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~外伝~ハヤテの逃亡劇とエイト教入信

「金貨10枚だね!」

「おい!足元見んなよ!この馬車が馬付きで金貨10枚なわけねぇだろうが!」

「身分証を出せないんなら、どうせ盗品だろ?金貨10枚でも感謝して欲しいぜ!」

「チクショウ!早く金貨10枚出しやがれ!」

「へへへ毎度あり!」

外套を深深と被ったハヤテが怪しい男から金貨10枚を受け取り、そのまま店を出て街道を外れ道無き道を進んで行く。


「そろそろロキマの・・・アユミンって村のはずだが?」

地図を確認しながら獣道を進んでいくと、建設ラッシュにわく活気溢れる港町が見えた。

「おい!ここはアユミンの村でいいのか?」

1人の大工に尋ねると

「そうだ!エイト様の町アユミンだ!」

「ちっ!ロキマに来て早々に嫌な名前を聞いちまった!」

「あんた!この町でエイト様の悪口は言わねぇ方がいいぞ?」

「なんだ?ボコボコにされんのか?」

「ボコボコで済めばラッキーだな!ガッハッハッハッ!」

「俺があの化物以外に負けるかっての!」

思わず愚痴をこぼしながら、町へと入って行く。


「エイト焼きはいかがっすかー!?」

「エイト煮!エイト煮だよー!」

「ユーリ町名物のエイトうどんですよー!」

「ちっ!どこもかしこもエイトエイトうるせぇな!」

ハヤテがボソリと言うと、町の喧騒がぴたりと止む

「おい!あんた今なんつったんだい!?」

「あ?エイトエイトうるさいつったが?」

「手荒な事はしたくないから今すぐ町を出て行きな!」

「あんたが俺に手荒に何をするってんだ?」

赤髪の女が俺様に、何か寝言を言ってくる

「はぁ・・・しょうがないね!」

「のろまに捕まるかよっ!」

「ドーラかまわねぇ!ボコボコにして放り出しちまいな!」

村人が何やら行ってるが気にせず『神速』を発動して、女に殴りかかる



「ほう?中々早いんだね?でもエイト様には勝てないね!」

「な!?」

赤髪の女ことドーラがハヤテのパンチを受け止め、そのまま残った手でハヤテを殴り飛ばす。

「おい!こいつを町の外にでも放り出しときな!」

「はい!」

ドーラの号令で町人がハヤテを担いで行き、何事も無かったように町の喧騒が戻る。



「いって・・・ここは・・・どこだ?」

目が覚めると日が沈んでるし、頭に鈍痛が残っている・・・癪だが、今日だけはあいつの事は忘れて、反省したふりをしてアユミンに泊まるとしよう。

「あんたドーラに吹っ飛ばされてた人だろ?帰ってくんな!」

「お前!昼過ぎにエイト様の悪口を言ってたってやつだろ!?帰れ!」

「お前に貸す部屋はねぇよ!町から出て行きな!」

どの宿屋に行っても門前払いされてしまう。


「なんなんだよ!この町は!エイトエイト煩い上に融通のきかねぇ町だな!」

ハヤテが憤慨しながら、アユミンの町を後にして、真っ暗な街道を歩いて行く。



数日歩くとユーリの村に辿り付くはずだが・・・

「この村も建設ラッシュかよ・・・おい!ここはユーリの村か?」

「今はユーリの町だ!」

「そうか!すまねぇな!」

「いいって事よ!ようこそエイト教発祥の地ユーリへ!」

「ちっ!この村もエイトエイトってうるさいのかよ・・・」

「おい!エイト様の事を愚弄するのか?」

「あぁ?駄目なのか!?」

「はっ!?いい度胸だな!ユーリの町には入らずに迂回して行く事をお勧めするぜ?」

「大工如きが何をいいやがる・・・」

ハヤテが1人ごちながらユーリの町に入って行く。



「ふむ・・・懐かしいな・・・」

「お客様は召喚人ですか?」

茶髪の綺麗な髪の女が話しかけてくる、中々の美人だ。

「そうだが・・・どうした?」

「ではエイト様と同郷の方なのですね?」

「そうだな、一緒の日本と言う国の出身だから同郷だな。」

「日本と言われるのですね!?日本ではどう言った女性が好まれるのでしょうか?」

