表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
93/158

~87話~3人の特訓の成果と叡斗達の逃亡

「パトロン!開店から即行で噂が広まって全店舗行列だらけやで!」

「ふーん?よかったね?」

「こらかなり大目に仕込んだのにそろそろ全店材料切れやで!」

「へぇ?俺の方は材料切れになんないの?」

「パトロンのは、まだまだありまっさ!明日の朝まででも作ってもらえんで?」

「もうやだよぉぉぉぉぉ!」

朝ヨハン商店に行くと、山の様に積まれた薬草をひたすら錬金させられ続けていた。


「パトロン?予定より遅れてますわ!頼みますで!」

「『錬金術』は急げばいいってもんじゃねんだよ!」

「予約受けてもうてるから、最低各100本づつは作ってもらわんと、うちの評判に影響すんで、お願いしますぅ!」

「自分の奴隷に脅迫されてます、どうしたらいいでしょう?」

「パトロン?誰に言ってはんの?ほな頼んます!」

「ちくしょぉぉぉぉぉ!」

フェイが錬金室から出て行き叡斗は延々と錬金させられ続ける。



「エイト様!お手伝いに参りました!」

「天の助けだ!」

「品切れで閉店になりましたので、参りました!」

「その瓶に冷めたシャンプー詰めちゃって!」

続々と奴隷達が手伝いにやってきて、喜ぶ叡斗が指示をする。




「化粧水・・・乳液・・・シャンプー・・・トリートメント・・・」

フェイが箱に詰められた瓶をチェックしながら数を数えている

「よっしゃ!各200本づつ確かに預かったでぇ!」

「じゃあ俺は解放だな?」

「ほな1ヶ月後くらいにはまた来てんか?」

「そんなにすぐに捌けるのか?」

「1週間もあれば十分やない?」

「本当にお前を買って、後悔してるよ!」

「パトロンに損はさせへんから、見とってや!」

「うん・・・俺の言いたい事わかってないね?」

「みんな!これから倍仕込んで明日に備えんで!」

「フェイ?従業員を倒れさせるなよ?」

「わかってまんがな!落ち着いたら週休2日やろ?」

「わかってるならいい!」

「無理なら奴隷を雇って教育しまっさかい安心してや!」

「まぁぼちぼちがんばれよ?」

「任せといてや!」

「じゃあな?俺達は旅に戻るから・・・」

疲れきった叡斗がふらふらと宿に戻り、メイサとオリーブと食堂で晩御飯を食べる。



「ダーリン?そんなにがっつかなくても料理は逃げませんわよ?」

「御主人様、それでは喉に詰まってしまいます。」

「ムゴムゴ・・・ングッ!フェイのやつ昼飯も食わさねぇで働かせやがって!」

「やはり馬車馬の如く働いたのですね・・・」

「予想通りでしたね。」

「とんだブラック企業だぜ!」

「ダーリンの商会ですわよ?」

「商売人としては正解なのでしょうね?」

「明日はフェイに捕まる前に街を出るぞ!?」

「かしこまりました。」

「では夜明け前に出発致しましょう。」

「次の街は?」

「副首都セクンカピタールですわよね?」

「はい、3日程で到着の予定です。」

「どこでもいい!フェイから離れたい!」

「同感ですわね。」

「同じくです。」

「なら決まりだ!今日は本当に疲れた、飯食ったら寝るからな!」

会話を終わらせ運ばれてくる料理をがっつく。

「よほどお腹がすいてたのですね。」

「おそらく『錬金術』で魔素を消費しすぎたのですわ。」



ご飯を終え、メイサに今日は我慢出来ないと、魔素を吸われて連金漬けの一日を終える。


「ダーリン!ダーリン!起きて下さいまし!」

「パトロン!起きてんか!?」

