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~76話~村の特産品とハンクへの依頼

「ハンク殿よくぞご無事で!」

「エイト様のおかげで積荷も半分だが助かったぞ!」

「バンダールとボッシュも怪我は無いのか!?」

「エイト様が来なければ決死で向かってたかもな?」

「本当によかった!」

何事も無く午前中にウンテントラムに到着して、ハンク達が行商人と冒険者達に囲まれて無事を祝われている。


「よかったよかった!じゃあ俺達はオリーブと合流しに宿に行こうか?」

「そうですわね。」

「お待ちくだされ!」

ハンクに突然呼び止められる

「どうしましたか?」

「エイト様の護衛が無ければ私はここにおりませぬ!」

「はぁ、それで?」

「これから村長との商談を致しますので。そこでエイト様の護衛の額を決めたいのですが?」

「道すがらだったので護衛なんて!ファットバイソンの肉が手に入ったんでいいです!ですが村長とは話したいですね。」

「ではこちらへどうぞ!」

「ハンクさん・・・普通に案内してくれますか?」

「商人は人を見ますからね!ホッホッホッ」

やたらと腰を低くしたハンクの案内で叡斗とメイサが村長の家へと入って行く。


「村長来ましたぞ!」

「おぉ!ハンクか無事で何よりじゃ!」

「この方々のおかげで助かっての!」

「それはそれは!ありがとう御座います!」

「いえいえ!当然の事をしたまでです。」

村長が深深とお辞儀をしてくるので、それにならう叡斗とメイサ

「ハンクがいなくなったら、飢える所でした!」

「ほぅ?そんなに深刻な状況なんですか?」

「ファットバイソンが多くて畑に出られませんでな・・・」

「どの方向から来てるとかは分かりますか?」

「南西の畑の被害が特に酷いですな。」

「我々が来た街道の方からですか。」

「北の畑は無傷ですから・・・おそらく。」

「ダーリンが道中に感知した群れの中にクイーンが?」

「行ってみるか?」

「そうですわね!」

「じゃあさっそくファットバイソン退治に行ってきます!」

「え!?お待ちくだされ!謝礼の話しが!」

「いらないって言ってるでしょ!?」

ハンクが引き止めるが、叡斗が吐き捨ててメイサと共に宿へと向かってオリーブと3姉妹と合流する。


「御主人様、1泊部屋を取りましたがいかが致しますか?」

「走って街道を戻るぞ?」

「かしこまりました。」

「え?どういう事ですか?」

「道中にファットバイソンの群れを見つけたからそこにクイーンがいるか確認するぞ!」

「車で行かないんですか!?」

「リーナ?走った方が速いだろ?」

「そんなわけないですよ!」

「着いて来い!記録がんばれよ!!」

「早っ!待っ、待って下さい!」

叡斗達が走って村を飛び出して行き、3姉妹が全力疾走で追いかける。



「ダーリン!?」

「あぁ、あそこだな!」

「御主人様私が!」

「まぁ待て待て!」

「ぜぇぜぇ・・・なんで息が・・・はぁはぁ・・・切れてないんですか?」

3姉妹が滝のような汗を流しながら息を切らしている。

「『魔力操作』でステータスを十全に発揮してるからですわ。」

「はぁはぁ・・・確かに・・・前なら我々は途中で倒れてましたね・・・ぜぇぜぇ」

「そのまま励みなさいね?」

「あとずっと思ってましたけど、なんで3人はこんなに暑いのに汗をかいてないんですか?」

「この特別製の外套なので、快適温度なのですわ。」

