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~92話~バイクレースと大宴会

「ダーリンどうぞ?」

ソフィア達の特訓を眺めながら、森を切り開いているとメイサが料理を持ってきてくれた。

「お!ハンバーガーか!」

「フライドポテトも作りましたわ。」

「いいね!」

「お芋を揚げるだけでこんなにおいしくなるのですわね・・・」

「ポテトまで無いとはね・・・?」

「まず高級な油を大量に使うという発想がありませんわよ?」

「そういえば油は高級品だったね・・・」

金銭感覚がずれてるなとへこむ叡斗。

「ダーリン?安価に作れませんの?」

「種を絞るだけで作れる訳じゃないだろうしねぇ?作り方がわからないから・・・」

「ダーリンでも出来ない事がありますのね・・・」

「俺は神じゃないからな?」

「わかってますわ。」

「にしてもソフィア達も強くなったな?」

「そうですわね・・・ソフィアなどは魔法使いのはずなのに肉弾戦で圧倒してますわね。」

「ダーリンは行きませんの?」

「あいつらの特訓にもなってるしね?俺は・・・」

「何をしてらっしゃるの?」

叡斗が森を切り開いて、『土魔法』で地面をアスファルトのように固めて行く。

「バイクで走るコースを作ろうと思って。」

「では私も手伝いましょう!」

「じゃあメイサはこれで全身を覆える服を作ってくれない?」

叡斗がファットバイソンの皮をメイサに渡す。

「転んだとき様の保護具ですわね?」

「そうだ!あと頭の保護具も作らないとな。」

「では屋敷で繕いますわ。」

メイサが大量のファットバイソンの皮をマジックバッグに入れて屋敷へと戻り、叡斗が散歩をするように『土魔法』で約1キロのコースを作って行く。



「よし!」

コース作りが終わった叡斗が、ヘルメットを作り始める。

「パトロン?何してますのん?」

「ん?転んで死なない様に保護具をな?」

「へぇ?」

「このコースで勝負してみるか?」

「ほう?」

「先に3周した方が勝ちな?」

叡斗がコースに小麦粉で白線を引く

「今練習してきたうちが勝つで?」

「それはどうかな?」

「パトロン?何で重り積んではるん?」

「出力に対してバイクが軽すぎるんでな?」

「ププ!重たなったら遅くなるに決まってるやん!」

叡斗がバイクに重りを取り付け、それを見たフェイが笑う

「銅貨が落ちたらスタートな?」

叡斗が銅貨を投げ地面に落ちると同時に叡斗とフェイが同時にスタートする。


「はや!なんでこのカーブをそのスピードで曲がれるんや!?」

「はっはぁ!」

叡斗がヘアピンカーブをフェイの倍のスピードで駆け抜ける。

「直線で差をつめても、カーブで広げられてまう・・・」

フェイを半周遅れにして叡斗がゴールする

「パトロン?なんであんなにバイクを倒しても転ばへんのや?」

「あれでもバイクが軽すぎて恐くて、全然倒せなかったんだぞ?」

「なんで軽くてスピードが速いうちが負けるんや・・・」

「軽いから倒すとすべるんだよ。」

「そうなんか・・・パトロンのバイクで走ってみたいねんけど?」

「転ぶなよ?普通に死ねるからな?」

「金貨4000枚が死んだらあかんから気ぃつけんで!」

フェイが重りを足したバイクでコースを走りだす。


「まぁ死ぬことはないだろう・・・」

叡斗が頑張ってカーブを攻めるフェイを見て呟き屋敷の作業場に行きバイクを作る。

「ダーリン?何をしてますの?」

「みんなドはまりしてるから、バイクを増やそうかと思ってね?」

「にしても・・・何台作りますの?」

「とりあえず4台作ったけど十分かな・・・どうしたの?」

「あ、レース場に村人が集まってますわよ?」

「ほう?フェイ達が何かやらかしたか?」

「そういう感じではなさそうでしたわ。」

「とりあえず行ってみようか?」

「そうですわね。」