「ん?なんだ・・・まだ暗いじゃん・・・」

「ダーリン?何か食べて魔素を補充なさいまし!」

「ふぁい・・・」

叡斗がメイサに言われるままに空納からご飯を出して食べる


「よし!どうした!?」

「うちの従業員が攫われてん!」

「早速か!俺達が街を出るまで待てよなっ!」

「パトロン!冗談言うてる場合ちゃいますがな!」

「俺は本気だ!もう出来る限りフェイに関わりたくない!」

「嫌よ嫌よもなんとやらってやつやな?うちそんな軽い女ちゃいますで?」

「もう嫌だよ、このエセ関西弁の女!」

「ではダーリン?私達は探すところまではしましょうか?」

「そうだな!そこからはフェイ達に任せて商会の名を轟かせよう!そうしよう!」

「では行きましょう!」

「奴隷達の話では商業地区側のスラム方向に連れて行かれたそうや!」

「わかった!メイサ?奴隷達の魔力波長覚えてる?」

「感知すればわかると思いますが・・・自信はありませんわね。」

「俺もだな・・・だが・・・方向的に心当たりはあるぞ?」

「奇遇ですわね?私もですわ!」

「フフフ!うちも心当たりあんで!」

全員で屋根から屋根へと飛び、奴隷商店へと一直線に向かって行く。



「ダーリン?どんぴしゃですわ!」

「そうだな!フェイ?真下だ!」

「合点や!ハン?」

「お任せください!」

ハンが奴隷商店の屋根を殴りつけると、屋根が爆発してフェイ達がそのまま商店の中へと落ちて行く。


「ほほぅ?ダーリンの作ったマジックウェポンですの?」

「あぁ・・・ナックルってよりは指輪だな。」

「指輪ですの?」

「ハンの両手についてる指輪がそれぞれに相乗しあって武器になってるんだ。」

「ほほぅ?では先程のはエクスプロージョンですの?」

「そう!そして結界の指輪で手は無事って寸法よ!」

「マジックアイテムを10個・・・なんと贅沢な話しでしょう。」

「ついつい張り切っちゃった!」

「まぁよろしいですわ!行きましょう。」

「ではお先に失礼します。」

オリーブがひょいと商店へと降りて、メイサと叡斗も続いて中へ降りて行く。



「おいヤーコブ!ようもはめてくれたな!んでうちの従業員を攫うってどういう了見やねん!?おぉ!?」

「ちっ!お前を奴隷にして名実共にフェイ商会を乗っ取る予定だったのに・・・」

「お前は人を使うのは上手いけど金を使うのが下手なんや!分を弁えんかい!」

「煩い煩い!お前ら殺して構わん!やってしまえ!」

「自分・・・状況わかっとるんか?誰に言っとるんや?」

「は?」

ヤーコブが後ろを確認すると、涼しい顔のハンと口笛を吹きながらステッキを振るヨウが立っている。

「おい!ボディーガードはどこに行った!?」

「ホッホッ!この男達の事ですかな?」

「これがボディーガードとは・・・何から身を守るのでしょうか?」

ヨウとハンが足元の暗がりをランプで照らすと、大男が5人転がっている。




「なんだと!?俺は・・・ここまでか・・・」

「ふん!お前は生かしといたる!うちが帰るまで精々商会を切り盛りしとき!」

「後悔する事になるぞ?」

「誰が後悔するかい!お前はこれからはうちの影に怯えて生活しいや!」

フェイが呪文を詠唱し始める

「何を訳の分からん事を!お前が魔法を使えん出来損ないのダークエルフなのは周知だろう!」

「うちはあんたのおかげで変わったんや!闇の(ダークネス)襲撃者(アタッカー)!」

フェイが呪文を唱えると、ヤーコブの足元からフェイの形をした黒い人型の物体が現れてヤーコブに襲い掛かる

「なんだこれは!痛い!やめんかこのっ!」