「ズ・・・ズルイ!」

「マジックアイテム・・・また国宝級・・・」

「ご飯食べたい・・・」

「カンナの言う通り昼飯にしよっか?」

3姉妹が地面に大の字に転がって休んでいるので、休憩も兼ねてご飯にする。



「暑いのであっさりと冷やしうどんとトゥンヌスのお刺身ですわ!」

「いいねいいね!では頂きます!」

「「「「「頂きます!」」」」」

号令をかけた途端に3姉妹がご飯を奪い合うように食べ始める。

「ウフフ、これだけ美味しそうに食べられると作り甲斐がありますわね!」

「メイサ様とオリーブさんの料理はどれも絶品です!」

「エイト様の新作も全部絶品です!」

リーナとリーチェが満面の笑みで言い、カンナは一心不乱にうどんをすすっている。

「あの・・・おつゆのお替りありますか?」

「えぇ!あそこに用意してるので好きに注ぎなさい?」

カンナが走って調理場へとつゆのお替りを取りに行く。

「このつゆあれだな?削り節のダシを効かせてネギを入れたらもっといいかもな?」

「「えっ!?」」

メイサとオリーブが同時に顔を上げて叡斗を睨む

「違うよ?まずいって意味じゃないよ!」

「ダーリン?」

「御主人様?」

「だからこれも美味しいけど、そうすればもっとって思っただけで・・・」

「なぜそういう大事な事を今更言いますの!?」

「御主人様、一食損した気分でございます!」

「わかったわかった!明日の昼か夜は俺がつゆを作ってみるよ!」

「美味しければレシピを教えて貰いますわ!」

「奥様!美味しくないわけが御座いません!」

「そんなに期待されるとハードル高くなりすぎだよな・・・」

「今まで越えて来たではありませんか?・・・ねぇ?」

「奥様の言う通りです!御主人様の心配する事ではありません。」

「プ、プレッシャーが・・・」

3姉妹の麺をすする音をバックにどんどんと上がるハードルに叡斗が困惑する。



「さぁ参りましょう!」

昼食が終わりメイサが掛け声をしてファットバイソンの群れへと突っ込んで行く

「メイサ待て!」

「なんですの!?」

「いいから止まれ!」

「どうされましたの?」

「クイーンがいるかもわからんのに群れに突っ込んでどうするんだ?」

「それは・・・」

「皆殺しか?」

「もう!皆殺しでも問題ないでしょう!!」

「クイーンを調教できたら、あの村に牧場を作れないかな?」

「牧場ですって!?」

「子供が人に慣れればいけそうじゃない?」

「ふむ・・・」

「成功すればハンクの信用をがっちり頂きだぞ?」

「グヌヌ!私が早計でした・・・」

「じゃあファットバイソン達を刺激しないように行くぞ?」

「はい・・・」

「かしこまりました。」

「メイサ?奥に3頭か?違う反応があるな?」

「これは・・・恐らくクイーンですわね。」

「ちょっと2人で行ってくる!」

叡斗とメイサがスキルを使って音も立てずにファットバイソンの群れに入って行く。


「やっぱメイサから『隠密』もらっとけばよかったな・・・」

叡斗が1人ごりながら木から木へと『無音』スキルを使って飛び移りながら、群れの中を悠然と進むメイサを追う。

「メイサ?あれがクイーンか?」

「私も見るのは始めてですが恐らく・・・」

角のない3頭のファットバイソンが延々と普通のファットバイソンが運んでくる草を4mを超すであろう巨体を横たわらせて食べ続けている。

「ずっと食べてるな・・・」

「おそらく子供を作るために魔素を補給してるのでしょうね。」

