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~86話~叡斗使いの荒すぎる奴隷

「ふむ・・・商店を開き料理店も10軒同時出店ですか・・・」

4人で宿の食堂で朝食を取りながらフェイの草案をメイサが読み進める。

「どやろか!?金貨1万枚やから思い切ってみたんやけど!」

「料理店を奴隷にさせるとして10店舗も面倒見れますの?」

「パトロンから聞いたんやけど、マニュアルを作ったらええねん!」

「マニュアルとは何ですの?」

「接客や料理の仕方を纏めた指南書ですわ、一箇所で一気に教えてから各店舗に送り込むねん!」

「なるほど・・・時間短縮にもなりますわね?」

「せや!その間に店舗の準備と商店を作って仕入れルートを確立やで!」

「それで?費用は如何ほどかかりますの?」

「それは次のページに載せてんで!」

「これは奴隷代が大半なのは予想してましたが・・・1万枚きっちり使いますのね?」

「あの料理があればすぐに取り戻せますわ!」

「ダーリン?どう思われます?」

「んー?いいんじゃなーい?」

夜通しフェイに質問責めにされて寝不足の叡斗が上の空で答える。

「ではこれで進めなさい?」

「了解やで!1週間で開店してやるよってに!」

「我々が手伝うことはありますか?」

「銭頂戴や!あとシャンプーとトリートメントをお願いしますわ!」

「んー?いいんじゃなーい?」

叡斗が皮袋を10個取り出して、机の上に置く。


「いきなり全部かいな!こんな量持たれへんやんか!?」

「がんばれよー。」

叡斗がカイル達用の予備に作っていたマジックバッグに金貨の詰まった皮袋を入れてフェイに投げ渡す。

「金貨1万枚とこんな容量のマジックバッグをポンと・・・パトロン何もんやねん・・・」

「さっさと行け!寝させてくれ!」

「わかったがな!ほな夜に奴隷連れて戻って来るわな!」

「フェイ?草案どおりの人数ならば宿ではなく、西門へ集合ですわ。」

「かしこまりぃぃぃぃ!」

フェイが返答しながらハンを連れて、走り去って行く。

「正に嵐だな・・・」

「ダーリンは寝るのかしら?」

「寝たいです!」

「では私とオリーブは観光に行きますので、夕方に迎えに来ますね?」

「お願いします!」

メイサとオリーブを見送って叡斗は部屋に戻って、死んだように眠る。



「………ン・・・…ト…ン・・・」

「ん・・・んん?」

身体を揺さぶられて目が覚める

「パトロン!起きてんか!?」

「なんだよおめぇわよ!寝させろよ!」

「時は金なりや!」

「今何時だ?」

「12時過ぎやで!」

「3時間は寝たのか・・・」

「パトロン!ちょっと来てんか!」

「な、なんだよ!」

フェイに手を引かれて宿を出る叡斗


「なんだ?この奴隷達は・・・」

「従業員やっ!」

宿の前に出ると、大通りに奴隷達が気をつけをして並んでいた。

「で?なんで俺が呼ばれたんだ?」

「マニュアルを作って欲しいんや!」

「接客のか?」

「レシピはあるから・・・せやな!接客のマニュアルや!」

「お前が作れよ!」

「パトロンはうちと違う角度で物事を見てはるから、一緒に作ったら更にいい物は出来ると思うねん!」

「ちっ!どこか落ち着ける場所はないのか!?」

「料理屋はもう内装工事始めてるから・・・商店やな!」

「もうそこまで話しを進めてるのか?」

「時は金成りやで!ほなみんな行くでぇ!」

満面の笑みのフェイに付いて、新しい商店へと向かう叡斗一向。



「どやっ!?ええ店やろ!?」

「大きすぎないか?」

叡斗が普段見る商店の倍は広い建物へ案内される。

「扱う物を考えたらこんくらいになってまうんや!」

「商売に関してはお前に任せるわ。」

「ほなマニュアル作ろか?」

「待て!接客担当の人間は計算は出来るのか?」

