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~93話~女神教の隠密とヨハン教の商人

「おはよう、メイサ。」

「おはようございます。」

「なんか機嫌悪くない?」

「別に・・・そんな事御座いませんわ?」

「にしても昨日は飲みすぎたな・・・途中で記憶無いんだけど?」

「普通でしたわよ?」

「そう?ならよかった!」

「そして普通に寝られましたわ?」

「不満そうなのはそこか・・・」

「何がですの?」

「俺を酔わせたのはそういう事か・・・」

「な、何がですの?」

初夜の時にグデグデに酔っ払ってたから、それを狙ったんだろうな・・・想像妊娠とわかってから行動が早いなと感心する叡斗。

「いや、何でもない!オリーブは連絡無いけど大丈夫なんだろうか?」

「あの子なら問題ないと思いますわよ?」

「そうかな?変な所でおっちょこちょいと言うか、抜けてるというか・・・」

「言われればそうですわね・・・」

「通信機を使えないような事態になってないだろうな・・・」

「では確認しますか?」

「分かるかな?」

「きっと何かしらの連絡は取ってるでしょう?」

「幸いにも、昨夜追いついてきましたからね?」

「どうやって転移した俺達の場所がわかったんだろな?」

「それも聞いてみましょう。」

「じゃあ行ってくるよ?」

「では私は朝食の準備をして待ってますわ?」

「それじゃ!」

「ではまた後で。」

叡斗が窓から飛び出し、メイサが部屋から出て行く。


叡斗が屋敷の近くの木へと飛んで行き、木の上にいる忍者を拘束する。

「くっ!殺せっ!」

「クッコロさんは殺せない。」

「意味の分からんことを!いきなり消えて、がんばって見つけたと思ったら、今度はいきなり現れやがって!」

「ん?お前奴隷か?」

首元に隷属の首輪が見える

「それが何か関係あるのか!?任務失敗だ!殺せっ!」

「奴隷だから無理矢理そうさせられてるのか?」

「そうだと言ったらどうなる!?」

叡斗がゴッドディスペルを黒装束の女に唱えると、隷属の首輪が首から外れて落ちる。

「なっ・・・!?」

「じゃあ飯を食べながら詳しく話しを聞かせてくれるかな?」

「わかった・・・話そう・・・」

「ではお嬢様お手を?」

「ふざけるな!逃げないから離せ!」

「強情なやつだな・・・」

叡斗が手を握って引くと、黒装束の女が手を振り解き屋敷に向かって歩いて行く。



「あなたは女神教の監視役と言う事でよろしいのですね?」

「はい!」

「あぁ・・・食べながらで結構ですわよ?」

「はい!」

正面に座って朝食を食べつつ隣に座るメイサに尋問を受ける黒装束の女性。

朝食を食べるために覆面を外すと猫目の幼い少女の顔が現れた。

「あなた?お名前は?」

「ハン=ハオと申します!」

「どちらが名前かしら?」

「ハオです!」

「フム、それで?我々をカイル達の特訓中から監視してましたね?目的は?」

「ばれてましたか?女神教の脅威となりうるかの調査です。」

「今の所の結果は?」

「人々を助けるために奴隷を強くする善人であると。」

「商会を作っていた時もいたでしょう?その報告は?」

「・・・資金力を獲得した模様と。」

「ふむ間違ってませんが、間違ってますわね。」

「俺らの財布に利益入ってないもんな?」

「なんでですか!?大繁盛でしたではないですか!」

「色々と事情がありますの!」

「儲けの半分近くは貧民街に配ってるはずだしな。」

「それは・・・把握してませんでした・・・」

「で?奴隷では無くなったわけですがこれからどうしますの?」

「先程奴隷でなくなったばかりなので考えてません・・・」

「では、ここで暮らしながらどう過ごしたいか考えなさい?」

「・・・処罰はしないのですか?」

「なぜ?」

「私はあなた方の監視をしていたのですよ?」

「だから?」

「女神教の利になることを報告してました!」

「我々は女神教と敵対してませんわ?」

「ですが、女神教は脅威と見なしています!」

「我々は眼中にありませんわ?」