「それは俺の作る道具で解決だな?」

「そうですわね。」

「とりあえずクイーンをテイムして見るか?」

「クイーンをテイムしても雄のファットバイソンが静まらなかったら?」

「やっぱ適当すぎるな・・・戻るか?」

「そうですわね。」

「メイサの『隠密』もらっとけばよかったな・・・」

「もう盗ってるのでは?」

「騒ぎになっても駄目だから念のために行きと同じで帰るよ。」

「わかりました、では!」

メイサが木から地面に下りて堂々と走って帰って行き

「やっぱ『隠密』盗らせてもらえばよかった!」

叡斗が愚痴りながら木から木へと飛び移って元の場所へ帰って行く。



「いいか?みんなは派手に暴れてくれ!俺はクイーンをテイムする!」

「テイムしたら何か合図は?」

「空に向けてファイアーボールを打つ!」

「木々が生い茂って見えませんわ!」

「じゃあかなりの本気で打つ!」

「それで大人しくならなければ殲滅ですわね?」

「その判断は任せる!」

「では今度こそ参りましょう!」

「待って下さい!」

「リーナですか!?今度は何ですか?」

「その戦力には我々は数えられてますか?」

「え?何もしないつもりですか?」

「マジですか・・・」

「Aランクでしょう?頑張りなさい?」

「そういえば3姉妹の戦闘見た事無いな・・・」

「ウラジールの底力見せるわよ!?」

「「うん!」」

叡斗とメイサが煽ると3姉妹が気合を入れる


「では久々に暴れますわよ!?」

「一番槍は私が!」

「早っ!」

メイサとオリーブがファットバイソンの群れに突っ込んで行く。

「あたし達も行くわよ!」

「はぐれたの行こうね?ね?」

「お姉ちゃんも群れに突っ込まないでね?」

「じゃあ任せたよ!」

走る3姉妹を追い抜かして、叡斗がファットバイソンクイーンへと、『縮地』を連発して瞬間移動のように飛んで行く。



「ほい!よっと!」

叡斗がファットバイソンクイーンの周りで草を運んでいたファットバイソン達の首をはねてファットバイソンクイーンへと近づく。

「無抵抗っぽいから殴るのも嫌だな・・・どうやってテイムしようかな?」

叡斗と目の鼻の先にいるクイーン3頭は叡斗を見つめながらのん気に横たわったまま草を咀嚼しているので、とりあえず頭に手を置いて『調教』を発動させながら魔素を流す。

「あれ?成功した?」

ファットバイソンクイーンとの繋がりを感じれるようになったので、他の2頭も同じようにテイムして、空に向けて本気でファイアーボールを放つ。


「本気は駄目だった!」

轟音と共に空が真っ赤に染まり、すさまじい爆風で叡斗を中心に木々が薙ぎ倒されていく。

「危なかった・・・驚かせてごめんな?」

ファットバイソンクイーン3頭に結界を張って助けると、変わらずにのん気に咀嚼しているファットバイソンクイーンがとても喜んでいるのがわかる。

「『調教』のおかげかな?クイーンの気持ちがわかるな。」

試しに色々と話をしてみる。

「腹いっぱい食わしてやるから、ミルクをくれないか?」

「満腹にしてくれるなら、産む小間使いも持って行けって?暴れないのか?」

「満腹にしてくれるなら、大丈夫なのか!」

叡斗が物言わぬファットバイソンクイーンと会話をして、『創造魔法』で<魔力吸収の首輪>を作り、ファットバイソンクイーンに付けてやると、すぐに満腹になったファットバイソンクイーンが立ち上がり叡斗に行くぞと言わんばかりにのそのそと歩きだす。