「あ・・・この中で計算が出来る人間はどれくらいいてる?」

奴隷達の中からまばらに手が上がる


「お前はとりあえずマニュアル作ってろ!」

「パトロン何すんの?」

「計算を教える!」

「わかったわ!」

フェイがすぐに紙にペンを走らせ始め、叡斗は銅貨を取り出して、みんなに足し算と引き算を銅貨を使って教える。


「パトロン!出来たで!」

「見せてみろ!」

「なんなん?もうみんな計算出来てるやん・・・」

「おい!全体的に荒すぎる!庶民の店で貴族向けの接客だぞ!?」

叡斗が走り書きで地球での接客を思い出しながらフェイのマニュアルを直す。

「ほんまになんなん?パトロン何モンなん?」

叡斗の直しの入ったマニュアルを見ながらフェイが呟く。



「じゃあ銅貨70枚のカレー2人前に銅貨90枚のハンバーグが3人前でいくらだ?」

「えー・・・410枚です!」

「惜しい!銀貨4枚と銅貨10枚だよ。」

「あ・・・両替を忘れてました。」

「一日目で十分早いから気にしなくていいよ?」

「はい・・・」

奴隷が正解出来ずに落ち込んでしまった。


「パトロン?」

「なんだ?」

「これでどないでっしゃろ?」

「ふむ・・・」

フェイが書き直した接客マニュアルを出して叡斗が読む。

「いいんじゃないか?だが、水はタダだ!」

「そんなんみんな水だけ飲みに来るやん!」

「水だけで帰れるような料理を出すのか?」

「昨日の料理は食べな、気がすまんわな・・・」

「なら水は何杯までタダって決めとけ!計算よろしく!」

「わかったわ!パトロンが言うならそうするわ!」

「あとあれだぞ?料理屋の儲けの何割かはスラム街とかに寄付だぞ?」

「パトロンが言うならそうするわ!」

「ならそろそろ日暮れだから西門に行くぞ?」

「そやな!皆行くでぇ!」

フェイの号令で奴隷達は立ち上がりぞろぞろと西門へと歩いて行く。



「ダーリンいないと思ったらやはりフェイ達に連れて行かれてたのですね?」

「あぁ無理矢理起こされた。」

「それにしても人数が多いですね。」

「草案では36名だったと思いますが?」

「37人だな。」

「1人は思わず一目惚れしてしもてん!」

「色恋ですの?」

「ちゃうねん!うちがダークエルフやから舐められんように表の紹介主を立てるんや!」

フェイがそう言って一人だけ山高帽にスーツを着て、身なりの整った男の手を引っ張る

「その男に一目惚れしたのですか?」

「元詐欺師の犯罪奴隷やで!」

「ほほぅ?」

「こいつをうちの代役にして商会主に仕立てるんや!」

「まぁ商売事はあなたに任せますわ、オリーブ?ご飯を作りますわよ!」

「かしこまりました。」

「今日の晩御飯はなんでっか?」

「餃子とシュウマイを作りますわ?」

「飲み屋のメニューやな!楽しみや!」

フェイが奴隷達に食べた事もないはずの今日のメニューの説明をしている。


「フェイ?お前は奴隷達とこのテントで一緒に寝ろ。」

フェイにワンタッチテント改を3個渡す

「3個!?ぎゅうぎゅうやんか!?」

「開いて中を見てみろ!」

「広っ!どないなっとんねん!?」

「フェイ!パンツ見えてるぞ!もう少し気にしろ!」

「ちゃうねん!驚きが先に来てもうてん!」

四つんばいのフェイがワンピースのスカートの裾を引っ張ってパンツを隠そうとする。


「ご飯が出来ましたわよ!」

「みんな!配るでぇ!」

フェイの号令で奴隷達は一斉に動き出し、料理の配膳が終わりご飯が始まる。

「旨っ!!これがうちの店に並ぶんかいな!」

「フェイ様?これを私が作るのですか?」

「そやっ!レシピ渡したやろ?」

「明日からは我々が手取り足取り指導しますわ!」

「メイサはんとオリーブはんが教えてくれるなら問題無しやでっ!」

「お前仕入先はこれから開拓すんのか?」