メイサと一緒に作りたてほやほやのバイクに跨ってレース場に行く。



「さぁ!カイルかベックはんか!銅貨10枚一口で賭けられんで!」

村人達の中からフェイの声が聞こえる。

「何してんだ?」

「あ!パトロン!?大繁盛やで!」

フェイが村人に色つきの札を渡して、賭けの胴元をしているみたいだ。

「スタートや!賭けは打ち切りや!」

フェイの掛け声と共にソフィアがコインを投げて、カイルとベックが同時にスタートする。


「ほほぅ?ベックは攻めるな・・・さすがの肝っ玉だな!」

「あんなに倒して転びませんのね?」

「もっと倒せるぞ?」

「ほほぅ?次はダーリンも出場してみては?」

「ライダースーツは出来てるの?」

「とりあえず4着ほど!」

「完璧だ!」

叡斗がファットバイソンの皮で出来たライダースーツを着てヘルメットを装着する。

「ベックはんの勝ちや!赤い札の人はこっちで、木の札はこっちの箱に返却してや!」

フェイの掛け声と共に歓声を上げて並ぶ村人に、落胆して箱に札を投げ込む村人でフェイが見えなくなる。



「さて!次は俺も出るぞ!」

「次はエイト様が出るでぇ!札3種類用意や!」

フェイの号令で村人達が群がり、フェイの後ろで新人奴隷達が大急ぎで木の札を作っている。

「パトロン!一番人気や!気張りやぁ!?」

「任せとけ!」

「ほな締め切りや!ソフィア3倍、ベックはん2倍、エイト様1,5倍や!」

「では投げます!」

カイルがコインを投げ、3台が同時にスタートする。



「うえっ!エイト様のバイクだけ出力が違うんじゃないのか!?」

「カーブを曲がるごとに差が開いてるぞ?」

「おい!胴元!!次はエイト様のバイク交換してやってくれ!」

叡斗の独走でレースが終わり、村人達から批判が殺到する。

「ベック?そのバイク重りつけてるやつだな?交換しようぜ?」

「おう!そのバイクなら勝負出来そうだぜ!」

「同じバイクだよ!」

「信じらんねぇよ!?」

叡斗とベックがバイクを交換して再走するが、叡斗の独走で終わる。



「こんなもんだ!」

ガッツポーズをした叡斗がバイクに跨るメイサに歩み寄る

「ダーリン格好良かったですわ!」

「年季が違うぜ!」

「とはいえ膝が地面スレスレまで倒してよく転びませんわね?」

「このバイクとタイヤじゃ膝を地面に擦らせるのは無理かな?」

「ふぅ・・・私はのんびりと乗って遊びますわ。」

「危ない乗り物だからそれでいいと思うよ!」

「では少々遊んで参りますわ。」

ライダースーツに身を包んだメイサが地平線へバイクで走って行き、叡斗は村人達とバイクレースを観戦する。



「パトロン以外やと、ベックはんが一番やな?」

「その次は?」

「どんぐりの背比べやけどカートやないかな?」

「へぇ?」

「こら商売になるで!」

「風の魔石を使いまくってるの忘れてないか?」

「そこなんよな・・・風の魔石を普通に売った方が割がえんよな・・・」

「いつかはちゃんとしたエンジンを作りたいな。」

「それってどんなんなん?」

「ガソリンって言う燃える油を使って動かす、装置だ。」

「魔法関係ないんやね?」

「俺の元いた世界には魔法がなかったからな?」

「難儀な世界やねぇ?」

「この世界より便利な世界だったぞ?」

「へぇ?」

「エンジンの付いた馬車より早い鉄の箱が走って、空を飛んで、海を渡っているぞ!」

「なんちゅう世界やねん・・・」

「にしても、お前胴元はいいのか?」

「新人奴隷の商売の練習ついでに任せてる!」

「とは言え、もう日が暮れるけど・・・あいつらいつまですんだ?」

「魔石が切れるまでちゃう?」

「大目に渡してるから、日が暮れるぞ・・・」

「ならうちが仕切って終わらせよか!」

俺は今日は色々あって疲れたし屋敷に戻って晩飯作る事にする。




叡斗はまず屋敷の前に『土魔法』でかまどを作り、鉄板を置いて熱して、大量のキャベツを切り始める。

