7 手続き完了
ここはこの街の役所みたいな建物だ。ロビーみたいなのがあって、そこで迎えを待っていた。みると一角に案内図があった。それによると1階は平民用みたいだ。1階平民課ってあった。2階は商業課とあった。いろいろな権利の申請とか利権につながることを扱っているようだ。3階4階は貴族課となっている。5階が事務室だって。六階は何も書いていない、謎の空間だ
「カンタ殿。」
声を掛けてきたのは冒険者ギルドのギルドマスターだ。彼も呼ばれているようだ。俺も冒険者に登録しようかと思っていたので聞いてみた
「登録は簡単です。13歳以上なら誰にでもできます。でもカンタ殿は冒険者になる必要がないのではないですか。」
聞くと冒険者になる人は大体がお金に困っている人らしい。昔は力試しとかで貴族もなったが、今はそれもないらしい。でも冒険者だよ。日本人なら憧れるよ。
「ナ、ケンタ。」
「ワン、ワ~ン。」
どっちだ。
「お待たせいたしました。」
来たのは、この前の魔法省の人だ。その声とともに案内されたのは魔法陣みたいなのが床に書いてある部屋だ。
「この上にお乗りください。」
躊躇しているとケンタがさっさと魔法陣のど真ん中に陣取った。それならと俺もケンタのそばに陣取る。
「では参りましょう。」
何か体がグチャってなるような感じがあって、景色もフニャフニャってなった。目を閉じていればよかったようだ。みんな目を瞑っている。
「着きました。」
カンタは気持ちが悪い。
「ワンワン。」
ケンタに心配された。ケンタは大丈夫のようだ。
「カンタ殿は初めてでしたね。それは転移酔いです。次からは目を瞑ってください。少しはマシになります。」
乗る前に教えてくれ。それに転移?じゃあ、ここは?
「ここは、王都です。魔法省や冒険者ギルド等、様々な省やギルドの本部です。」
カンタは混乱せている。カンタはリュックから水筒を取り出し飲む。少し落ち着いた。ついでにケンタにも水を差し出す。嬉しそうにぺろぺろ飲んでいる。
「カンタ殿、その包みは?」
しまった文明の違いも把握していないのに、あっちの水筒を取り出してしまった。仕方ない。
「村にはいつもありました。何でも初代様が発明したものを発展させてきたようです。ただこれは魔石を使っていません。俺は村にあったものを持ってきただけですから作り方はわかりませんよ。」
「そうですか。残念です。」
食いついたのはギルマスだった。平民には魔力量が少なく頻繁に魔法が使えないものがいるそうだ。水は水筒に入れて持ち歩くらしい。結構文明が発達していると思ったが、いまだに竹の水筒とは?どうしてだ。
「こちらです。」
案内された部屋は豪華だった。あの取調室なんて物置だ。ソファーも想像もつかないくらい豪華だ。カイジンて重要人物らしい。でも1000年前の人だよ。
挨拶もそこそこに説明を受けた。まず魔法省だ魔法省の財産課の人だそうだ。カイジンは姿をくらます前に、きちんと書類を提出していた。そこには、
『いずれ我がカードを持ったものが現れる。それまで我の魔法使いとしての財産はすべて魔法省に預ける。カードを持ったものが現れた時には速やかに全てをそのものに明け渡すように。』と記載されていた
「この申請により本日を持ってカンタ殿にカイジン様の財産を全てお渡しいたします。ただ再度カードの確認をさせていただきたいのですが、よろしいですか」
「はい。ただこの場でお願いします。」
魔法省の人はカードをある機械に差し込む。なんだか日本のレジに置いてあるクレカの読み取り機みたいな機械だった。すぐに終わりカードは帰ってきた。
「これで継承はすべて終わりました。ただカイジン様のお持ちになっていたお金はどういたしますか。このカードはカイジン様のものでカンタどのものではありません。このままですとカイジン様のお金は使えません。」
どうすればいいんだ。
「現金ではダメでしょうか。」
「大丈夫ですが1000年の間でもカイジン様には特許料やその他が振り込まれており膨大な金額になっております。持ちきれないでしょう。」
一部だけでも思ったが手続きはここでしかできないようでそのたびにここに赴くことになる。それは面倒だ。それに今日手続きが完了しないと無効になると言う。すると、
「カンタ殿は魔法は使えますか」
「分かりません。使ったこともありませんし、習ったこともありません。たぶん使えないのではないでしょうか。」
「そうですか。魔法が使えないのなら魔法省は魔法使いカードを発行できませんからね。困りましたねえ。」
魔法省の人は嬉しそうなんだが、どうしてだろう。
「それなら冒険者カードを作りましょう。カンタ殿には不要かと思いましたが仮のカードが発行できる末端の機械を持ってきております。」
ギルマスが発案してきた。正式なカードはあの街でも作れるそうなのでそれにしてもらった。早速、俺の情報を入力する。
名前カンタ、出身地ボーダー、従魔ケンタ(種別不明)
すごく簡単な情報だがいいらしい。あの街はボーダーと言うらしい。ケンタには悪いが種別は不明にした。犬って書いてもいいのかなあ。仮のカードなので簡単な情報だけらしい。本カードはもっと詳しいらしい。
異世界人なんて出ないよな。ちょっと不安になった。
魔法省の人は、俺がカードを作るのは歓迎していなそうだが、カンタは、冒険者登録できることで興奮していて、そんなことは気が付かなかった。
冒険者カードを作ったことで魔法省の手続きは終わった。カイジンのカードを調べて俺のカードに写しただけだ。サインとかない。聞いたら
「サインなんて他人が真似できますからね。」
不要らしい。ぶっきらぼうに返事をされた。
次は冒険者ギルドだ。こちらは魔法省が俺を認めたことで右に倣いだ。冒険者カードも作ったし冒険者としてのカイジンの財産もすべて俺ものものになった。でも、金額とか教えてもらったが、この国の経済がわからないので
「あとで確認してください」
と言われても実感がわかない。
ただカイジンの後継者が現れたことで、今までのカイジンの特許とかの権利がなくなったらしい。どんな特許だったのだろう。これもカイジンのカードに記載されていた。そして今日以降カイジンのカードは使えなくなると聞いた。ただし、今日までの記録は確認できるらしい。ただ、確認できる機械は、ここの魔法省にしかないそうだ。
魔法省にはお金のみが預けれれていたようだ。冒険者ギルドではお金とカイジンの家の登録がされていただけだ。ただ、
「カイジン様は、マジックバッグをお持ちだったようで、全てバッグに納めていたようです。マジックバッグのあり場所は不明です。」
大賢者カイジンが過去の偉人になった瞬間だった
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