「・・・では美味しい朝食を頂いたら私は何をすればよろしいですか?」

「なんでも好きになさい?」

「はぁ・・・わかりました、従いましょう。」

「従っては駄目ですわよ?自分で好きになさい?」

「産まれた時から奴隷の私には酷な言葉です。」

「ではダーリンに付いて何をしたいか考えなさい?」

「御意!」

「では本題です、我々の場所はどうやって探しましたか?」

「オリーブ殿が教えて下さいました・・・」

「オリーブが?」

「インダッテで二人を探していると、ウンテントラムに行きましたよっと・・・」

「悔しそうですわね?」

「そりゃ隠密が簡単に見つかって、しかも行き先まで・・・」

「で?オリーブの動向も見張ってますの?」

「いえ、オリーブ殿の見張りはいません。」

「そうですか・・・では私からは以上ですわ!」

「御意!エイト様よろしくお願いします!」

ハオがメイサに跪いて答えてから、叡斗の後ろから離れなくなる。


「メイサ?なんで俺なの?」

「この中ではダーリンが一番自由ですわ?」

「・・・反論できないな。」

「普段どおり過ごしていいのですわよ?」

「そうか・・・さて今日何しようかな?」

「あら?何も予定がありませんの?」

「やりたいって思ってた事は大体やっちゃったもんな・・・」

「では・・・困りましたわね。」

「ドラゴンアイズも朝一で出発しちゃったし・・・」

「私は静かになってありがたいですわ。」

「パトロン!暇なんやったらヨハン商店の目玉商品考えてや!?」

フェイが突然乱入してくる。


「目玉商品だと?」

「そや!額縁に飾って、買えるもんなら買ってみぃや!って飾るような目玉や!」

「それはどういう意味だ?」

「いや・・・パトロンならとんでもない魔物の素材を持ってはるかな?って思って・・・」

「それってどんなのだ?」

「え?Aランクの魔物の素材とか嬉しいなって思うんやけど・・・」

「メイサいい?」

「商会のためならいいんじゃないかしら?」

「フェイ?マジックバッグに空きはあるか?」

「今は金貨使い切ってすっからかんでっせ!」

「ならこれでどうだ?」

叡斗が空納から「水竜の地底湖」で手に入れたが売れてなかった。ウォーターリザードマンやウォーターリザードの素材を出す

「これは・・・ウォーター系の鱗でっか!?目玉になりまんがな!」

「ウォーター系はそれで全部だからな?」

「他にもありまんの?」

「サーペントの素材と・・・トゥンヌスの素材くらいかな?」

「サー・・・ペント・・・いや!とりあえずはこれで十分ですわ!」

フェイが素材をマジックバッグに入るだけ入れて転移して行く。



「あいつこそ自由すぎるだろ・・・」

「転移石を気軽に使いすぎですわ。」

「ハオ?お前は得意なことはあるのか?」

「私は気配を隠すのと情報収集が得意です。」

「ほほぅ?なら新人の特訓ついでにハオとゲームをしよう!」

「私も参加した方がよろしいかしら?」

「メイサは・・・参加したければ?って感じかな?」

「では屋敷にて御褒美を作ってお待ちしておりますわ?」

「楽しみにしてるよ!」

「昼御飯はすき焼きに致しましょうかね?」

「よし!みんな行くぞ!」

「エイト様!我々も参加してもいいですか?」

カイルが手を挙げて叫ぶ

「じゃあカイル達が各分隊のリーダーとして率いろ!」

「ありがとうございます!」

叡斗が総勢40名近くの奴隷達を引きつれ森に入って行く。


「俺が隠れるから、俺を捕まえられたら勝ちな?」

「見つけられなければ?」

「パーティ毎に・・・メイサと俺が丸一日特別特訓?」

「ほぅ・・・みんながんばるぞ!」

「気合が足らないな?勝てなかったらご飯をこれから各自でな?」

「おい!お前俺のパーティだな!?死ぬ気でやれぇ!!!」

「あんた!?そんな間の抜けた顔してんじゃない!気合入れなさい!」

カイルやソフィアが自分のパーティの新人奴隷の胸倉を掴んで叫んでいる

「特別特訓よりもご飯の方が効くのか・・・」



「じゃあ俺は隠れるから!」

「いつ探し始めればよろしいですか?」

「今からだ!今タッチ出来るならしてもいいぞ!」