「それはうちの分身や!生きたければ、常に明かりの下におるんやな!」

「覚えてろ!?貴様を私の奴隷にしてやる!」

フェイの分身に追われながら奴隷商店から逃げ出すヤーコブ


「御主人様、奴隷達は怪我も無く問題ありません。」

「そうか、よかった!」

「店主そこにおるんやろ?商談しましょかぁ?」

「出て来てきませんね。」

「ホッホッ!私が!」

ヨウがステッキを暗がりに振るとステッキが伸びて行きぐるぐる巻きになった店主が暗がりから引き摺り出される。


「ダーリン?あれもダーリンが?」

「そうだよ!魔力を通すと鞭みたいにしなって、伸縮するステッキ!」

「呆れて言葉がありませんわ。」

「褒めてよ!」

「あんなマジックウェポンを一介の商会主が持ってるわけありませんわ。」

「フッフッフッ!機能はそれだけじゃないんだな?」

「ヌ?」

引き摺られていた店主がいつの間にかステッキにぐるぐる巻きにされたまま、足がぎりぎり床に着かない高さまで持上げられ、足をバタバタともがいている。

「鞭ではあのような真似は出来ませんわね?」

「魔力を通せば硬度も思いのままさ!」

「なんという・・・ダーリン腕を上げすぎですわ。」

「この前19人分作ったばかりだしね!」

「まぁいいですわ・・・2人の会話が気になりますし。」

「だね!」

フェイと店主の話しに耳を傾ける



「で?決まったか?」

「グヌヌ・・・どれを選んでも私は破滅ではないか・・・」

「ヨハン商会に手を出したらどうなるか身をもって宣伝してや!」

「通報されるか、商店の全ての奴隷の所有権・・・どれも破滅だ・・・」

「金貨2000枚儲かってんやろ?奴隷がお勧めやで?」

「わかった・・・奴隷を全部持っていけぇ!」

「ほな心変わりする前にすぐに手続きしてんか!」

「い・・・今からか!?」

「当たり前やん!善は急げやで!それとも死にたいんか?」

「わかった!書類を持ってくる・・・」

「ハン、ヨウ!見張ってんか?」

「「はい」」

ヨウのステッキに解放されても尚青い顔の店主にハンとヨウが付いて暗がりへと消えて行く。


「これで解決だな?」

「せやで!しかも従業員ガッポガッポで大儲けや!」

「転んでもただでは起きんやつだな・・・」

「商人として当然やで!とりあえず規模を西に広げて行こか!」

「アメリアに向かって広げないのか?」

「前の商会が余裕で併呑出来る様になるまで準備やで!」

「ハハ!がんばれよ?」

「半年後にはフェイ商会を乗っ取るでぇ!」

「じゃあ俺達は宿に戻るから、こけないようにな?」

「誰がこけるかいな!嫌いやったけど今度は奴隷を使ってやったるわい!」

「じゃあ頑張れよ!」

叡斗達は3人で顔を見やって頷き合い、フェイの返答を待つことなく、屋根へ飛んで宿に戻って、3人でラプター車を準備して逃げるように出発する。

「あいつらはもう十分強いから大丈夫だ!」

「全くもって同感ですわ!」

「さぁラプター気合を入れて走りなさい。」

3人が大急ぎでセクンカピタールへ向かってゼントラムの街を後にする。



「これくらい来たらいいかな?」

「問題無いと思います!」

「では朝食に致しますか?」

「そうだな!」

「ではすぐに停めます。」

車が止まりメイサとオリーブが朝食を作り始める。


「マスター『生命感知』を作動しますか?」

突然頭の中に声が響き、『生命感知』?っと不思議に思いながら心の中で「はい」と答えると、3時間はラプターが走り続けたはずなのにゼントラムの門から馬車に乗って出てくるフェイの反応を感じる。