「抜かり無しや!もう大体は決まってるで!」

「仕事が早いな。」

「金貨14000枚稼がなあかんねやから、当然やろっ!にしても旨っ!」

褐色肌の白髪のフェイがご飯を食べる様は喋らなければ絵になるなぁっと叡斗が眺める。


「明日は何を教えるんだ?」

「ラーメンでも教えましょうかね?」

「麺作りはレシピでは分かりにくいですからね。」

「ほいで1つ問題があんねや?」

「問題?」

「これだけの料理や!荒っぽい方法でレシピを知ろうとする(やから)が出てくるやろ?」

「出て来るかもしれないな?用心棒を雇うか?」

「全店舗で雇うとなると採算があわへんねん・・・」

「ではフェイとハンと詐欺師が『魔力操作』を覚えて強くなればいいですわ?」

「3人は強くなりそうか?」

「魔素量だけなら、3人共筋がいいですわね。」

「なら俺はフェイ達に『魔力操作』を教えればいいか?」

「それでよろしいと思いますわ。」

「待ってや!『魔力操作』って禁忌やん!うち捕まりたくないでぇ!」

「【無双】エイトの奴隷と言えば免罪されますからご安心なさい!」

「女神教を丸め込んだ噂は本当だったんかいな・・・」

「では我々はお風呂に入って寝ますので、フェイとハンは奴隷達の教育をしなさい!」

「答えてくれへんのか・・・了解やで!」

フェイが奴隷達の所へ走って行き、叡斗とメイサは風呂に入り、テントで一息つく。


「やっとゆっくり休める!」

「では昨夜は邪魔が入りましたので・・・」

「休めるならなんでもいいよ・・・」

メイサに魔素を吸い取られ、長い一日が終わる。



「あれ?メイサがいない?」

起きるとメイサがいないので1人で着替えてテントから出ると、奴隷達に囲まれて麺をこねるメイサとオリーブが見える。

「おはよう!ラーメン?つか何時から?」

「夜明け前から教えてますわ。」

「みんなすげーな・・・」

奴隷達は真剣な眼差しでそれぞれにメモを取りながらメイサとオリーブの調理を見ている。

「まだ朝食まで少々ありますので、ダーリンは3人に『魔力操作』を教えてあげてくださる?」

「了解!フェイ、ハン!えー詐欺師?こっちへ!」

「了解や!あと詐欺師はヨウって呼んでやってや!」

「過去の名前は捨て、ヨハン商会にちなんで、ヨウと名乗りますのでよろしくお願いします。」

「そうかわかった、3人ともここに座って?」

叡斗が3人を地面で座禅を組ませて、肩に手を置いて魔素を循環させる


「どうだ?何か感じるか?」

「なんやろか・・・不思議な感覚やな。」

「不思議な感じですね。」

「身体の中を何かが流れていますな・・・」

「俺が手を離すから、そのまま意識して流し続けてみろ!」

「パトロンの手が離れたらどっかに行ってもうた!」

「ん?違いましたか・・・」

「ふむ・・・難しいですな・・・」

「これを何回も繰り返して、『魔力操作』を覚えてもらう!」

「これで強なるんでっか?」

「まぁ・・・普通の一般人よりは確実に強くなるだろうな?」

叡斗が順番に3人の肩に手を置き、先ほどの手順を何度も繰り返す。



「ダーリン朝食に致しますわよ?」

「わかった!」

「待ってました!」

「楽しみですな!」

メイサの声に即座に4人が反応して、叡斗が席へと座り、フェイ達は奴隷達と配膳をする。

「餃子とシュウマイ・・・えらい不揃いだな?」

「奴隷達に教えて包ませてみましたの。」

「やはり最初は難しいようでした。」

「始めは難しいよな・・・とにかく頂きます!」

叡斗の言葉で朝食が始まり、みんながラーメンを一口食べ驚いたり、感動したり、様々な反応を見せながら使い慣れない箸で食べる。


「さて、次は何を教えたらいいのかしら?」

「とりあえず、作って見せてから実際に作らせれば如何でしょうか?」

「ほほぅ?是非そうしましょう!さすがオリーブですわ!」