「全員かかれ!」

叡斗の言葉に即座にカイルが指示を出して、奴隷達が叡斗に飛び掛るが、すでに叡斗は木の上に移動していて、全員が空振る。


「全員エイト様を探せ!見つけたら声を出していけよ!」

叡斗が木の上から気配を消してカイル達を観察する

「ソフィアは地上から探知魔法!カート隊は木の上!俺達は足を使って探すぞ?」

「カイルの指示は的確だなぁ。」

叡斗が『隠密』スキルを発動して木の上にハンモックを吊るしてのんきに眺めながら呟く。




「発見しました!ハンモックでのんびり休んでます。」

「マジか・・・まだ気づかれてないな?」

「気付かれてないはずです、あそこに・・・」

「見つかれば堂々と休んでるな・・・全員で準備をして一斉に殺す気でかかるぞ!」

ハオが発見したようで、コソコソと報告してカイルがソフィアとカートにハンドサインを送っている。

「『聴覚強化』手に入れたのかな?聞こえちゃったな・・・どうしよっかな?」

ハンモックの上でのんびりと本を読んでいた叡斗が呟き、感知系スキルを発動させて全員の位置を確認して、ハンモックの上に身代わりの丸太を置いて移動する。



「かかれ!」

カイルの号令と共にハンモックに全方位から攻撃が飛んで来て、ハンモックと丸太が跡形も無く消え去る。

「かくれんぼのはずなのに・・・あの攻撃かくれんぼじゃねぇよ・・・」

ハンモックと丸太の様子を見ていた叡斗が思わず1人ごちる


「エイト様いません!」

「逃げられたか!探すぞ!」

「「おう!」」

カイルの言葉にソフィアとカートが自分のチームにハンドサインを送って、散開する。

「俺も奥の手を出そうかな?ジェシーやるぞ?」

「おう!」

カイルがエイトウォーリアーズの斥候係と『魔力感知』を始める。

「ほほぅ!ソフィア達も使ってるがカイル達も会得してるのか!」

叡斗が感心して、『竜魔法』で地面に潜ってカイル達に近づいてソフィアの真似をしてカイル達に話しかける


「カイルー?エイト様見つかった?」

「ソフィアか・・・今探してるよ!」

「カイル、さっさと見つけないとエイト様暇そうだよー?」

「わかっ・・・ソフィアじゃないな!?」

「ばれたか!」

「感知に反応しないぞ!?リーダーどうします!?」

「ふん!ソフィア?今だぞ!」

「あら?調子乗りすぎた!」

地面の中を泳いでいたら、『土魔法』使いのザッシャが上から地面の中に()()()来て捕まってしまう。



「エイト様捕まえました!」

「遊びすぎたな・・・まぁみんなの成長を見れたしいいか・・・」

「では地上に出ましょうか?」

「ザッシャ?逃げないから!胸当たってるから!」

「当ててますが?」

「・・・何も言わないでおくよ・・・」

ザッシャに背中から羽交い絞めにされた叡斗が地上に上がって喜ぶみんなを連れて屋敷に戻って行く。


「メイサ?これはどうしたんだ?」

食堂に入ると、机の上に鉄鍋が並び、すき焼きの準備が出来ていた。

「ダーリンの事です!全員御褒美でしょう?」

「さすがメイサ!そうなちゃったね!」

「昼からはどうしますの?」

「昼からはメイサも動けるの?」

「そのつもりで準備してますわ!」

「さすがメイサだね!じゃあ頂きます!」


叡斗の号令と共にみんなが叡斗とソフィアとカイルの作り方を見よう見まねですき焼きを作って食べ始める

「ほう・・・おいしいですわね・・・」

「ピザの代わりに作るほどの料理だからな!」

「まだ根に持ってらっしゃいますの?」

「冗談だよ?」

メイサと談笑していると、聞き覚えのある大声が聞こえてくる



「なんやねんこの料理!?銭の匂いがすんで!」

「フェイ・・・」

叡斗がメイサを見ると、青筋を立てたメイサが一瞬で上座のテーブルから食堂の真ん中に飛んで行きフェイの首を掴んで持上げる。

「どこに転移して、どうやって戻って来たのかしら?」

「あ、あ・・・ゼントラムに転移して・・・走って戻ってきましてん・・・」

「走ってですか・・・とりあえず転移石は没収ですわね。」

メイサがフェイのマジックバッグに手を突っ込み転移石を抜き取る。


「メイサはん・・・殺生やで!」