「そうだな・・・2人っきりになれる所で教えてやろうか?」

「はい!是非エイト様の心の射止め方を教授して下さい!」

「なら宿をとって教えてやろう!」

中々の上玉だが所詮は田舎娘、部屋にさえ連れ込めば余裕だぜ。とハヤテがにやけながら茶髪の娘ユーリとうどん屋を出ると、ドーラと鉢合わせする。


「あんた・・・あれだけエイト様の悪口を言ってアユミンを追い出されたってのに懲りないねぇ?」

「え・・・召喚者様はエイト様の悪口を言われたのですか!?」

「ユーリは2人でどこに行くつもりだったんだい?」

「エイト様の心の射止め方の伝授をしてもらうために宿へ・・・」

「はぁ・・・ユーリ?召喚人はエイト様が特別なだけで基本はスケコマシ集団だから気を付けな・・・」

「なっ!??そういうつもりだったのですか!?」

「ちっ!胸糞悪いっ!エイト並みに邪魔な女だぜ!」

「だからエイト様の悪口は許さないつっただろ!!」

ハヤテがドーラの高速のパンチを顎に受けて、そのまま糸が切れたように倒れる。


「さぁ!キャラバンツアー最後の目玉、カレーうどんを食べて宿に行くよ!」

ドーラがエイトキャラバンの客を引き連れて店へと入って行く。

「この不埒者を町の外へ捨てておきなさい!」

ユーリが町人に指示をしてハヤテが町の門の横に捨てられる。


「・・・ん?ここは?」

「兄ちゃん起きたか?」

「門番・・・って事は町の外か・・・何門だ?」

「南門だ!悪いが町長の命令で町には入れられんぞ?」

「誰が入るかこんな村!」

ハヤテが悪態をついて村の塀を回って北へと歩いて行く。



「クソッ!どいつもこいつもエイトエイト煩い国だな!」

思わず不満が口から漏れてしまう。

「ジュリア達は無事なんだろうか・・・?」

駄目だな・・・あんな一時のパートナーの事を思い出すなんて焼きが回ったな・・・

ハヤテがあれこれと考えながら、再出発のためのハルミンへと向かって歩を進める。



「はい!それではこちらの記入をお願い出来ますか?」

「はい。」

ギルドの受付嬢から登録用紙を受け取ったが、名前はどうしようかな・・・本名の隼人にしとくか・・・

「ではハヤトさんこのボードに手を置いてください!」

「はい。」

「レベル189ですか・・・」

「召喚されてからかなり彷徨ってたもので・・・」

「そうでしたか!ではこちらがギルドカードですが、試験を受ければDランクからのスタートも出来ますが?」

「いえ!この世界の事がわからないのでGランクから学んで行きます!」

「そうですか!ではこちらがギルドカードです!」

「どうもありがとうございます!」

「あ!あちらに依頼が張り出されたボードがあるので依頼はあそこで探してくださいね?」

「ありがとうございます!」

久々に依頼ボードを見てみるか・・・

「ブホッ!エイトの野郎、女神教の指名手配になってんじゃねぇか!」

何々?禁忌を先導した罪で異端審問のため召集指令・・・他にエイトレンジャーのカイジン、バッポ、ゴウ・・・

「全員で15人か・・・ドーラって名前聞き覚えがあるが思い出せんな・・・」

ウラジールで抱いた女の1人だったか?思いだせん・・・

「まぁいい!とりあえずコツコツランクを上げて行こう!」

とりあえず適当に討伐依頼を受けておく。



「1週間経つのにあの野郎の処刑の報せがこないな!」

「おう!お前最近メキメキと依頼をこなしてる召喚人だな?」

無駄にガタイのいい強面のおっさんが話しかけてくる

「あん?すまんが俺は忙しい。」

「まぁそういうな!俺達と話そうぜ?」

「俺はあの野郎の処刑の報せを探すので忙しいんだ!邪魔すんな!」

「威勢のいいやつだな!誰の処刑の報せを待ってるんだ?」

「あん?この前女神教に指名手配にされた連中の親玉だよ!?」

「・・・お前はエイト様の処刑の報せを待ってるのか?」

「マジか・・・またエイト信者かよっ!」

一瞬で首を掴まれ食堂へと引き摺られてしまう。


「カイジンどうしたんだ?」