「恐れ入ります。」

「ダーリンはその間にあの3人を鍛えてくださります?」

「わかったけど、『魔力操作』からはどうしたらいいの?」

「フェイは片手間に私が教えますので、ハンとヨウには貴方が何かの武器を上げてくださる?」

「わかった!」

朝食を食べてメイサとオリーブが料理を、叡斗はフェイ達に『魔力操作』を教える。


「ダーリン?この料理を収納して下さる?」

「はい!」

叡斗がメイサが作ったハンバーグを空納にしまう。

「パトロン?マジックバッグじゃ痛むで?」

「時忘れのマジックバッグだから、今度食べる。」

「パトロン・・・ほんまに何モンやねん・・・」

「お前は余計な事気にせず『魔力操作』を会得しなさい!」

「もう身体の中やったら自由自在やで!」

「ダークエルフだからか?早いな・・・」

「・・・才能ってやつやん?」

フェイがドヤ顔で答える。

「なら次のステップは貴女がどの魔法に特性のあるダークエルフか見極めましょう。」

「何すんの?」

「ちょっとおいでなさい?」

「え?はい?」

メイサが料理の手を止めてフェイをテントへと連れて行き5分程してボロボロになったフェイが出て来る。


「ダーリン?フェイは『闇魔法』と『風魔法』・『土魔法』に特性がございますわ。」

「な・・・なるほど。」

「ですので、彼女の闇と風の魔素を集める練習をさせてください。」

「合点!フェイ行くぞ?」

「メイサはん鬼やで・・・」

何をされたのか気になるが、恐くて聞けない叡斗は何事も無かったように特訓を進める。



1週間特訓を進み、明日から店に行く奴隷達と最後の晩餐をする

「メイサ?今日の煮込みハンバーグは誰が作ったんだ?」

「レシュリー達が作りましたわ。」

「美味いな!」

「料理は合格ですわね!」

「フェイとハンとヨウも合格だしな?」

「ほう?」

「3対1だがオリーブ相手に10分持ちこたえられた十分だろ?」

「カイル達を基準にすればSランクくらいの戦闘力があるわけですわね?」

「くらいはあるんじゃないのか?」

「ならば問題ありませんわね!」

「フェイ?店も問題無いのか?」

「内装も商店の仕入れも人材も完璧や!」

「なら明日は開店準備をして、明後日開店か?」

「時は金成りや!これ食べたら店に行って仕込みを始めて明日開店やで!」

「明日でお別れだが、ずっと忙しいやつだな・・・」

「明日は、パトロンは商店の錬金室に篭ってもらうで?」

「ん?」

「明日一日でシャンプーやら作ってもらわんと!それとも話しを違えるんでっか?」

「わかった・・・やればいいんだろ!」

「おおきにやで!朝にヨハン商店の前で待ってるさかい!」

「ちゃっかりしてますわね・・・」

「では奥様、明日は我々はもう一度買出しをしますか?」

「そうですわね!ダーリン?夜は宿をとっておくので帰って来てくださいね?」

「はい、フェイに駄目と言われても絶対帰ります。」

「パトロン?テントとマジックバッグは貰ってもええんでっか?」

「いいけど、絶対に秘密を漏らすなよ?」

「もちろんわかってまっさ!」

フェイ達は晩御飯を食べると早々に店に向かって、街へぞろぞろと帰って行く。


「さて!長い嵐が去ったな?」

「そうですわね!明日は私達はゆっくりと買物を楽しみますわ。」

「奥様楽しみですね。」

「俺は明日、ひたすら『錬金術』か・・・」

「ダーリン?今日は普通に寝ていいですわよ?」

「え?」

「明日のダーリンを考えると、魔素をいただけませんわ・・・」

「やっぱりそうなると思う?フェイって俺の奴隷だよな?」

「馬車馬の如く作らされるかと愚考します。」

「あーやだやだ!メイサ風呂入って寝よ!」

「わかりましたわ。」

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