「ダーリン只今戻りましたわ?」

「おかえり!」

「ご飯を作ってらっしゃるの?手伝うことはありますか?」

「ならこのキャベツをひたすらさいの目切りにしてもらえるか?」

「かしこまりました、今日は何を作りますの?」

「お好み焼きだよ?」

「ふむ・・・楽しみですわね。」

メイサが手馴れた手つきで大量のキャベツをさいの目切りにして行く。

叡斗が山芋をすりおろし、小麦粉と水と卵を入れて混ぜ、肉や海鮮を空納から取り出して材料ごとに大きさや形を変えて切って行く。


「ダーリン?終わりましたわ?」

「よし!ならこのボウルにキャベツを入れて混ぜてくれ!」

「ふむ・・・小麦粉を水で溶いた物ですわね?」

「ソースを作ったから、食べたくてね?今日は大人数だぞ?」

「・・・さては観客の村人にも振舞うつもりですわね?」

「クイーンの世話をしてもらってるしたまにはね?」

「クイーンで村が十分潤っていると思いますわ。」

「みんなで食べた方が美味しいからいいの!」

「ではダーリン?私も完成したのでどうぞ?」

メイサが樽専用冷蔵庫をマジックバッグから取り出して、琥珀色に輝くシュワシュワと音を立てる液体をジョッキに注ぐ。


「ま、まさか・・・」

「ダーリンのお口にあえばいいですが・・・」

「キンキンに冷えてやがる!」

叡斗が一口飲み、そのまま目を見開いて一気に飲み干す

「ぷはぁ!こら美味い!最高だ!」

「ビール成功ですわね?」

「香りも苦味もしっかりと高級な○ビスビールのようだ!贅沢だなぁ!」

「ささ!お替りをどうぞ?」

「お替りを行きたいのも山々だが、ソースを作らないとな・・・」

叡斗がメイサにお好み焼きの焼き方を教えて、空納から寸胴鍋を取り出す。


「ダーリンそれは?」

「時間がある時にコツコツと煮込んでたんだ!」

叡斗が寸胴の中の液体を魔導具に入れながら答える

「ダーリン何をしますの?」

「ミキサーで粉々にするんだ!」

「下部の刃が回転して・・・なんと・・・循環して切れますのね・・・」

メイサがミキサーを見て驚愕の表情を浮かべる

「ちょっと舐めてみな?」

「美味しいですわね。」

「万能ソースだ!」

叡斗が寸胴の中身をミキサーにかけては、別の鍋に移して行く。


「ダーリン?そろそろひっくり返せばよろしいのかしら?」

「どれどれ?うんいいよ!優しくね?」

「かしこま・・・割れましたわ。」

メイサがお好み焼きをひっくり返そうとして失敗した

「お手本を見せてしんぜよう!」

叡斗が華麗にお好み焼きをひっくり返して行く。

「ぐぬぬ・・・上手いですわね・・・」

「コツは優しく、思いっきりよくだ!」

「今日中にマスターしてオリーブに教えてあげないといけませんわね!」

「そろそろ焼けたな?誰も帰ってこないしメイサが失敗したやつで味見しよっか?」

「楽しみですわ!」

叡斗が2つに割れたお好み焼きを更に取り上げ、ソース・マヨネーズ・青海苔・てんかす・削り節を乗せて行く。


「ほほぅ?手が込んでると見せて簡単な料理ですわね。」

「食べてみな?」

メイサが一口食べると目を見開きそのまま1枚食べきってしまう。

「あ・・・ダーリンの分が・・・」

「まだまだ作るから気にせず作ろうか!」

「かしこまりましたわ!」

メイサとひたすらお好み焼きを焼いていると、みんながゾロゾロと戻ってきたので


「みんな!今日は儲けた胴元の奢りだ!好きなだけ食べて飲んでくれ!」

「我々もですか!?」

「勿論だ!村のみんなも食べまくってくれ!」

「ちょっ!パトロン!?うち何も聞いてないでぇ!?」

「ヨハン商会の宣伝も兼ねて今日は儲け無しだな?」

「損して得とれってことか・・・さすがパトロン深いやん・・・」

フェイが勝手に考え込みだし、村人と奴隷達が我先にと出来上がったお好み焼きを取って食べ始める。

「酒も飲んでいいぞ!」