「カイジンさんおかえり!」

阿呆そうな男と黒髪の見覚えのある日本人が座っている机に引き摺られる

「お前!?剛一郎か!?なぜここに!?」

「エイト様の悪口を言ってたから捕まえた。」

「あー・・・えー・・・ウラジールのハヤテさんじゃないですか!?」

「ゴウ知り合いか?」

「お前もエイト信者なのか!?あと俺はハヤトだ!」

「エイト様を呼び捨てにすんじゃ・・・ねぇ!」

「そうだ!兄貴を呼び捨てにすんじゃ・・・ねぇ!」

カイジンとバッポがハヤトを殴る。


「2人共!この人はウラジール最強の冒険者のはずですよ!」

「ほほぅ?だが『未来視』は働かねんなら大丈夫だろ?」

「兄貴の悪口を言うやつは死あるのみだ!」

「おい!剛一郎!助けろ!」

「ゴウ?知り合いなのか?」

「お前は兄貴の敵の味方なのか?」

「威張り散らす、召喚人の先輩だよ!2人共好きにしていいんじゃない?」

「なら問題ねぇな!」

「カイジン!俺にも残せよ?」

「待て!どこに連れてくんだ!クソッ!」

ハヤテの首を掴んだままギルドの練習場へと向かうカイジン達。


「カイジン君達はアガテアから帰って来たと思ったら忙しい人達だね。」

「ブルーノさん!?」

ロキマ国の本部ギルドマスターだったかな?とハヤトがおぼろげな記憶を探る。

「これは・・・その・・・へへへ。」

「ハヤト君の素行は聞いていたからね?予想はしてましたよ?」

「それで止めに来たんですかい?」

「いや、君達をSランクに推薦しようと思っててね?戦いぶりを見てみたくてね?」

「こいつ相手にわかるんですかい?」

「ハハハ!ゴウ君は二つ名は何がいい?【鉄壁】に戻るかい?」

「ばれてたのか・・・」

「ハヤト君も頑張ってくれよ?君もまた【音速】がいいのかな?」

「ウラジールに突き出すのか?」

「何を言ってるのかわからないな?ロキマ国の有望な冒険者の二つ名を考えているだけなのだがね!ハハハ!」

「見逃してくれるんなら、俺は何も言う事はねぇや!相手してやるからいい加減離せデカブツがっ!」

「離してやるから暴れるなっての!」

「もうばれてんだ!実力を隠す必要はねぇな?死ねっ!」

この前の赤髪の女みたいにラッキーパンチを喰らいたくなかったので、少し距離をとってから『神速』を発動させて、カイジンとか呼ばれてるおっさんの首をはねる。



「次はどっちだ!?」

「ゴウ?あいつ何言ってるんだ?」

「多分スキルを慢心しきってるんだろ?」

「あ?カイジンとか言うやつはもう死んでるぞ?」

「誰が死んでるって?ん?」

「嘘だろ!」

声に驚いて振り向くと首が繋がったカイジンが巨体からは想像も出来ない速度でパンチを放ってくるので、『神速』を発動して避ける

「嘘だろっ!?」

『神速』と同じ・・・いやそれ以上の速度で次々とパンチが飛んで来る。


「バッポ!こいつおもしれぇぞ!」

「俺の相手が出来るくらいにしといてくれよぉ?」

「ふざけんな・・・よっ!!?」

ハヤトがカイジンのパンチを顔面で受け止めてそのまま後ろへ倒れる。



「あーあ・・・俺の出番が無くなった・・・」

「俺のスピードで追いつくんだ!お前らなら余裕だったろ!」

「俺は2人の頭に血が上って殺さなくなっただけで満足だよ。」

「ゴウ?俺達も兄貴の様に成長してるんだぞ?」

「そうだぞ!ゴウは俺達をガキ扱いすんな!」

「こんな強いガキの面倒は見たくねぇよ!」

3人が世間話をしながらブルーノにハヤトを任せて歩いて行く。

「君達!明日Sランクカード作るからギルドに来るんだよ!?」

カイジンが後ろ手にひらひらと手を振って練習場から出て行く。



「俺は・・・負けたのか?」

目が覚めるとソファに寝ていて、頭上でブルーノが机に座って書類を片付けていた

「起きたかね?」

「何がウラジール最強だ・・・ロキマのAランクに負けてんじゃねぇか・・・」

「ハッハッハッ!戦闘力だけで言えばSランクでもトップクラスだよ?」