「貴重な転移石を無駄遣いしおって!転移石分働いてから口を開きなさい!」

「がんばってますがなぁ!」

「ではゼントラムへの道のりもがんばりなさい?」

「メイサはん堪忍してん!!」

「フフフ?貴女がまだ五体満足なのは私の優しさですわよ?」

「パ、パトロン!助けて欲しいんやけど・・・?」

「上目遣いで言っても無理!メイサには逆らったらあかんのやで?」

「うさんくさい、アメリア訛りやなぁ・・・」

「おまえのエセ関西弁も中々だがな!」

「では・・・ゼントラムへお帰り!」

メイサがそう言うと首を掴んで持上げたまま食堂を出て行き、フェイの悲鳴が聞こえてメイサが戻ってくる。


「フェイは?」

「外に本気で投げて差し上げました。」

「メイサの本気・・・あいつ生きてるかな?」

「あれはしぶといので問題御座いませんわ。」

「多分あいつ懲りないんだろうな。」

「とりあえずゼントラムまで走って反省すればいいのですわ。」

「今頃ボロボロの体を引き摺って向かってるんだろうな?」

「だといいですが・・・あっ!」

メイサが突然、机に箸を置いて立ち上がる

「どうした?」

「あの小娘のことです!バイクと魔石を持ち出すやも!」

「あー可能性あるな。」

「もし持ち出していたら・・・すぐに探し出して四肢をもいで、生活させましょう・・・フフフ」

「ちょっ!メイサそれはやりすぎでは!?」

怪しく笑いながら食堂を出て行くメイサを追って二人が作業場へと向かう。



「バイク・・・ないね・・・」

「予備の風の魔石も無いですわね?」

「金庫が空だもんね・・・」

「フフフフフフフフ!」

バイクのわだちを見つけたメイサが笑いながら、走り出す

「恐いよ!つか早すぎぃっ!」

「エイト様どうされるのですか?」

「ハオか・・・お前は追いつけないだろうから飯を食べてていいぞ?」

「御意!」

ハオが屋敷に戻って行き、叡斗がメイサを追って全力疾走する。



「か、堪忍やでぇ!」

10秒くらい走って叡斗が追いつくと、倒れたバイクの隣で擦り傷だらけのフェイがメイサに向かって土下座をしておでこが地面にめり込みそうな程に頭を下げている。

「何を堪忍なのでしょうか?」

「バイクで楽しようとして堪忍やで!」

「楽をしようとするのは良い事ではないでしょうか?」

「ほな・・・ほな!うち走って帰りますさかいに!」

「ですが!楽をするために泥棒をするのは如何なものかと?」

「ちゃうねん!ちょこっと借りただけですやん?」

「あなた利き腕は右でしたか?」

「右手です!」

フェイが答えると同時にメイサがフェイの右腕を肩から切り落とす

「ンギャアアアアアア!血が、血がぁ!うち死んでまう!」

「安心なさい、大丈夫ですわよ?」

メイサが『治癒魔法』で血止めをする。


「これじゃ算盤が弾かれへん・・・」

「泥棒さん?命があるだけでも儲けでは?」

「メイサはん鬼や・・・」

「ダーリン?1週間はこのままにして反省させなさいな?」

「わかりました!フェイ?ちゃんと反省してメイサが許したら右腕再生してやるから・・・」

「やっぱり再生出来はるんやな?奴隷達の腕やらが生えてるからそうなんやろ思てたけど・・・」

「私はあなたを評価してますのよ?あなたで無ければもう殺してますわよ?」

「反省します・・・」

「ではあまりダーリンに甘えないようにしなさい?」

「わかりました・・・」

「ではダーリン?バイクと魔石をお願いしますわ!」

メイサがそう言って全力疾走で屋敷へと戻って行く。


「フェイ?1週間は戻らずに商売頑張れよ?」

「わかりましたわ・・・え?」

叡斗がフェイにゴッドブレスをかけて、新しい転移石を渡す。

「パトロン?腕が・・・大丈夫でっか?」

「治せって言えないから、急いで屋敷に戻ったんだと思うよ?」

「パトロン・・・」

「ほら!泣く暇があったら、稼いで来い!」

「りょ、了解ですわ!」

フェイが号泣しながら転移して、叡斗がバイクに乗って屋敷へと戻って行く。

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