叡斗が屋敷の前に『土魔法』で台を作ってワインの入った樽を置く。



「ダーリン?」

「どうした?」

「チーズを乗せますの?ピザではありませんよ?」

叡斗がお好み焼きにチーズをすりおろしてかけている

「美味しいぞ?」

「楽しみですわ!」

「焼けたぞー!」

叡斗が声をかけると一瞬で10枚焼いていたチーズお好み焼きが一瞬で無くなる。

「さて次焼くか!」

「チーズ食べ損ねましたわ・・・」

「ごめん、みんなに言う前に取って置くべきだったね・・・1枚別に焼いとくか・・・」

「ピザの時のダーリンの気持ちがわかりましたわ・・・」

「辛いだろ?」

「全員を叩きのめしてゆっくりとお好み焼きを食べたいですわ。」

「俺はそんな気持ちではなかったとだけ言っておく!」

物騒な事を言い出すメイサに恐怖を感じながら、ビール片手にお好み焼きを焼いていく。


「ダーリン?貝を焼きますの?」

「これって多分牡蠣だろ?好きなんだよ!」

「ですが鉄板で貝なんて焼けませんわよ?」

「フフフ!文明の利器があるのだよ?」

叡斗が牡蠣の回りに水を回しかけ、蓋を被せる。

「これで焼けますの?」

「蒸し焼きだね?5分もすれば貝が開くんじゃない?」

「なんと賢い・・・」

「パトロン!これ商売なるな!?なっ!?」

「鉄板を熱するのはどうするんだ?」

「そんなに大変なんか?」

「薪じゃ火力が安定しないし、魔石の方の魔導具は論外だから魔道具で火をおこし続けて採算採れるのか?」

「け、計算してみるわ!」

フェイがお好み焼きを一枚奪って去って行く。



「さて!牡蠣出来たかな?」

蓋を開けると蒸気が上がり、鉄板の上に開いた牡蠣が現れる、叡斗がハフハフと食べてビールで流し込む

「幸せだなぁ!」

「ほほぅ・・・これは美味ですわね。」

「エイトさん何食べてるんですかぁ?・・・美味しぃ~!」

「ライラ横取りすんな!」

「あなたは先程からお好み焼き何枚も食べてるでしょうに!」

酔っ払ったライラが絡んできた。

「えへへぇエイトさんが作った物は別腹ですよぅ!」

「そう言って貰えると作るかいがあるってもんだな?」

「そうですわね!ですが腕に絡みつくのは禁止です!」

「まぁそう固い事言わずに楽しくしましょうよぉ?」

「料理しずらいんだが?」

「ほら!ダーリンが言っています!あっちでお好み焼きを食べてなさい!」

「料理が出来なくちゃみんなに怒られちゃいますねぇ・・・」

「そうだな!そろそろ離れてくれないとお好み焼きが焦げるな・・・」

「早く!シッシッ!」

「アイルビーバックですからねぇ!」

メイサに追い払われライラが去って行く。


「さて!」

「あら?ダーリンこのタイミングで新料理ですの?」

「作ってたタネが切れちゃったからね・・・」

「あら?あれだけあったのに・・・」

子供なら入って隠れられそうなサイズの鍋に作っておいたお好み焼きのタネが切れたので、叡斗が野菜と茹でた中華めんを炒めて、ソースと絡める。


「ラーメンの麺がこんな物に・・・ダーリンの料理は七変化ですわね。」

「俺のじゃなくて、地球の料理だけどね?焼きそば焼けたよ!」

「あ!我々の分を!」

メイサが慌てて更に取り分け、直後に人が押し寄せ一瞬で鉄板一杯に作った焼きそばが無くなる。

「じゃあ次は焼きうどんだ!」

「うどんも焼くのですか?」

「豚のモツを入れてホルモンうどんだ!」

味噌も入れて甘辛に味付けをする。

「んんっ!ビールがんまい!」

「ささっ!ダーリンもう一杯ですわ?」

「メイサは飲まないの?」

「今日はダーリンにお酌をする日ですわよ?」

「美味しいビールに美人がお酌・・・幸せだなぁ!」

「ささっ!ジョッキが空ですわ!」

「あざーっす!」

真っ赤な顔をした叡斗が鉄板料理を振る舞い続け夜が更けていく。

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