「おい!フェイがこっちに向かってゼントラムを出たぞ!」

「なんですって!?」

「奥様どうしましょう?」

「絶対に厄介事に決まってますわ!」

「朝食は中止だ!すぐに出発だ!」

叡斗が料理途中のキッチンを丸ごと空納に入れて出発する。



「ほらオリーブ!これ食べろ!」

「これは・・・おいしいれふ!」

「即席ハンバーガーだ!」

ハンバーグにトマトソースをかけ生野菜とパンで挟んだ簡単な物だがオリーブは大絶賛してくれてご満悦の叡斗。

「ダーリン?これもフェイに教えましたの?」

「これは作った事無いからレシピに起こしてないだろ?」

「知らないのですから起こせないですわよね?」

「じゃあフェイは知らない!」

「追ってくる理由はこれでしょうね・・・」

「本当にあの嵐女は勘弁だ!好きにしていいから関わらないでほしい!」

「むしろ好きにやって、我々を忘れて欲しいですわね。」

「全くもってその通りだ!」

「御主人様!お替りは無いのですか!?」

「ほら!好きなだけ食べな!」

「ありがとうございます!」

オリーブが笑顔でハンバーガーを受け取る。

「オリーブの笑顔久々に見たな!」

「それほどまでに手軽に美味しくを実現してますものね・・・」

「そこまでのもんか?」

「ダーリンは過小評価しすぎですわ!」

メイサがハンバーガーに被り付き頷く



「ダーリン?そろそろお昼ですがまだフェイの反応がありますの?」

「あぁ・・・同じ速度で走って来てるな。」

「御主人様、そろそろラプターが限界です。」

「やばいな・・・」

「ダーリン諦めてフェイを待ちますか?」

「それは嫌だ!」

「御主人様!森に不自然な道があります。」

「なんだと!?」

「魔の森の時の様に森が開いていますがどうしますか?」

「地王龍のお誘いかな?」

「オリーブ?森に入ったとしてどこか行き先はありますの?」

「森を抜けるとインダッテという村があるはずです。」

「じゃあ地王龍の誘いに乗るぞ!」

「かしこまりました。」

オリーブが綱をぐいっと引き車が街道を外れて森の中へと入って行く


「オリーブ?いい所でラプター達休ませような?」

「森の中ですが・・・御主人様と奥様がいれば魔物は問題無いですね、止まります。」

車が止まり、空納からキッチンをそのまま出して、メイサとオリーブが何事も無かったように料理を再開する。

「ダーリン?感知にはフェイ以外にもいましたの?」

「フェイ以外に3台分の馬と20人近くの反応があったぞ。」

「やはり何かしらの厄介ごとを持ち込むつもりでしたのでしょうね。」

「しばらくは近くの村、インダッテの村で大人しくしておきますか?」

「そうしたいけど・・・ウラジールに時間かけすぎじゃない?」

「オリーブ?そのインダッテから国境の街ノードオーステンまではどれくらいかかりますの?」

「セクンカピタールを避けると・・・6日と行った所かと。」

「諦めて会うと言うのも手ですわね?」

「会うのぉ?」

「フェイに転移石を作って渡してますわよね?」

「渡しました・・・」

「転移できる者から逃げるのは骨ですわ。」

「とりあえずインダッテに行ってみようか?」

「そうですわね。」

「かしこまりました。」

昼食を終えて、森の中をガタガタと進んで行く。


「酔いそうだ・・・」

「森の中ですもの、しょうがないですわ。」

「御主人様、『威圧』が弱まって動物が集まってきてます。」

「わかった・・・」

「森を抜ければすぐにインダッテの村だそうですので、頑張って下さいな!」

「あと1時間程で森を抜けます。」

「気合だ!気合だ!気合だぁぁっぁ!」

叡斗が魔物除けの『威圧』スキルを強めて、車酔いとの死闘を繰り広げながら森を突き進んで行く。




「申し訳ございません、迷いました。」

1時間程進んで、オリーブがぐったりとした叡斗とメイサに声をかける。

「迷ったとは?」

「先程から同じ場所をぐるぐると回らされているようです。」

「ほほぅ・・・ダンジョンですのね?」

「その可能性が高いかと。」

「ではラプター車の番をお願いね?」

「かしこまりました。」

オリーブが御者台から降りて礼をして、メイサがぐったりとした叡斗を車から降ろして森へ入って行く。


「ダーリン?キュアを使うなりして早く復活なさいな!」

「あぁ・・・キュアが効くんだ・・・治った!」

「ダーリンは普段は深謀遠慮な方なのにこういう時は抜けてますわね・・・」

「メイサフィルターがそう見せてるだけで、いつも抜けてますよ!」

「さぁダーリン行きますわよ!」

「あの魔力反応に行くの?」

「おそらく魔族ですわ。」

「ならさっさと行こう!」

「先程から私が言ってますでしょうに!」

「微妙に方向感覚をずらされてるな?」

「魔力反応へ一直線の我々には関係ありませんが、普通の人は迷うでしょうね?」

叡斗とメイサが一直線に魔力反応へと歩いて行く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