。両隣は、国有地だ。国有地との境界もカイジンが魔法で結界を施していて、目に見えないが悪意のあるものは入れないらしい。


 カンタは、温泉に惹かれていた。

「ケンタ、野菜や果物を収穫しがてら、温泉に入らないか。」

「ワン。」

 自分ちの露天風呂だ。絶対入るしかないだろう。真っ先にいった泉になぜか亀が温泉を満喫していたので、もう片方の温泉に入った。

 熱くもなく温くも無く、いいお湯だった。


 野菜は、サラダに出来る物を中心に採った。キッチンがどうなっているかわからないからね。果物は、ケンタのお勧めだ。ブラウニーたちもいるから少し多めにした。

 帰ったら、家の探検だ。もちろん、ケンタにも協力してもらう。ブラウニーにも頼もう。


 帰ったら、ブラウニーが元気に動き回っていた。もう大丈夫のようだ。カイジンも妖精は寿命が無いって言っていたが、体が小さくなってしまうようだ。カイジンの家のブラウニーは三体(?)だ。もしかして、

「ケンタ、ラーちゃんもここに居たのかなあ。」

「ワン。」

 いたみたいだな。でも、ラーちゃんはここに戻ってこれないかもしれないんだ。でも、ブーちゃんがいるから、大丈夫だよな。



 さて、まず、玄関からだ。ドアに呼び鈴があったが、門にはない。門も、悪意がある者は入れないらしいから、必要ないのか?

 建物は石造りだ。だが、冷たい感じはしない。劣化もしていない。

 玄関を入って山側に何もない部屋があって、その隣は応接室のようだ。門側には、階段や、物置、トイレやお風呂があった。

 玄関の突き当りがLDKになっていた。日本の今風の対面キッチンになっている。使いやすそうだ。でも、ガスがや電気がなくてどうやって煮炊きをするのだろう。まして、水道の蛇口もない。カンタにはさっぱりわからない。冒険者ギルドでもらった小雑誌にも書いてない。


 二階は、山側にも門側にもバルコニーがあり、結構開放感がある。部屋も二つしかなく、広々としている。

 ただ、家具がLDKにしかない。他はがらーんとしている。反面、リビングには座り心地の良いソファーやダイニングテーブルが置いてある。現代日本と遜色ない。


 いろいろさがしたが、マジックバックらしいものは無かった。物自体もほとんどないのだ。ダメもとで、ブラウニーに聞いてみた。

「ブラウニー、カイジンが持ってたマジックバッグを知らないか。」

「パタパタ。」×3

 ブラウニーの返事がわからない。すると、ブラウニーたちが俺の服を引っ張っている。引っ張られるままについった。玄関を抜け、向かいの建物に入っていく。あっちでは、倉庫があった場所だ。こっちでは、体育館みたいな広い空間だった。その一角に小部屋があり、薄汚れた茶巾袋にブラウニーたちが群がっている。

「ブラウニー、それがそうなのか?」

「パタパタ。」

 そうらしい。


 袋の中に手を突っ込んでみた。膨大な箇条書きのリストが頭に入ってきた。思わず、手を引っ込めた。リストも消えた。

「ケンタ、これがそうらしい。でも、いっぱい色んなのが入っていて、整理できない。どうしよう。」

「ワンワン。」

 ケンタには、わかるらしい。俺にはわからない。おいおい勉強するしかないのか。


 でも、マジックバッグだよ。憧れるよね。いよいよ異世界だよな。

「でも、焦らず行こうな。ケンタ、一緒だぞ。」

「ワンワン。」

 カンタはケンタがいないと駄目なようだ。




読んでいただいて、ありがとうございます。

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