「なぜAランクが!?」

「私は知らないが、エイト君の修行を受けたおかげと言っていたな?」

「どうやればあんなに強くなれんだよ・・・」

「明日ギルドに来るから教えを乞うてみたらどうだい?」

「あんだけエイトの悪口言って無理だろ・・・」

「ハッハッハッ!案外行けたりしそうだがね?」

「明日頭を下げてみるか・・・エイトを倒すために!」

「そうするといい!今日はもう遅いから宿に帰って明日また来たまえ!」

「そうします。」

頭を下げると言ったものの・・・この世界に転移して20年、最強の座に君臨し続けた、俺が頭を下げる?

嫌だが、あいつを倒して再び最強の座につくために今だけは頭を下げてやろう・・・そう決心して宿で眠りにつく。



「俺にエイ・・・エイト・・・さんの修行を教えてもらえませんか?」

翌日カイジン達の前で頭を下げて言う

「いいぞ?」

「はぇ!?カイジン何言ってんだ!?」

「ハヤトさん?目的は何ですか?」

「嘘を言ってもしょうがなねぇな、エイト・・・さんを倒して最強の座に返り咲きたい。」

「ガッハッハッハッ!いいじゃねぇか!旅に着いてきな!」

「だからカイジン何言ってんだよ!?」

「旦那の敵を育てるのか!?」

「おい!エイト様ならこういう時どうする?」

「兄貴なら・・・面白がって条件付きで連れて行く?」

「それで奥さんが溜息を吐いて、了承でしょうね?」

「だからハヤト!俺達の旅に付いて来い!そしたら教えてやる!」

「荷物持ちが出来て楽できるぜ!」

「いや・・・マジックバッグあるじゃん・・・」

「じゃあエイト様の踏破した「ドラゴンの塔」に行ってみるぞ!」

強さの秘密を知りたかっただけなのに、なぜかパーティに入れられてしまった・・・まぁいい!

俺様が同じ事をすれば、カイジンよりも強くなれるだろうから、まずはコイツに昨日のお返しをしてから、エイトの野郎をボコボコにしてやればいい!



そう思っていたが・・・あれから一ヶ月旅に同行して、『魔力操作』を教わり、確かに『神速』の精度は上がり力も強くなった。

強くなればなるほど、カイジン達との実力差が見えてきてしまう・・・エイト一派はどうなってやがんだ・・・

「おい!これお前の事じゃねぇのか!?」

メグミンの街の門を出る時に一枚の張り紙を見つけたカイジンが言う。

「あん?俺の家で犯罪組織が誘拐して監禁だと!?」

「へへへ!お前全国指名手配喰らってんじゃん!」

「ハヤトさん・・・どんだけ鬼畜な事してたんすか・・・」

「俺は何もしてねぇ!俺が逃げたのを知ったやつらが空き家でやってたんだ!」

「しかも緊急指名手配だから滅多に使われねぇギルドの連絡用魔道具使ったな。」

「確かえれぇ魔玉を消費するから滅多に使われないってあれか?」

「ハヤトさん・・・極悪人っすね・・・」

「エイト・・・エイトさんに会ってから碌なことがねぇ!」

「っふ!正式にお前もエイト様の一派に入れば免罪符が貰えるぞ?」

「兄貴には勝てないんだから、覚悟決めろよ?」

「ハヤトさん?旦那は格が・・・つか人間辞めてるから・・・」

「チクショウチクショウ!お前らにも勝てないし、もう何でもいいよ!」

思わず膝から崩れて泣いてしまう。



「よし!ハヤトの正式な加入祝いに「ドラゴンの塔」踏破するぞ!」

「カイジンそんな急がなくてもダンジョンは逃げないぞ!?」

「ハヤトさん・・・行きましょうか?」

「チクショウ!あいつは・・・エイトは何者なんだよ・・・」

「ハヤトさん・・・旦那の事は考えたら負けだぜ・・・」

「おい!下っ端2人さっさと行くぞ!」

「そうだそうだ!下っ端2人遅いぞ!」

「おい!俺が一番強いの忘れてないか!?」

ゴウが追いつき3人でパンチしたりして、じゃれ合いながら「ドラゴンの塔」へ向かって行き、その後ろを項垂(うなだ)れたハヤトがトボトボと歩いて着いて行く。

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