「待て待て!みんなを連れてくるから!」

「ダーリン成功しましたの?」

「あぁ!しかも『調教』のおかげか考えが大体わかるよ?」

「素晴らしいですわ!ではファットバイソンの回収をお願いできます?」

「わかった!」

来た方向を戻ると息絶えたファットバイソンをオリーブが積み上げていたので、まとめて空納する叡斗

「御主人様このファットバイソンはどうしましょうか?」

「なんだこりゃ!素材回収出来るか?」

「皮は無理で、肉も血抜きが出来てないので美味しくないかと。」

「まぁ一応回収しとくか・・・」

「一生懸命戦ったのに酷い・・・」

「やっぱり3姉妹が狩ったファットバイソンか?」

「叡斗さん達は狩りでも、あたし達には本気の戦闘です!」

角が当たったのか、服の至る所が破れたリーナが近くの木の根元に座り込んで声を張り上げ、妹2人が肩で息をしながら頷く。


「頑張ったな!日暮れまでに村に戻ろうぜ?」

「わ・・・わかりました。」

疲労困憊な様子の3姉妹を連れて、3頭のファットバイソンクイーンに2人づつ乗って村へと戻って行く。


「のん気なお顔で中々早いのですね。」

「そうだな!ん?・・・いいよ?行こうか?」

「どうしましたの?」

「こいつらが好物見つけたから寄り道していいか?って」

「そこまで意思の疎通が出来ますのね?」

「ステータス!・・・『調教』が6に上がってるね?」

「テイムする魔物が強いので恐ろしいスピードで上がってますわね。」

話しているとファットバイソンクイーン達が一心不乱に固そうな竹に似ている草をバキバキと音を立てて食べ始める。

「ん?・・・んん!?」

叡斗がファットバイソンクイーンから降りて、草を切って中身を食べる

「ダーリンどうしましたの?」

「これ食べてみな?」

「甘いですわね。」

「これサトウキビだ!」

「それがどうしましたの?」

「フエッヘッヘッヘッ!村の特産が出来るぞ!」

「これが特産ですか?」

「少しばかり根っこごと持って帰ろう!」

叡斗が無造作にサトウキビを抜いて空納へとしまい、10本程を切って空納にしまう。


「お腹いっぱいになったから行こうってさ!」

「かしこまりましたわ!」

再び叡斗とメイサを乗せたファットバイソンクイーンが村へと戻って行くと馬に乗ったハンクの護衛達が武器片手にこちらへ走って来た。

「エイト様ご無事で!?」

「ん?あぁ・・・問題ないよ?」

「大爆発が起きたので何かあったのかと思い・・・」

「あ!あれは・・・作戦成功のサインだったんだけどね?やりすぎちゃった!」

「あの大爆発はファイアーボールだったのですか?」

「そうだ!」

「あと・・・この魔物は・・・?」

「ファットバイソンクイーンだテイムしてるから安全だぞ?」

「そうですか・・・では村へ戻りましょう!」

護衛達と村に戻ると村長とハンクが出迎えてくれる。


「エイト様ご無事で!?」

「よかった!大爆発があったので気が気ではありませんでした!」

「心配をかけて申し訳なかった!」

「で?その魔物は?」

「こいつな?村で世話してやってくれないか?」

「え?どういう事で?」

「ハンクにも、利のある話のはずだからちょっと話しをしようじゃないか?」

叡斗が嫌らしく笑いファットバイソンクイーンをメイサ達に任せて村長の家で話しあう。



「なるほど我が村で牧場ですか・・・」

「そしてチーズやファットバイソンの肉を特産で私が売ると・・・」

「どうでしょうか?」

「して・・・我々は何を見返りに差し出せば?」

「私も何をすれば?こんな儲け話・・・」

「特に何も?」

「そんな・・・後から言われても我々出せる物がありませぬ!」

「私も商人として旨い話しすぎて、恐くて逆に手が出せませんな・・・」

「んー・・・なら牧場ついでに別荘用の土地下さい!」

「土地ですか?いくらでも余っておりますゆえお好きなところをどうぞ!」

「ハンクさんはコイツを出来る限り高く売って欲しいです!」

叡斗がそう言って、家の前にアースドラゴンとハイドロアクアドラゴンの爪や鱗を取り出す。


「これが俺が望む見返りでいいかな?」

「こんな・・・こんな・・・」

村長は言葉を失い、ハンクは泣き出した

「どうしましたハンクさん?」

「商人としてこんな大物を扱えるとは・・・わかりました!お任せください!」

「では一任しますんでお願いします!」

「商人冥利に尽きますな!すぐにカピタールに戻って売りさばいて見せます!」

「ではまた後にお会いしましょう!」

「2週間後に商店へお越しください!」

「わかりました!」

ハンクが宿へと全力疾走して、大急ぎで馬車を平台にして連結させて村人と総出でアースドラゴンを乗せて夕暮れに村を出て行った。




「あ・・・村長あとお願いが。」

「なんでしょうか?」

「こいつを栽培してもらえませんか?」

「これはそこらへんに生えてる雑草ですな。」

「これを畑とは別で大々的に栽培をして特産にしませんか?」

「エイト様が言うのです!是非はありませんがこれが特産に?」

「明日作って見せに来ますね?」

「お待ちしております。」

「ではまた明日に!」

「本当にありがとう御座いました!」

「では!」

叡斗が村の外にいるメイサとオリーブの元へ戻って行く。

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